北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

気候風土

淑気?、粛気!満つ。

今年は元旦と二日が勤務の日だった。

本年初めての往診1件目は、

◉さんの和牛の治療だった。

治療を終えて車に乗ろうとすると、

◉さんが隣のD型牛舎の入り口で、

私に向かって手招きをしている。

何かなと思って、

D型牛舎のそばまで行くと

「先生、今ね、隼が来てるんですよ。」 

「ハヤブサ・・・?」 

「そう。めちゃくちゃ緊張してますよ。」 

「緊張・・・?」 

「ええ。いつもこのD型には鳩や雀の鳴き声がすごくうるさいんですけど、今日はもう・・・」 

「今日は・・・?」

「しーんと、静まり返ってるでしょう。」 

「あ・・・そう言われれば、そうだね。」

「今この中、めちゃくちゃに張り詰めてますよ。」

◉さんはそう言って

D型牛舎の入り口を細く開けて

そぉーっと、中に入って行った。

私も◉さんの後について

そぉーっと、足を踏み入れた。

「あそこらへんに、やられた鳩の死骸が落ちてるはずなんですけど。」 

「隼にやられたの・・・?」

「はい。たしかこの辺に・・・あれっ?、無いな、おかしいな・・・」

「・・・?」

「そうか、きっと猫が持って行っちゃったんだな。」

IMG_0876「・・・。」

「でも、ほら!、ここに鳩の羽根が散らかってるでしょ・・・」

「あっ、本当だ。」

IMG_0878「この上に、いるんですよ。隼が、ほら!、あそこの簗に、止まってるでしょ・・・」

「あっ、本当だ。」

「隼って、意外に小さいんですよ。」

IMG_0877「ほんとだ・・・、鷹とか鳶よりも小さいんだね。」

「でも凄く速いですよ。」

「だろうねー・・・」

「鳩なんて、今日はもうビビりまくってますよ。」

「・・・うん。」

「雀もたくさんいるのに、簗のかげに隠れてて、1羽も見えないですから。」

「ほんと全然見えないね・・・いないみたいだけど。」

「でもいるんですよ。あ、・・・あそこに鳩がいますね。」

「あっ、本当だ。」

IMG_0879「首だけ出して、様子を伺ってる。」

「ずいぶん首長くしてるね。」

「いつも鳩と雀でうるさい牛舎が、こんなに静か。」

「面白いもんだねー。」

「しばらく隼を逃さないで、こうしておこうと思って(笑)」

元旦の朝の牛舎に

淑気(しゅくき)満つ、ではなく

静粛なる恐怖に満ちた

粛気(しゅくき)満つ、である。

1件目の初仕事の家で

初夢の縁起物の

鷹ではないけれども

同じ猛禽類の

隼を見ることができたのは

何か縁起が良い知らせ!?

