腫れ物にメスを入れてゆく。
皮膚を切り、
筋肉の層を切り、
筋肉の血管から出血のある中
更に切り進む。
切った層の深さが指の長さ以上(100mm)になっても
まだ筋肉層だった。
更に深く手を入れると
硬い膜のような物に触れた。
この硬い膜は何だろうか・・・?
創面を広げるように横に切り
手を深く入れて
この硬い膜のようなものに
メスを入れた。
プツリ・・・
という感触があった。
その数秒後
切った創面に
クリーム色のとろりとした液体が溢れてきた。
膿汁だった・・・
ということは
この大きな腫れ物は
血腫ではなく膿瘍であった。
牛の頸部背側の
深部にできた大きな膿瘍だった。
切開層をメスで広げて
手がすっぽりと入る大きさまで切開すると
大量の膿汁がとめどなくあふれ出てきた。
助手のH獣医師に
膿瘍を両手で押してもらうと
更に残りの膿汁がたくさんあふれ出てきた。
5リットル以上はあっただろうか。
膿汁の勢いが減ったところで
水道のホースを創部に突っ込み
その先端を膿瘍の奥へ挿入して
膿瘍の内壁を洗った。
排泄されてくる微温湯が
米のとぎ汁のように
次第に透明感が出て
さらにそれを続けると
排出液はほぼ透明になった。
ホースを抜いて
そのまま牛を手術台から下ろした。
創部からは出血が続いた。
止血のために
大きめのタオルを創部に挿入し
そのまま手術を終えるつもりだった。
ところが
しばらくすると
大量の血液を含んでヌルヌルになったタオルが
創部から出てきて落ちてしまった。
創部からは尚も出血が続いた。
数分様子を見ていたが
創部からの出血の勢いは治らなかった。
これだけ出血していると
そのまま牛を返すわけにはゆかなかった。
そこで仕方なく
創部を止血縫合することにした。
ズタズダに切れた筋層からの出血は
血管を特定することができなかったので
筋層を大きく針で掬い
出血が止まるまで繰り返すという
かなりラフな縫合をした。
ようやく
出血が止まったので
抗生物質を投与し
牛を△さんの元へ返すことにした。
△さんには
明日また往診して
様子を見に行くことを伝えた。
(この記事つづく)
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
皮膚を切り、
筋肉の層を切り、
筋肉の血管から出血のある中
更に切り進む。
切った層の深さが指の長さ以上(100mm)になっても
まだ筋肉層だった。
更に深く手を入れると
硬い膜のような物に触れた。
この硬い膜は何だろうか・・・?
創面を広げるように横に切り
手を深く入れて
この硬い膜のようなものに
メスを入れた。
プツリ・・・
という感触があった。
その数秒後
切った創面に
クリーム色のとろりとした液体が溢れてきた。
膿汁だった・・・
ということは
この大きな腫れ物は
血腫ではなく膿瘍であった。
牛の頸部背側の
深部にできた大きな膿瘍だった。
切開層をメスで広げて
手がすっぽりと入る大きさまで切開すると
大量の膿汁がとめどなくあふれ出てきた。
助手のH獣医師に
膿瘍を両手で押してもらうと
更に残りの膿汁がたくさんあふれ出てきた。
5リットル以上はあっただろうか。
膿汁の勢いが減ったところで
水道のホースを創部に突っ込み
その先端を膿瘍の奥へ挿入して
膿瘍の内壁を洗った。
排泄されてくる微温湯が
米のとぎ汁のように
次第に透明感が出て
さらにそれを続けると
排出液はほぼ透明になった。
ホースを抜いて
そのまま牛を手術台から下ろした。
創部からは出血が続いた。
止血のために
大きめのタオルを創部に挿入し
そのまま手術を終えるつもりだった。
ところが
しばらくすると
大量の血液を含んでヌルヌルになったタオルが
創部から出てきて落ちてしまった。
創部からは尚も出血が続いた。
数分様子を見ていたが
創部からの出血の勢いは治らなかった。
これだけ出血していると
そのまま牛を返すわけにはゆかなかった。
そこで仕方なく
創部を止血縫合することにした。
ズタズダに切れた筋層からの出血は
血管を特定することができなかったので
筋層を大きく針で掬い
出血が止まるまで繰り返すという
かなりラフな縫合をした。
ようやく
出血が止まったので
抗生物質を投与し
牛を△さんの元へ返すことにした。
△さんには
明日また往診して
様子を見に行くことを伝えた。
(この記事つづく)
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
豆作さん、この牛助けてあげて下さいね。次回が楽しみだわ〜