乾乳牛が予定日を過ぎても、

お乳が張らない、

産む様子がない、

と言われることは多い。

特に最近は

飼養頭数が増えたことで

乾乳牛の観察も疎かになりがちで

異変に気付くことが遅れる酪農家が多くなった。

乾乳牛の分娩遅延で

診る牛の中で

分娩がただ遅れているだけのものが

半数くらいはいるので

それらの牛については

ただ分娩をもう少し待っていればよい。

次に多いのは

妊娠マイナスのもの。

それらの牛は

1度は妊娠ブラスと診断されている牛がほとんどなので

途中で胎児が流産したことに

飼主さんが気がつかなかった例である。

ただし、まれには

獣医師の妊娠診断が間違っていた

という可能性もあることは否定できない。

乾乳牛になって

妊娠マイナス

というのは飼主さんにとっても

我々にとっても

非常にがっかりするものであるが

これらの牛に対しても特に何も治療を施すことはなく

肉用として売却するケースがほとんどである。

さらに

より最悪なケースが

ミイラ胎児である。

ミイラ胎児は直腸検査で容易に診断することができる。

しかしこのままにして置く訳にもゆかないので

胎児を分娩させるために

ホルモン剤の注射をすることになる。

ミイラではない普通の分娩誘起であれば

デキサメサゾンとPGを注射し

多くが36〜48時間で分娩をする。

しかし

ミイラ胎児の場合

ミイラの大きさや時期によって

分娩誘起の後いつ出てくるのか

全く予想がつかず

何度もホルモン剤を打たなければならないこともある。

その時は

子宮頸管外口を開かせる目的で

エストラジオールなども併用する。

先日

そんなミイラ胎児の乾乳牛がいた。

ホルモン注射をして

その2日後に

膣に手を入れて診ると

ミイラ胎児にすぐ触れることができた。

同僚の新人T獣医師を連れていたので

IMG_0659交代をして

ミイラ胎児を摘出してもらった。

今回は

あっさりとミイラ胎児を摘出することができた。

ミイラ胎児の

ミイラたる所は
IMG_0658
悪臭が全くない

ということで

T獣医師には良い経験となった。

しかし

飼主さんにとっては

ミイラ胎児というのは

何の利益もなく

がっかりするものである事に

何ら代わりはない。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。