と、いう事にしておこう

と思った。


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雪を掻いて、餅を搗いて

先日の雪は、

北海道全体を覆う大雪になった。

十勝地方も、約50cmの雪が積もった。

我が家の前も、

もちろん50cm程度の雪が積もったのだが、

実はこの日は、

午前中から、

飲み友達のH田さん宅で、

恒例の野外餅つきをすることになっていた。

毎年、朝10時過ぎから餅を搗き始めることになっていた。

ところが今年は、

その時間はまだ家の雪掻きをしていた。

雪掻きをなかなか終わらせることが出来ず、

やっとの思いで玄関前と駐車場の雪を掻き終えたときには

昼の12時を回っていた。

私はちょっと不安になった。

こんな状態で、今日は餅つきなんてできるのだろうか

雪掻きを終えた私は

H田さんにラインを書き入れた。

「これから行きますが・・・」

すると即刻返事が来た。

「お疲れ様です(^O^)待ってます。」

我ら呑ん兵衛仲間のH田さんは

大雪にもめげずに

IMG_0853薪ストーブに火を入れて

石臼と杵を所定の位置に据えて

恒例の餅つき会場を

完璧にセットして

我々の訪れを待っていてくれたのだった。

一晩水に浸したもち米と

ゆでた黒豆と

餡子にした小豆と

酒一升を抱えて

私がH田家に到着したときは

同じ呑み仲間のF野さんとI君と

さらに、若者2名の餅の搗き手が

すでに餅つきを開始しているところだった。

IMG_0848私は毎年の恒例の餅つきに

なんとか今年も無事に参加することが出来たのだった。

用意されていた熱燗を一杯

ぐいっと飲み込んだら

午前中の雪掻きの疲れが

すーっと消えてゆくような心地になった。

IMG_0851私は自分の役目である

雑煮の汁の調理に取り掛かった。

雑煮の汁を作っている間に

若者たちが威勢よく餅を搗いて

それに納豆や黒豆を絡めたものが

目の前に出される。

IMG_0839それを酒のつまみとして食べるのも

これがまた格別な味で

熱燗がさらに進んでしまうのだった。

あー今年も

いよいよ年の暮れになったのだなぁー

IMG_0852そんなことを実感しつつ

今年一年なんとか無事に過ごせたことを

感謝しつつ

また酒のぐい呑みに手を伸ばす

楽しく幸せな

野外餅つきなのであった。


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成長ホルモン

近所のどこのスーパーマーケットも、

ここ数ヶ月の間に、

外国産肉の占める割合が、

急に増えたような気がする。

特に、

アメリカ産の豚肉の占める割合が急増した。

アメリカの豚肉が、

以前よりずっと多く輸入され始めたようだ。 

何か大きな変化が、

どこかであったような気がしてならない。

IMG_0771アメリカ産の豚肉は、

ご覧のように

国産よりもずいぶん安い。

牛肉は以前からそうだったけれど

豚肉についても

アメリカ産の肉が

激しく攻勢をかけて来たように感じるのは

きっと、私だけではないと思う。

こうしてだんだんと

静かに

アメリカの豚肉が

スーパーマーケットの肉コーナー増えて

それが知らず識らずのうちに

当たり前になってしまうのだろう。

そうして

日本の養豚が

衰退してしまうのだろう。

十勝には

豚丼という名物がある。

十勝のご当地グルメである。

その名物の豚丼の肉が

アメリカ産の豚肉になってしまうとしたら

興ざめ、だよなー。 


 〽︎アメリカの

   成長ホルモン

    豚肉焼けば

     これが本当の

      ホルモン焼〽︎ 



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客を呼ぶ客

我が町のM別家畜診療所と、

隣町のI田家畜診療所とは、

互いに何かと色々お世話になったりなられたりの関係にある。

診療の人員不足の時の応援、

予防注射や採血の応援、

手術室が使えない時に貸したり借りたりもする。

ただ最近は、

うちの診療所の方が、

人員の手薄な状態が続いており、

こちらからお願いすることばかり多くなっている。

十勝NOSAIという大きな組織の中では

そういう場面は想定内のことで 

これからもそれはずっと続いてゆくだろうと思われる。

かつて各町村が合併てし十勝NOSAIになった時

獣医診療技術の「高位平準化」

などという言葉が飛び交わされたが

あれから15年以上経った今

それが実現しているのかどうか・・・

その当事者の1人である私自身にも

課題はたくさん残っているように思われる。

ただ、十勝NOSAIという大きな括りの中で

獣医師同志の交流の輪は

間違いなく広がっていると思う。

もっともそれは

各々の獣医師の個性に依るところが大きいと思うが・・・

そんな状況の中で

IMG_0779一昨日の晩

隣町のI田診療所のK獣医師が

うちの妻の店に飲みに来てくれた♪

K獣医師は2年前にS追診療所から転勤して来た人だが

当時の同僚だったT獣医師とH獣医師も一緒に連れて来てくれた♪

うちの妻の店は毎日は営業しておらず

予約を受けて開けるシステムなので

IMG_0781お客はきっと3人だけで

ゆっくりと話をしながら飲めるだろう

と思っていたら

灯っている看板を見たのか

予期せぬ通りすがりのお客さんが

1人、またしばらくして1人、また1人・・・

とお客さんが店に入って来て

ちょっとビックリしてしまった。

「私、お客を呼ぶ人なんですよ。」

K獣医師は

そう言って笑っていた。

IMG_0782客を呼ぶお客さんはいるものだと

妻も以前から言っていたが

こういう事実を目の当たりにすると

忘年会シーズンとはいえ

私もそれを信じざるを得なかった。

獣医師の同僚が3人も飲みに来てくれたのに

別のお客さんの相手もしながらの飲み会になってしまって

ちょっと申し訳なかったけれど

K獣医師をはじめ皆さんには

これからもまた

是非とも

うちの店に飲みに来てください。

妻の売り上げのためにも、ね(笑)


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十勝文化まつり・2016

11月11日〜16日まで、

IMG_0471NPO十勝文化会議の主催による、

「総合芸術祭・第14回十勝文化まつり 」、

が開催されている。

この団体の文芸部に所属している私は、

IMG_0466今年もまた、俳句作品を展示した。

帯広駅前の十勝プラザ1階展示会場に

俳句や短歌、詩や川柳、などの文芸に限らず、

写真、絵画、書道、華道、の作品や

IMG_0472それらのコラボレーションの作品なども展示されている。

展示作品ばかりではなく

総合芸術祭という名の通り

研究発表、舞台発表、などの部門もあり

IMG_0452幅広い文化・芸術の祭典となっている。

興味のある方は、

ぜひ見に来ていただきたいと思う。

開会前夜の、11月10日の開会式には

IMG_0457貴重な体験をすることができた。

アイヌ民族舞踊保存会の方達による

ムックリの生演奏と

民族舞踊が披露されたのだ。


十勝プラザ1階の大ホールに

アイヌの民族楽器ムックリの音が鳴り始めると

十勝平野の開拓以前の

地鳴りのような音が

会場に響き渡り

私は思わず

携帯を演奏者に向けて

動画のスイッチを入れた。


引き続き

今度はアイヌ民族舞踊の

狩の踊りが披露された。

開会式に

このようなデモンストレーションがあるとはつゆ知らず

思わぬ感動をいただいた。

そのあとは

各部会有志の交流会(懇親会)が

隣のレストランで開催された。

今年の交流会には

文芸部にも新しく、私より年の若い俳人が

2名参加してくれて

いつになく楽しい懇親会となった。

最後の2枚の写真は

私の今年の作品と

新しく今年から参加してくれた

30代の若い俳人

金野克典さんの作品♪

IMG_0450私の作品はいつものように

仕事の合間などに

十勝の四季風景を写真に撮って

俳句をつけたもの。

克典さんの作品は

おわかりでしょうか・・・?!

