十勝管内の各JAと、

その畜産農家さん方の関心事は、

もっぱらこの病畜処理施設の、

経営者が変わることによって、

病畜を受け入れる時の料金が上がり、

金銭的な負担が増すのではないかというところにある。

それを懸念するのは当然だろうし

そうならないように働きかけるのも当然だろう。

また止むを得ず値上げされるのであれば

現在の経営責任者に

納得できるような説明を求めるのも

また当然なことだろう。

こういうことは

畜産に限らず

全ての経営体に求められることである。

ただ今回

今回私が関心を持っているところは

そこではない。

畜産農家さんたちの経済的な問題は

経営者ご自身やJAに任せておけばよい。

私が最も懸念するのは

この施設で行われていることの

質の変化である。

牛や馬の病畜を処理して

油や皮や肥料などに変えて

価値をつけて販売するのが

この施設の事業内容である。

いわば

病畜という産業廃棄物の再利用

すなわち

家畜という商品のリサイクル事業である。

だが

そればかりではなく

十勝農協連の病畜処理施設では

基本的なリサイクル事業に加えて

我々現場の獣医師の要求によって

病畜の病理解剖が行われている。

病理解剖を担当している人達は

もちろん獣医師であり

その道のプロの先生方によって

質の高い病理解剖が行われている。

そのおかげで

治癒させることができなかった病畜から

d6503577-s将来へ繋がる情報を

正確に得ることができる。

病畜処理場における

病理解剖は

獣医学術情報を

臨床現場へ還元するという

非常に重要な役割を担っている。

ここでの病理解剖が

十勝の牛馬の臨床獣医学の

レベルを支えていると言ってもよい。

現在その病理解剖をする先生方は

元畜大の解剖学教授のY田J三先生をはじめとして

IMG_1721錚々たるメンバーの先生方である。

したがって

もし

この施設の経営者が

十勝農協連から岸化学グループへ移管した時

病理解剖を担当する先生方の

労働環境が悪化するようなことが

あってはならないのである。

そこで行われる病理解剖の質が

低下するようなことが

あってはならないのである。

それはすなわち

十勝の牛馬の臨床獣医学の

質の低下

に直結する問題なのである。

IMG_2311私が

今回の新聞記事を読んで

真っ先に心配したのは

そこである。

牛馬の病畜処理というのは

単なる

「リサイクル事業」

ではなく

非常に重要な

「獣医学術事業」

なのである。

(この記事終わり)


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