強い怒責が、

何度も繰り返されることによって、

一度出てしまった直腸脱が、

なかなか収まらず、

これといった方法も思い浮かばず、

治療が行き詰まってしまった。

結局

砂糖をまぶして

抗生物質を投与する以外は

何もせずに

放って置くことになってしまった

〓牧場の生後約2ヶ月の和牛の♂。

それから約1ヶ月ほど経った頃

別の用事で〓牧場に行った時

この仔牛のことを記号さんに聞いてみた。

「・・・ところで、あの直腸脱の仔牛、どう?」

「あー、あの仔牛ですか、治りましたよ・・・」

「・・・え、ほんとに?」

「はい、あの後何日か抗生物質も打ったんですげと、元気良くて捕まえるのも大変なんで、もうしょうがないから、注射もやめて放ったらかしにしておいたんです・・・」

「・・・何もしなかったんだ。」

「はい、3週間くらい何もしないで、直腸も出っ放しでした・・・」

「・・・3週間!?」

「はい、で、その後何日間か、直腸が見えなくなったり、出たり入ったりするようになってきて・・・」

「・・・出たり入ったり!?」

「はい、そんな状態が4、5日続いていたんですけど・・・」

「・・・だんだん出なくなってきたんだ。」

「はい、そのあとはもう出なくなって治っちゃいました・・・」

「・・・怒責は消えたの!?」

「そうですね、ふんばらなくなりました・・・」

「・・・便はどう?」

「便はまだ他の牛より柔らかいですけど・・・」

IMG_2667〓さんに見せてもらった

例の仔牛は

他の牛達に混じって

普通に元気だった。

ただ

お尻をよく見ると

他の牛よりも

乾燥した便が多くこびりついて

やや広範囲に汚れていた。

しかし

直腸脱がひどかった頃に比べて

肉付きも骨格もしっかりしてきて

仔牛は普通に成長していた。

  *  *  *

この牛が直腸脱になった原因として

コクシジウム症による下痢が続いたことによる

長期間の強い怒責が考えられる。

だが、普通の仔牛はそれのみで直腸脱にはならない。

〓さんから後で聞いた話だが

この仔牛の母親も

お産が間近になると

直腸脱を起こしていたのだという。

したがって

コクシジウムの怒責に加えて

この仔牛の遺伝的な素因が加わって

結果的に直腸脱になったと考えられる。

そして

その治療の決め手は

抗生物質の注射でもなく

砂糖の直接塗布でもなく

時間の経過であった。

この仔牛の直腸脱を治した決め手は

仔牛が成長するという

「時間の経過」

であった。


(この記事終わり)


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