我々牛の臨床家にとって、

最も身近な法定伝染病となってしまった、

IMG_3912ヨーネ病。

撲滅しようとしても、

容易に死滅しない、

病原菌の抗酸菌という頑固な性格と、

潜伏期間の遅さなどによって、

思うように撲滅ができていない、

というもどかしさがある。

さらに

その蔓延の背景には

農場の規模拡大化という

時代の流れが影響を与えているのは

間違いないと思われる。

例えば

酪農場の規模を拡大するには

牛の数を増やさなければならないのだが

規模拡大をしている多くの酪農場が

自家牛の生産や

自家牛の育成では間に合わず

目標の頭数にするために

外部からの牛の導入を行っている。

IMG_3966また

自家育成の牛だけで頭数をまかなっていても

育成の途中で他の農場の牛と

共同で育成をする農場も

依然として多い。

また

和牛の繁殖農場が

自分の牛の受精卵を

外部の酪農場の牛に移植して

借り腹の母牛として使う契約をしている農場も

かなりの数に上っている。

それらに

共通する出来事は

IMG_3982各農場間の牛の移動である。

現代の牛の畜産において

異なる農場同士の牛の移動は

色々な形で

確実に増えているのである。

それに従って

法定伝染病をはじめ

その他の牛の伝染病が

蔓延するリスクは

確実に増えているのである。

牛の移動に伴って

我々現場の獣医師と

家保の獣医師が協力して

各伝染病の検査体制を敷いて

蔓延防止に努めているのだが

その効果がどれくらい出ているのかは

精査しないとわからない。

とくに

ヨーネ病のような

潜伏期が非常に長く

かつ死滅しづらい病原菌の場合

検査の網をかいくぐって

知らぬ間に

深刻な蔓延状況を引き起こす可能性は高い。

今の牛の畜産における

ヨーネ病の蔓延状況が

まさに

そのことを

物語っていると言えるだろう。


(この記事続く)


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