下川町の酪農家俳人、

と、いちいち言わなくても、

今やその名は、

全国的に知られるようになった、

鈴木牛後さん。

IMG_6847毎年いただく年賀状に、

その年の干支を読み込んだ、

回文の575が書かれていて、

今年はどんな作品が書いてあるのか楽しみにしていた。

そして今年も期待を裏切らない

すごい回文が書いてあった!

これは本当に凄い!(◎_◎;)


 魚を見ず猫とことこ鼠を追う
(うおをみずねことことこねずみをおう) 牛後


なぜ凄いかといえば

まず

意味が完璧に通じることだ。

魚を見ないで鼠を追っている猫の姿が

余すことなく描かれていて

17文字に無駄がなく

回文にありがちな

意味の傷が全くない。

また

「とことこ」というオノマトペ(擬態語)が

絶妙で、これ以上ない猫の姿を

牛後さんらしいオリジナルな表現で綴っている。

さらに

驚きなのは

5・7・5でありながら

リズムが5・6・6の句またがりになっていること。


  魚を見ず(5音)
  猫とことこ(6音)
  鼠を追う(6音)


こういう回文575は

そう簡単にできるものではない。

例えば

私の今年の回文575を例に挙げると


  子鼠を(5音)
  産ましてしまう(7音)
  お水猫(5音)


というのは

上五と下五をひっくり返して作っておき

中七を回文で組み込めば出来る。

しかし

今年の牛後さんの一句は

そういう作り方で作っていないことが

比較して見るとよくわかる。

つまり

私の回文575のような

安易な作り方をしていない。

しかも

私の作品よりも意味が鮮明で傷がない。

こうして見ると

IMG_6848牛後さんが

いかに独創的な回文の作り方をしているかが

想像できるのである。

どうやっているのかよくわからない技は

神技と言われるが

これはもう

完全に神技である!!

私が牛後さんを

「回文の神」

と呼ぶ理由が

ここにある。




IMG_2775

左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。