先日、往診から帰ってきたら、

H獣医師とK獣医師が仔牛の手術を始めるところだった。

IMG_6580何の手術かと聞くと、

仔牛の臍帯炎で、

大きな膿瘍があるようだが、

どうやら腹腔奥深く、

尿膜管の奥の方まで伸びている可能性があり、

手術台に乗せて

IMG_6581慎重に手術することになったらしい。

いわゆる仔牛のデベソは

ピンからキリまであり

小さいものは軽い臍帯炎で

抗生物質を数日打てば治癒する。

大きなものは臍膿瘍になっているものが多く

IMG_6594膿瘍を切開して排膿してから

抗生物質を数日打てば治癒する。

そのとき最も重要な

類症鑑別は

臍ヘルニアであるが

たまには臍ヘルニアを併発した臍膿瘍もある。

IMG_6582さらに

巨大な膿瘍になれば

講師の腹腔へ大きく入り込み

尿膜管への感染からの膿瘍

あるいは臍動脈や臍静脈の観戦による膿瘍

という場合もある。

IMG_6585今回の仔牛のデベソは

上記のパターンのうち

最悪の場合を想定した手術だった。

まずは大きな膿瘍の部分にメスを入れて

切開排膿した。

排泄された膿汁は1リットル程度

IMG_6586排膿して萎んだ臍帯部の深部を探ってゆくと

肥大して太くなった尿膜管と思われる穴が確認された。

その穴の中を探ると

膿汁が残存していた。

ただ幸いなことに

尿膜管の炎症の方は予想していたよりも軽度で

IMG_6590その部分を洗浄しておけば

自然治癒が期待され

肥大した尿膜管自体を摘出する必要はなかった。

洗浄した尿膜管はそのまま残し

排膿して萎んだ膿瘍部分の

肥厚した組織と皮膚を切除したら

IMG_6591縦も横も約20センチほどの大きな円形の切除跡が残った。

その切除跡の周囲の皮膚を寄せて

縦に約数10センチを縫合して

手術を終えた。

終えてみれは単純な行程だったが

検査をして診断して

IMG_6596最悪の場合も想定しつつ

今回の手術を行った

2人の同僚獣医師の仕事は

手慣れたスムーズなものだった。

そのおかげで

私はゆっくりと余裕を持って

写真を撮影することができた。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。