前回紹介した、

Poly Dome 社製の calf warmer(カーフウォーマー)は、

IMG_6754生まれたばかりの濡れ仔を温めるのには、

威力を発するようである。

Warmer(ウオーマー)すなわち、

「温め器」であるから、

IMG_6755その目的は、

「仔牛を温める」ことのみで

それ以上でもそれ以下でもない。

その器具をどう使いこなすかが

飼主さんの技術であろう。

注意して欲しいのは

下痢などの腸炎になった仔牛や

熱発して肺炎症状のある牛が

体温が低下したということで

前回の記事の飼主さんのように

calf wormer を使うのは

疑問である。

calf warmer の中に病気の仔牛を入れて

IMG_6750そのふたを開けておいて

点滴治療をしたのだが

それをセットしてその場を立ち去った私も

説明不十分で迂闊だった。

飼主の▽さんはその後

途中で仔牛が震えだした

ということで

仔牛がさらに冷えてきたのではないかと思い

点滴を外して中止して

calf warmer のふたを閉じてしまったのだ。

これを後から聞かされた私は

忸怩たる思いに苛まれた。

仔牛が震えてきたのは

自分の体温回復の反応だったかもしれない。

さらに点滴によって

循環血液量の増加が期待できるのに

それを外して勝手に中止してしまい

calf warmer のふたを閉じて

仔牛を温めようとしたこと。

これは

点滴の効果よりも

calf warmer の効果を優先した行為で

病気の仔牛に対して

点滴治療よりも

保温を優先した行為だった。

それが結局この仔牛の

命を奪ってしまったのではないか。

ここで確認しておきたいことがある。

IMG_6624calf warmer というのは

保温器具であって

治療器具ではない。

病気の仔牛に対して

IMG_6623補助的な使い方は可能だが

点滴を中止してまで

calf warmer の効果に頼るのは

本末転倒の行為である

と言わざるを得ない。



IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

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