ここでちょっと人の病気との関係を話題にしてみたい。

牛のヨーネ病について語るとき、

必ずと言って良いほど話題になるのは、

220px-日本のクローン病の発生状況人のクローン病である。

難病と言われるクローン病の原因に、

ヨーネ菌(抗酸菌)が関係している、

というデーターがたくさん報告されているからである。

主な症状は

腸管の慢性炎症で

牛のヨーネ病と共通している。

難病の人のクローン病が

牛のヨーネ病と密接に関係し

その原因の一つに挙げられているのであれば

牛のヨーネ病はまことにゆゆしき伝染病であり

「ゼロ・ヨーネ」対策

を目指すべき伝染病であろう。

牛の臨床獣医師にとって

密接な伝染病であり

220px-List_of_adiseases_related_mapさらに

人の難病の原因として

疑われているのであれば

なおさらのことである。

難病で苦しむ人が

一人でも減るために

牛の「ゼロ・ヨーネ」対策は

ぜひ今後も続けてゆくべきだ

と私は思っている。

ただ・・・

人のクローン病について

色々調べてみると

一つの疑問が湧いてくる。

もし

牛のヨーネ病を引き起こすヨーネ菌が

人のクローン病を引き起こす菌であれば

当然

牛のヨーネ菌に接触しやすい人が

優先的にクローン病にかかるはずである。

ヨーネ菌に接触する環境にいる人

すなわち

ヨーネ病の発生農場で働く人たち

その従業員やそこに出入りする人

ましてやその発生農場の

牛たちの肛門に手を入れて

直腸検査をする人

すなわち

我々臨床獣医師や人工授精師のような

牛のヨーネ菌を含んだ糞の飛沫を

最も浴びやすい人たちこそが

クローン病にかかり易いはずである。

もし

牛の糞中に排出されるヨーネ菌が

クローン病の原因になるのであれば

その糞汁を最も多く浴びるという

環境要因のリスクが最も高い

発生農場の従業員や

我々臨床獣医師や

人工授精師たちの

クローン病の罹患率は

他の職業の人たちよりも高いはずである。

ところが

クローン病について

私が探した限りにおいて

職業別の罹患率

というデーターがなく

最も知りたいところを

知ることができていないのである。

人医療界の

クローン病の疫学の研究者の方々には

ぜひとも

職業別のクローン病の罹患率を

調べて発表していただきたい。

そこが我々牛の臨床家にとって

最も気になるところなのである。

さらに

クローン病には

自己免疫疾患すなわち

免疫過敏症という側面があり

環境要因よりも

遺伝的な要因が

発症に影響を与えているらしいのである。

そのことも

牛のヨーネ病と

人のクローン病を

関連づける時の

障害になっているようだ。


(この記事続く)


人気ブログランキング

IMG_1061












YouTube「ポコペンチャンネル」のアーカイブ配信

ぜひご覧ください。

「ポコペンチャンネル」チャンネル登録

していただけると嬉しいです!

詳しくはFMウイングのHPへ。


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。