IMG_0451江戸怪談・七不思議

「置いてけ堀り」「送り提灯」「片葉の葦」

「灯り無し蕎麦」「足洗い邸」

「狸囃子」「送り拍子木」

をそれぞれイメージした

俳句7句だそうである♪

克典氏は高校生時代から俳句を作っていて

今は現代俳句系の句会や雑誌に

作品を発表し続けている

将来とても楽しみな

十勝の俳人である♪


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デントコーンの不作

今年の十勝地方の天候不順で、

デントコーンの収穫は大幅に遅れていたが

ようやく、ここ数日好天が続き、

収穫作業がはかどって、

やっと終りが見えてきたようだ。

IMG_0295しかし、

往診先の酪農家が

今年のデントコーンの出来について語る内容は

さえない事ばかりである。

「収量6割くらいかな。」

「いやー、ほとんど半作だね。」

「全然細くて、小さいっすよ。」

「ほとんど倒れてて、刈るのに時間もカネもかかる。」

「バンガー1本少ない。」

「もう根っこまで枯れちゃってますよ。」

・・・などと

ぼやく声ばかりである。

IMG_0294やはり

夏期の日照不足と

秋はじめの台風の直撃と

その後の長雨の影響が

思いのほかひどかったようだ。

今年の十勝の畑作物は

ほとんどの作物で出来が良くないらしいが

デントコーンもその例外ではなかったのだ。

私がいつも往診に巡るときに見かける

多くのデントコーン畑の全てが

IMG_0296今年は元気がなかった。

台風によって倒された。

長雨でいつまでも放置された。

そのまま

茎が細く

倒伏から曲がりつつ穂を出し

茎や葉が茶色や紅葉したまま

枯れてしまっているのも多く見られた。

IMG_0301そんなデントコーンを

サイレージにすれば

収量が少ないばかりではなく

品質も悪いであろう事は

容易に想像できる。

やっとの思いで収穫したデントコーンの

バンガーサイロの蓋が開く来年には

どんなコーンサイレージが出来ているのだろうか。

IMG_0299牛を診る獣医師として

そこは非常に気になるところである。

今年はデントコーンと同じく

二番牧草も

同様の理由で

収穫量は少なく

品質も悪いようなので

来年の牛たちが食べる餌は

いったいどうなってしまうのだろうかと心配になるのである。

デントコーンサイレージと二番牧草は

一番牧草と並んで

牛たちにとって非常に重要な粗飼料

すなわち主食になる。

それが不味く

たくさん食べられず

また、食べても栄養価が低い

ということになれば

来年の

牛たちの

健康状態は

今年よりもいっそう

悪化するのが

目に見えているではないか・・・


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むしむし天国

例年になく湿っぽく、

長々と雨が降り、

たまに晴れても蒸し暑い、

そんな今年の夏がようやく終わりを告げつつあるような、

今日の晴天である。

爽やかな秋空をやっと仰ぐことができた。

そんな日の休日は、

歳時記とノートと俳句雑誌などを鞄に詰めて、

自宅の近所の公園などを徘徊し、

俳句を拾って歩く吟行をするのが

近頃の私の休日の過ごし方になっている。

公園の野外ベンチと机のある場所に

静かに座って俳句をまとめていると

心が癒されてくる。

IMG_0128野外でゆっくり本を読んだり俳句を書いたりできる日は

1年のうちでもなかなか遭遇しないものだ。

この日はまさにそんな日だ。

充実のひと時

と、思っていたら・・・

腕や首がなにやらチクチク・・・

そのあとがなにやら痒くなってきた・・・

・・・!

蚊がぷーんとやって来て

刺してゆくのだった。

よく見ると

腕にはすでに、3〜4箇所

首や顔も、痒くなってきた。

そうなるともうあちこちが痒く感じてきて

なんとも落ち着かない気分になってきた。

まいったナーこれは・・・

IMG_0129今年の夏は雨ばかりで

雨が上がって晴れたとしても

晴れの日が続かずに

再び雨が降る。

あちこちに水たまりが沢山できて

それが乾いてゆく暇もない。

そんな無数の水たまりに

蚊が卵を産み

ボウフラが湧き

かが発生するのは

自然の成り行きだろう。

今年は例年になく

あちこちでよく蚊にお目にかかる。

そういえば我が家でも

今年は例年になく

妻が頻繁に蚊取り線香を焚いている。

「ぼうふら」や「蚊」は夏の季題である。

鬱陶しく、憎たらしい存在だが

私は、そんな蚊の出現に

本州の夏の

子供時代を思い出して

懐かしさも感じる。

蒸し暑く湿っぽい本州のようにになってしまったような

今年の北海道の気候は

昆虫たちにとっては

願ってもない

繁殖を謳歌できる

良い気候なのだろう。


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出張中止!

