14ヶ月〜15カ月齢の育成♀和牛ともなれば、

もうそろそろ授精をしてもよい頃で、

血気盛んで且つ体重もかなりのものだ。

こういう牛の

足のX線撮影や

キャストの装着は

なかなかのひと仕事だった。

初診日からひと月半経った日に

キャストを外すことになり

再び

鎮静剤(セラクタール)を投与して

牛を横臥させなければならない。

しかし、だんだん

鎮静剤に慣れてしまったのか

牛がなかなか横臥してくれなくなっていた。

鎮静剤が効いて

1度は横臥になるものの

頭部の抑えを一瞬でも解いたりすると

また立ち上がってフラフラと歩き回る。

ただ

1ヶ月経った頃からの歩き方は

リズムよく

キャストを巻いた方の左後肢にも

しっかりと負重していて

跛行がほとんどなく

痛みは消えているように見えた。

IMG_1937今回の鎮静剤は

寝たり起きたりしないように

3割り増しの量を投与して

きちんと横臥させることを心掛けた。

頭部を保定し

しっかりと横臥しているところで

IMG_1938専用のカッターを使って

キャストを縦半分に

ぱかっと割れるように切り

1ヶ月半ぶりに

患部を露出。

腫脹はなかった。

IMG_1940蹄は少し伸び気味だった。

足のロープを解き

鎮静剤の拮抗薬(アンチセダン)を投与し

牛は朦朧としていたのが嘘のように

立ち上がった。

そして

歩き始めた。

IMG_1941最初の数歩は

患部の内反によって

千鳥足のようになり

心配したが

体重がかかった時は

球節がしっかりと曲がり

痛みもなく

重い体を支えることができていた。

IMG_1942キャストを外して軽くなった足を

はしばらくは

余計な力で引き上げて

鶏の歩みのようだったが

次第に普通の歩様で

すたすたと歩くようになった。

跛行はもう消えていた。

IMG_1943跛行が消えた

ということは

治癒した

ということなので

これでこの牛の診療を

終了することにした。


P.S.

ドクター先生のリクエストにお答えして

外内方向のX線画像を

makubetsu02-0600000おまけとしてUP。

中足骨骨端と遠位成長板との間に

前後にもズレがあるかどうか

ドクターH先生の診断を

待ちたいと思う。


(この記事おわり)


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