家畜を快適な環境で飼育する、

IMG_1620「アニマルウェルフェア(AW)」、

の国際基準というものが、

我が国の鶏卵業界にとっては、

まだまだ厳しすぎるものだったようだ。

具体的には、

鶏を小さな入れ物に閉じこめてる「ケージ飼い」、

鶏どうしが嘴で突き合うことを防止するために先端を切り落とす「デビーク」、

などが問題視されはじめて

そのような飼育方法を改めるための

IMG_1621国際基準が出来た。

我が国の農水省は

それを日本の鶏卵業界に徹底させる政策を始めた。

ところが

その農水省のトップの大臣が

一部の鶏卵業者から現金を受け取り

国際基準に反対する意見を取りまとめ

鶏卵業界に便宜を図っていた。

という

絵に描いたような贈収賄事件である。

畜産物の「優等生」

などと言われている「鶏卵」だが

優れているのは「小売価格」のみで

卵の生産方法すなわち鶏の飼育方法などは

決して優れたものではないことが

想像できる事件である。

鶏卵業界というものに

私はそれほど詳しくはないけれど

同じ畜産業界に身を置いている獣医師として

他人事ではないものを感じている。

アニマルウェルフェア(AW)の国際基準は

鶏卵ばかりではなく肉牛や酪農業界にも存在する。

IMG_1622そして

例えば酪農業界でも

鶏のケージ飼いを想起させるような

運動不足になる過密な牛群管理法や

鶏の嘴の先端を切るデビークを想起させるような

牛の尾を切断する管理方法などがある。

鶏でのことを

安易に牛に当てはめてはいけないことは

十分承知しているが

それでも長年獣医師をしていると

家畜を健康に飼う

という「理想」と

畜産物生産の経済

という「現実」の狭間で

いまだに悩むことが多い。

その悩みは

業界内部の人間だけが抱えるものではなく

畜産物を消費する

日本国民全体が考えるべき問題である。

AS20201202002404_commそれにしても・・・

北海道2区(札幌市北区周辺)から選出されて

農林大臣になった吉川先生。

200万円程度の「はした金」で

アニマルウェルフェアという理想を

売り飛ばしてしまった。

288464秋田フーズの社長さんに

「200万ではぜんぜん足りない重要案件だ。2千、いや2億は欲しい・・・」

くらいを言う度量があったなら

秋田フーズ側も

「そんなに金が要るのなら、むしろ真面目にアニマルウェルフェアに取り組んだ方が『安い』かな・・・」

と思ったかもしれないのに・・・


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