「この雨はヤバいな・・・」

そんなことを思いながら、

8月31日の朝、

私は旭川出張の荷物をカバンに詰め込んで、

早めの朝食を食べ、

よそ行きの服に着替えて待機していた。

そこへ、所長から電話が入った。

旭川行きのバスが出ないので、出張は明日に延期。

今日(31日)は、通常に出勤することになった。

早めに家を出ると、

夜一度通行止めとなったという国道の札内橋方面からは

通勤の車が沢山来ていたので

私は野次馬根性を出して国道を札内橋方面へ走らせた。

札内橋を渡る車は普通に流れていたが

橋の下を流れる札内川の姿は

今まで見たこともない驚きの姿だった。

IMG_0057川幅は堤防いっぱいに膨らみ

轟音と濁流が

堤外上流のテニスコート、サッカー場ソフトポールと野球場を

堤外下流のパークゴルフ場、ゴルフの練習場を

IMG_0062全て飲み込んで

そこに生えている楡や槐や柳の大木だけが

濁流の中で必死に立っている姿だった。

あまりの凄さに、

IMG_0070言葉を失った。

札内橋を往復してから

通常の通勤ルートに戻り

診療所へ向かうと

IMG_0079途中の旧国道で通行止めに遭った。

旧国道が通れないときは国道へ

といういつものバターンで国道へ出ると

国道が渋滞して長い車の列ができていた。

そこで所長からの携帯が鳴った。

IMG_0086国道の猿別川を渡る止若橋の西側が冠水し

通行止めになったという。

幕別市内の診療所へ行くためには

大きく迂回しなければならなくなった。

止む無く引き返し

南方の高台の山道を大きく迂回して

下流から数えて3番目の橋で猿別川を渡り

ようやく診療所にたどり着いたときは

出勤時間を15分ほど遅刻していた。

その日はほぼ普通に仕事をこなし

夕方、カルテを書いていると

本所から所長に電話が入った。

「出張は中止だそうです・・・。」

なんと!

バスもJRも高速道路も

十勝管内から札幌や旭川方面へ行くルートは

全て寸断されたという。

今までの北海道獣医師大会と三学会でも

季節柄、台風の襲来に何度も見舞われて

交通手段に影響が出たことはよくあった。

だがその度になんとか手段を変更したりして

目的地までたどり着けたのだったが

今回の出張中止は

そんな前例を覆す異常なものだった。

旭川で会おうと思っていた友人に

中止で行けなくなった事を伝え

IMG_0095落胆して帰宅し

郵便受けに刺さっていた十勝毎日新聞を

広げてみて驚いた。

想像以上の被害の写真が

IMG_0097紙面を埋め尽くしていた。

避難者は数千人を超えたようだ。

車ごと流された行方不明者が3名も出たようだ。

「これではとても・・・一晩待ったくらいでは復旧しないな。」

IMG_0098JR石勝線は1ヶ月以上不通になるらしい。

これではどうしようもない。

翌日

いつもの旧国道を通って出勤しようとしたが

旧国道はまだ通行止めだったので、国道へ

ところが国道はまた大渋滞。

そこでまた南方の山道を迂回して診療所に着いた。

その日の仕事内容もほぼ通常だったが

交わす会話は台風被害の事ばかりだった。

あちらこちらで数えきれぬほど

崖が崩れ、木が倒れ、畑が冠水していた。

未だに道路や家が冠水している地域へ

ようやく車で近づけるようになっていた。

IMG_0111その日の夕方

国道の札内橋を渡った。

警戒水域を超える増水と濁流が

丸1日続いた札内川の水位も

IMG_0114ようやく下がって

堤外の広大な平地が姿を見せていた。

しかし、その姿は・・・

見るも無残な

テニスコート、サッカー場、野球場、パークゴルフ場

IMG_0122などの姿があった。

跡形もなく流され、崩され

その上に大きな倒木が流れ着き

その倒木が、生き残った立木に凭れ掛かり

そこに中小の流木が引っかかって止まっていた。

IMG_0123芝生はいたるところで裂けて土がむき出し

大量の砂利と、大量の土が

運び込まれて、流れの姿を残し

あちこちに大きな穴と裂け目が出来

泥水を貯めていた。

IMG_0124札内川堤外の憩いの場である

運動公園の施設は

全て破壊され

札内川は

太古の時代の

河原の姿に戻りつつあった。


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旭川出張

8月31から9月3日まで、

IMG_0043旭川へ出張します。

平成28年度北海道地区学会と、第67回北海道獣医師大会に、

出席参加します。

8月31日(水)は昼から、プロダクションメディスン研究フォーラム2016にも参加し傾聴します。

IMG_00429月1日(木)は、地区学会を傾聴します。

同日の夕方には獣医師大会に出席し、そこで私は、

我が町内の犬猫病院長のO橋先生の代わりに、

代理で表彰状を受け取る役目をおおせつかってしまいました。

IMG_0037これは全く初めての経験なので、正直照れ臭いです(笑)。

その後のパーティーには、もちろん出席します。

パーティー会場で豆作を見つけたら、

どうぞ気軽にお声を掛けてください!

