11月3日は文化の日。

この日は気象学的に「晴れの特異日」として有名で、

過去のデーターによると、

とりわけ晴れの多い日として知られている。

そんな日に、

NPOとかち馬文化を支える会から

「馬の聴診・体験会」

の講師をおおせつかり

帯広競馬場のふれあい動物園へ出向いた。

IMG_2806晴れの特異日なのに

雨降りの寒い日だった(笑)

それでも

講習会に参加してくれた皆さんは

皆若々しく元気な

学生さんや乗馬クラブや厩務員の人たちで

熱心に私の話を聞いてくれた。

「馬の聴診の体験」

と言っても

いきなり馬の体に聴診器をあてて音を聴く

というわけではない。

IMG_2807まずは

初対面の飼い主さんと

初対面の馬と挨拶をしなければならない。

それから飼い主さんとコミュニケーションをとりながら

診る馬の状態や気性などを把握してゆき

診る馬の緊張をほぐし

診る馬をできるだけ興奮させぬように

安全に保定してから

やっとおもむろに

馬の体に聴診器をあてることになる。

IMG_2808聴診する音は

心拍音、心拍数

左右の肺音、気管音

左右の腸管の蠕動音

などであり

それぞれの特徴や

それぞれの解剖学的位置などを説明しながら

IMG_2809参加者一人一人に

聴診を体験してもらった。

当然、初めて聴診する人が多く

皆さん興味津々で

体験してくれたことが

私にとっても新鮮だった。

私が普段いやになる程繰り返して来たことを

こんなに興味を持って追体験してもらえることが

IMG_2810とても新鮮だった。

聴診器で馬の体内の音を聴く

という一つの行為は

音を聴くことばかりではなく

馬の体に触れることであり

体温を肌で感じることでもあり

自分の行為を馬に伝えることでもあり

そこで馬から発せられる情報を感知することであり

それは馬との無言のコミュニケーションである。

さらにその行為をしながら

同時に飼い主さんと

この馬についての情報を交換することでもある。

今回

体験会に協力してくれた馬は

栗毛の乗馬で

名前がタケシ君という

壮年の騸馬だった。

とてもおとなしく協力的で

しかもとても落ち着きがあって健康で

心拍数も肺音も腸の蠕動音も

全くの正常そのものだった。

私はいつも

若い後輩の獣医師たちには

「正常を把握せよ」

と言っている。

正常なものを知っていないと

異常がわからないからである。

至極当たり前のことだけれども

患馬の異常な時ばかりに呼ばれる獣医師は

その患馬の正常な状態がわからなくて苦労をするものである。

今回の受講者の皆さんの中に

畜大の獣医の学生さんが2名ほどいたので

そんなことも付け加えながら

和やかに講習会を終えることができた。

この講習会を企画担当して

お世話をしていただいた

とかち馬文化を支える会の

事務局の旋丸巴さんと

三宅陽一理事長に

感謝を申し上げたい。

さらに参加していただいた講習生の皆さんと

乗馬のタケシ君にも

心から感謝を申し上げたい。


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