ヨーネ病は牛の法定伝染病の中でも、

我々臨床現場の獣医師にとって、

最も身近な法定伝染病である。

最も身近な・・・

ということは

最も関わりの深い・・・

と言い換えることもでき

それは

最もよく接する機会のある・・・

とも言い換えることが出できる

牛の法定伝染病

なのである。

牛の法定伝染病の中で

私の35年以上の臨床経験を振り返ってみて

最も長い間かかわり合ってきて

いまでもそれがずっと続いている

牛の法定伝染病が

ヨーネ病なのである。

これはおそらく

全国の牛の獣医師

少なくとも北海道の牛の獣医師

には共通していることだと思われる。

前回の記事で書いた

「ゼロ・ヨーネ」

の対策を施していながらも

なかなか撲滅に至らず

いまだに多くの牛が摘発されている

我が国の牛のヨーネ病は

実に頭の痛い問題である。

その発端となったのが

北海道の牛だったことについても

忸怩たるものがある。

もう10年以上も前のことになるが

こんなことがあった。

我が町の和牛農家さんとJA職員が

九州へ繁殖用の和牛を買い付けに行ったことがあった。

当時は全国的にヨーネ病の蔓延が問題になり始めた頃だったので

九州の農家さんで買った牛を

北海道へ搬送する前に

ヨーネ病の検査をするように

九州の生産連に要請したところ

先方から

「九州ではヨーネ病の牛は出ていないから今ここで検査する必要はない。」

と言われ

止む無くそのまま北海道へ搬入し

着地検査という形でヨーネ病の検査を実施し

隔離して陰性を確認したのちに

ようやく導入されたことがあった。

こんな生産現場の些細なところにも

ヨーネ病の蔓延が

影響を与えていたのである。

そんな出来事があった時から

220px-国内の年次ヨーネ病発生経過10年以上経ったいま

ヨーネ病は撲滅されるどころか

全国各地で発生しており

ゆっくりながらも

その勢いは衰えることなく

じわじわと

我が国の牛群に蔓延し

牛の体をむしばみつつある。

我が国の法律で定められた

「ゼロ・ヨーネ」

の対策は

今後どうなるのだろうか・・・


(この記事続く)


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