IMG_00389月2日(金)は産業動物部門の第2会場で、

私は本名で(当たり前か・・・)発表をします。

エントリーNoは78番なので、時間は11時20分頃になる予定です。

久しぶりの発表なので、照れと緊張と懐かしさを今から感じています。

IMG_0039演題は「腹腔洗浄によって回復したミニチュアホースの腹膜炎の1症例」

興味のある方は、どうぞ聴きに来てください。

そして、遠慮なくガンガン質問していただけると嬉しいです。

馬の研究発表の会場に組み込まれたので

IMG_0040我が敬愛する同窓のドクターhig先生の発表なども同じ会場で

興味深い発表が沢山拝聴できそうで、楽しみです。

その夜もまた旭川市内のホテルに宿泊し

9月3日(土)の朝出発するノースライナー(都市間バス)で帰る予定です。

できるだけ多くの学術情報を吸収し

できるだけ沢山の人との出会いを求め

充実した楽しい3泊4日の出張の旅をしてこようと思っています。

IMG_0044ただ・・・

非常に気がかりなのは・・・

今、家の外で荒れ狂っている風と雨・・・

台風10号による暴風雨が十勝地方を襲っている・・・

半端ではない、すごい音がしている・・・

我が街を流れる札内川の上流の雨量がヤバく・・・

札内川の水位は警戒水域を超えたらしい・・・

札内川の河川敷に近い町内会には避難勧告が出されたようだ・・・

うちの町内会はまだ大丈夫だが・・・

明日(31日)の朝、無事に

旭川行きのバスが出てくれるといいのだが・・・


※十勝毎日新聞電子版からの情報

台風10号の接近に伴う大雨の影響で、帯広市は31日午前2時20分、災害対策本部を設置。同2時半、十勝川と札内川に氾濫の恐れがあるとして約1万6730世帯、約3万2110人に避難勧告を出した。

帯広開発建設部と釧路地方気象台は31日午前3時20分、十勝川に氾濫危険情報を発表した。氾濫危険水位に達し、氾濫の恐れが高まっている。

 浸水想定地区は、帯広、清水、芽室、音更、幕別、池田、豊頃、浦幌


これは、もうダメだな・・・(泣)


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食料自給率1000%の十勝の「凶作」

今年初めて北海道を直撃した台風7号から始まって、

IMG_212610日間の間に、

台風11号と、台風9号と、

間髪入れずに、

北海道上空を通過していった。

IMG_2128台風が1年に3回も北海道に上陸するのは、

観測史上も非常に稀なことらしい。

北海道がこれだけ台風に好かれると、

土砂災害はもちろんのこと

IMG_2131農作物にとって

良いわけがない。

昨日の十勝毎日新聞の一面は

JAなどの農業団体が

気象災害の対策本部を立ち上げた

IMG_2135と報じていた。

十勝の農業団体が

このようなことをするのは

冷害だった1993年以来

ということは、24年ぶり 

という大災害によって

十勝地方の農作物が凶作になる恐れが出てきたということだ。 

十勝地方は我が国指折りの

大農業地帯である。

日本の食料の大供給基地である。

十勝地方の食料自給率は

カロリーベースで1000%を軽く越えると言われていて

それを我々十勝の人間は

自慢の種のひとつにしている。

1000%以上の自給率ということは

収穫した農作物の9割以上を

十勝以外の地域へ運んで消費していることになる。

十勝に住む人の9倍以上の他所の人たちが

十勝で収穫される農産物に頼って生活していることになる。

日本中、あるいは外国も含めて

十勝の農産物に頼って生活している人たちには

とても心配すべき事態になったと言えるだろう。 

天気予報は今日からまた雨が降るという予報のようだ

天気図を見ると

日本の南海上にずっと停滞していた

大型の台風10号の進路が

北東の方向を向き始めたようだ。 


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再び台風直撃か、と思いきや

台風7号の直撃を受けてから、

まだ1週間も経っていないのに、

北海道の十勝地方はまた、

台風の直撃を受けるのか!?

と、昨日の夕方は不安げに空を見上げていたのだが、

どうやらそれは回避できたらしい。

1611-00今は8月22日の早朝、

家の外は静かで

雨風の音は一切ない。

今度の台風11号は

襟裳岬には上陸せず

その東の海上を

釧路方面へ向かっていったようだ。

今度は釧路地方を直撃だ。

気象庁の台風情報を確認すると 

釧路に上陸し

そこから根室方面を北上して

網走からオホーツク海へ出たようだ。

今回の台風は十勝地方のわが町に

被害はもたらさなかったが

隣の釧路地方

さらに根室、網走地方の

雨風の害が心配だ。

なんとか無事であることを祈るしかない。

それに加えて

IR-FL_P3-600mまたまた今度は

台風9号がやって来た! 

情報を見ると

早くも関東地方に上陸をする模様。

気象衛星の写真を見ると

先にやってきた11号よりも

雲の渦巻きがずっと大きくて強い台風のようだ 。

今度は直撃は避けられたようだが

直撃を受ける関東、東海地方に

雨風の被害がないことを 

祈るしかない。 


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台風直撃!

