2020年7月8日生まれの和牛、

生まれた時に、

肛門に形成不全が認められ、

その数日後に、

帯広畜産大学の先生に相談して、

当時の我が診療所のスタッフだったH獣医師と

当時畜産大学の教員だった先生(お名前失念)とで

肛門形成術を施した

という和牛の♀仔牛。

施術はみごとに成功し

仔牛は全く普通に排便するようになり

全く普通に哺乳しながら

その後も普通に採食しながら

すくすくと育っていた。

と、いう話を聞いていた。

それから

約1年3ヶ月後の

今年の10月末に

飼い主の〓さんから

その牛の調子が悪くなった

という稟告を受けた。

〓さんの家に着いて診ると

体の大きさや骨格は

普通に成長しており

IMG_2771排便も普通だったが

かなりの削痩がみられ

熱発し(39.8℃)

肺胞音の粗励

そして

IMG_2770胸垂に著しい浮腫が見られた。

強い循環障害が疑われる臨床所見だった。

血液検査では

ガンマグロブリンの増加が見られたが

EA7794D3-0F0E-4D04-8DC0-9E21347952A5それ以外の値は概ね正常だった。

数日間抗生物質と消炎剤による治療が施されたが

症状は解熱したこと以外は改善せず

飼主の〓さんの意向も受けて

廃用・殺処分することになった。

病畜処理場での剖検結果によれば

IMG_2897肺に著変無し

心臓に著変無し

肝臓の充血・うっ血

腎臓に著変無し

胃に著変無し

腸管全体にわたり変色・充血・出血の腸炎像

腹膜の変色・充血・腹水の増加

という所見だった。

私がこの牛に関わったのは

一度だけだったので

それ以上の詳しいことはよくわからない。

ただ

生後の肛門の形成不全を

形成術によって直し

生後15ヶ月まで成長させた

という事実は

記録として残しておく価値がある

と判断して

拙い記憶ながら

わかる範囲で

記事にしておくことにした。



人気ブログランキング

IMG_1061












YouTube「ポコペンチャンネル」のアーカイブ配信

ぜひご覧ください。

「ポコペンチャンネル」チャンネル登録

していただけると嬉しいです!

詳しくはFMウイングのHPへ。


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。