日本にやってくる台風の進路は、

必ずと言っていいほど「く」の字型のカーブを描いて北上してくるので、

日本列島に上陸する台風のほとんどは、

まず、本州のどこかに上陸し、

いったん勢力を弱めてから北海道に再上陸する、

というパターンが多い。

ところが、昨日やってきた台風7号は、

関東地方に上陸するかと思っていたら、

房総沖で進路を変えて、福島沖、三陸海岸沿いを北上し、

狙い定めたように、襟裳岬を直撃した。

その後日高山脈南部から十勝平野を通り

オホーツク地方へ達したところで温帯低気圧に変わった。

IMG_5943私はその晩

ちょうど当直の夜間当番だった。

17日の夕方から

風雨が急に激しくなり 

普段とは明らかに違う、生ぬるい南東の風と雨が

事務所の駐車場にある私の診療車にうちつけるようになった。

IMG_5949事務所の窓や玄関のドアも

いつもとは違う隙間風によって変な音を立てるようになっていた。

東を向いている玄関のドアの隙間から

横殴りの雨が吹き込んでフロアーに水が侵入してきた。

モップでしばらく拭いていたがとても追いつかないので

そのまま諦めて二階に上がったら

二階のフロアーも同じように雨水が侵入していた。

これはやばいかなと思っていたら

風雨はその後数時間で、すーっとおさまり 

薄雲から夜空がのぞく程度になった。

台風はどうやら、速いスピードで

十勝地方を駆け抜けていったらしい。

その晩、夜中の往診依頼は

幸いなことに一軒もなかった。

IMG_5951翌朝は

青空が見えていた。

往診を何軒か持って

いつものように町内を巡っていると

あちらこちらに

IMG_5953台風の爪痕が残っていた。

土砂の流出や小さな崖崩れが

いつも通る道の様相を少し変えていた。

往診先の牧場では

大きな木が倒れていているところがあった。

よく見ると小さな木も結構倒れていた。

IMG_5955同僚の獣医師の往診には

倒れた木の下敷きになって

死んだ牛の検案が一軒あったようだ。

畑の作物では

台風に一番影響を受けやすい作物は

背の高いトウモロコシである。

その中でも、台風にやられ易いのが

牛の飼料に使われるデントコーンである。

往診途中のデントコーン畑を見ると

IMG_5960ほとんどの畑で倒伏が見られた。

デントコーンが倒伏すると

刈り取りに手間と燃料が多くかかるばかりでなく

深く刈り取らなければならないので

土や石ころが混入し

コーンサイレージの品質が低下してしまう。

台風の仕業だからどうしようもないことだが

刈り取りをする時期までに

もうこれ以上の倒伏がないように祈るしかない。

IMG_5952すべての往診を終えて

事務所に帰ってきて

カルテを書き終え

汚れた玄関を掃除して

車を片付けようと

車庫の方をふと見ると

なんと

車庫の裏の松の木が

IMG_5962一本倒れていた。

朝は気が付かなかったのだが

事務所の裏という身近なところでも

木が倒されていたのだった。

この松の木が

もし

車庫の向こうの道路側へ倒れていたら

電線を切断して停電していたかもしれないし

もし

車庫のある手前側へ倒れてきていたら

車庫と車がぐしゃりとつぶされていたかもしれない

危ないところだった・・・


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十勝にカブトムシが・・・

3日前くらいから、

十勝地方の気候が、

ぐっと湿っぽくなったように思う。

「紙が、しっとり、してますよね・・・(笑)」 

同僚のS獣医師も、

その違いに気づいていたようだ。

カッパを着て、

繁殖の診療をすると、

いままでにないほどの汗が、

額から溢れ出てくるようになった。

明らかに、湿度が上昇している。

空には雨雲が立ち込め

青空がほとんど見えない。

そんな日がここ3日程続いており

今後もさらにジメジメした日が数日続くらしい。

IMG_5879往診から事務所に戻って

長靴を洗っていると

かたわらに、なんと

カブトムシがいた!

IMG_5880この辺りは夏になると

よくクワガタが出てくるが

この日はクワガタではなくカブトムシだった。

カブトムシが出てきたのは初めての事だった。

「珍しいですね・・・」

「カブトムシって、十勝にはいなかったんじゃないの?」

十勝地方の生態系も

温暖化の影響なのか

平均湿度の変化なのか

変わってきたのかもしれない。

道東方面に在住の方で

野生のカブトムシを見る人は

それほどいないのではないか、と思われるが

最近は、きっと増えているに違いない。

「カブトムシといえば、夏休みの匂いですよね・・・」

「匂い?(笑)、そっかー、そう言われれば、カブトムシの匂いってあるね。」

「懐かしい匂いですよね・・・」

「たしかに、なつかしいね。」

S獣医師は面白い事を言う。

「カブトムシの匂いと、コオロギの匂いと、スズムシの匂い・・・」

「え?、コオロギとスズムシも?」

「みんな違うんですよ、匂いが・・・」

「ほんとに?、俺はそこまではわかんないなー」

「嗅ぎ分けられるんですよ・・・」

「ほんとに?、すごいね、それは。」

「私、変な子だったんです・・・(笑)」

「いや、すごいよ、それは。」


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食料自給率1000%の十勝・・・今年は?

田んぼがほとんど無い、

image十勝地方は畑作王国である。

特に、十勝の中央部では畑作が盛んである。

畑作よりも酪農が盛んなのは、

十勝北部の高原地帯や、

十勝南部の海岸地帯であり、

十勝中央部の肥沃な大地は、

image酪農の牧草地よりも、

畑作地のほうが圧倒的に多い。

十勝の中央に位置するわがM町の診療区域も

その例外ではなく

ばりばりの畑作地帯である。

image毎年この時期になると

あらゆる畑作物が

一気呵成に成育してくる。

土の見えていた畑の畝が

生長した作物によって

あっという間に隠されて

さまざまな作物の葉の色に染まった

巨大なパッチワークのような大地となる。

まさに万緑。

この十勝の畑作物の勢いを毎年見る度に

私はとても豊かな気持ちになる。

十勝の食糧自給率1000%を実感する一瞬である。

こんな大地に暮らしていれば

飢え死にする事はないだろうと思う。

imageしかし

そうは言っても

農業は天候に左右されるという宿命にある。

今年の我が町の畑をよく見て歩いていると

なんとなく

いつものような勢いが感じられない部分が見える。

image6月の2週間以上にわたる低温高湿度の影が見える。

ジャガイモの花がいつもより少ない気がする。

ビートの畝の土が葉に隠れていない部分が多い気がする。

豆の生育が遅く雑草が多いような気がする。

さらに

先日の烈しい雷雨と雹(ひょう)は

image我が町でもっとも肥沃な

十勝川沿いの畑作地帯を襲った。

小麦の大規模な倒伏があちこちに見られる。

ジャガイモの畝が泥流に崩れているところがある。

豆の葉が破れて土をかぶっているところが多く見られる。

私は今年の畑は、いつもより元気がないと感じている。

image「なんか、今年は、よくないんじゃないの?」

「・・・どーだかな。」

畑作と肉牛兼業のЭさんの父さんはそう言った。

「このあいだの大雨と雹もすごかったし。小麦がだいぶ倒れているね。」

「・・・あっちのほうはひどいって言ってたな。」

image「この辺はそれ程でもないみたいだけど。この辺は去年もよかったでしょ。」

「・・・いや、この辺も機械を入れてみないとわからんよ。」

「豆の葉も小さいし、ビートの畝もまだ見えてるし。」

「・・・まぁ、いつでも蒔けば取れるってもんじゃない。何年もやってたら、そんなもんだ。」

「なるほど・・・。」

「・・・若い衆らは、それをまだ、よくわかってないんだ。」

imageベテランの畑屋さんの父さんは

静観の構えだ。

長年のキャリアを感じる

重みのある言葉だった。

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地元の世界的アスリート

人口2万7千人程度の我が町には、

牛が1万5千頭ほど飼育されている。

そんな、ありふれた、

北海道の一つの町である。

だが

オリンピックイヤーが来ると、いつも思うのは、

世界的アスリートのよく出る町なのではないか、

ということだ。

今年もまた、

往診の途中のN地区の一角に

横断幕が出ていた。

IMG_5738日本一速い女!

陸上短距離の

福島千里さんの

オリンピック応援の横断幕だ♪

圧倒的な強さを誇るアスリートゆえに

横断幕も、その都度何度も使えるように

あまり余計なことが書いてない(笑)

地元の中の地元、N地区の公区の皆さんの

気持ちと苦労がにじみ出るような横断幕だ。

2枚目の写真は

わが町の役場の支所に張られた横断幕。

こちらは新しく立派な、普通のもの。

IMG_5740福島千里さんの他にも

わが町出身のアスリートが

今年もオリンピック出場を決めている。

女子ラグビーの

桑井亜乃さん(初出場♪)と

マウンテンバイクの

山本幸平さんの2名。

山本さんのお父さんは獣医師で私の同僚だった人

北京オリンピックから続いて

今年もリオデジャネイロまで応援に行くのだろう。

実に羨ましい話だ♪

同じ町民として

楽しみなオリンピックになるが

テレビの生中継では

福島さんくらいしか見れないだろうなー


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天気と往診

半月ほどぐずぐずと雨が降り続いた天気が、

ここへきてようやく回復し、

久しぶりに青空と太陽を拝めるようになった。

町内の畜産農家さんたちは、

待ちに待った牧草の収穫を、

一斉に開始している。

シーンと静まり返っていた牧草畑に、

トラクターが入り

あちらこちらで牧草を刈り倒す音が聞こえるようになった。

それと時を同じくするように、

うちの診療所の朝の電話の音は、

鳴りを潜めておとなしくなってきたように思う。

朝の診療の受付時間に

往診の依頼の電話が少なくなってきたのだ。

ということは

朝から持ってゆく往診の件数が少なくなってきた事を意味する。

しかし

朝から持っゆく往診の件数が少なくなったからといって

牛や馬の病気の数が減ったわけではない。

病気の数がそれほど簡単に減るわけがない。

それはただ単に

飼主さんの意識が

牧草の収穫に集中し始めたからである。

こういう日は

夕方や夜に往診の電話が増えるのだ。

早朝から夕方まで、日の高いうちは

ずっと牧草の収穫に集中していた飼主さんが

日が暮れて、牛舎へ戻ってみると

・・・なんだかやっぱり牛の調子がおかしい・・・

ということになって

そこで初めて、往診依頼の電話が鳴ることになる。

牧草収穫のできる良い天気が続くと

診療の受付時間内に来る電話が減り

受付時間外の緊急の電話がよく鳴るようになる。

そんな日々が数日続き

牧草の収穫がひと段落して

再び雨模様の天気になると

また診療の受付時間内に鳴る電話が増え

急ぎの診療ではない繁殖や去勢などの受付が増えてくる。

天気に左右される家畜の診療は

こういう波を繰り返すように思う。

その波の中で

今の一番牧草収穫時期が

最も大きくはっきりと

忙しい波が押し寄せる季節であるようだ。

まさに

猫の手も借りたいほどの忙しさであろう。

しかし実際には

牛舎の猫たちは手を貸してはくれないらしい(笑)

IMG_5642飼主さんのいない牛舎へ往診に行くと

忙しい飼主さんとは裏腹に

猫たちが

ゆっくりとくつろいでいる。

せめて

IMG_5719猫の目でいいから

牛の体調を監視して

早期発見して

我々に教えてくれれば良いのだが

それもしてくれそうにない(笑)

IMG_5673カメラを向けても

猫たちはマイペース

たまに

顔を洗う仕草をするくらいで

にゃんとも、これではどーもにゃらん・・・


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運動会日和

昨日の十勝地方は、

朝から抜けるような青空だった。

夜に降った雨もすっかり上がって、

大気中の塵を取り去ってくれたおかげで、

すばらしい景色を見ることが出来た。

image往診中に見る日高山脈の峰々が、

これほど美しく見られるのは、

そう滅多にあるものではない。

往診中にしばらく車を止めて、

image美しい眺めを楽しんだ。

この日は、朝から

あちらこちらで、花火の音が聞こえていた。

運動会開催の合図の花火である。

十勝管内の、小学校の多くが

運動会を開催していたのだ。

北海道は本州と違って

学校の運動会は5月末から6月に行われる。

本州のような9月から10月開催は

農繁期で無理だったことによるらしい。

私の故郷は秋の開催だったので

北海道の初夏の季節の運動会には、しばらく違和感があったが

子供たちの運動会に出るようになって

その違和感はほとんどなくなった。

でも私はまだ

秋の開催の運動会に懐かしさを覚える。

秋の運動会が終わったときの

あのなんともいえない

全てやり終えたような寂寥感は

初夏には味わえない・・・。

そんなことを少し考えながら

次の往診先の★さん宅へ向かった。

★さん宅には誰も居らず

診る予定の牛が、D型の中に入れられていた。

私は★さんの奥さんに電話を掛けた。

「牛、診に来たんですけど・・・」

「あ、すみません、今子供の運動会で小学校に来てるんです。」

「あ、それならいいんですよ・・・D型に居る牛でしょ・・・」

「そうです。昨日よりちょっと良くなって、餌を少し食べるようになりました。」

image「わかりましたよ。おれ一人で、治療しておきますから・・・」

「すみません、お願いします。」

というわけで

私はこの牛の治療を

一人で済ませて

次の往診先へと向かった。


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春の大風

先週末の十勝地方は大風が吹いた。

IMG_2047往診途中の道のいたるところで、

まだ何も植えていない畑の土があらわになっていて、

そこを、強烈な西風が吹き抜けると、

乾いた畑の土がことごとく舞い上がり、

IMG_2053行く先の視界を遮る。

冬期の地吹雪による視界不良も凄まじいが、

春の大風による土埃、砂塵も、また凄まじいものがある。

地吹雪よりも厄介だと思うのは、

IMG_2055舞い上がった土や砂塵は溶けないので、

広大な畑池の上空にいつまでも漂い

屋外で作業をする我々に容赦なく吹きつける。

それが目の中にも入り込み

IMG_2072目を開けていられなくなる。

それでも呼吸はしなければならないので

鼻や口の中はジャリジャリになる。

車の中も当然ジャリジャリになり

ハンドルも土埃でザラザラになる。

そのような大荒れの大気の中を

何軒かの往診に行って

事務所に帰ってきたら

軽い放心状態になっている。

そこへまた追加の診療の電話がかかってくれば

またジャリジャリの大気の中へ

向かって行くことになる。

この日はそんなことの繰り返しだった。

その同じ頃

テレビや新聞では

九州の熊本や大分での大地震を報じていた。

大変なことになったものだ・・・。

熊本に縁のある友人・知人の顔が浮かんだ・・・。

もし、今

十勝地方にも大地震が起こり

自分の家が壊れてしまったらどうなってしまうだろう

壊れた家では

こんな大風を凌ぐことなど、とうてい出来ず

壊れた家の中は土埃や砂塵で

ジャリジャリになり

瓦礫は吹き飛ばされてしまうだろう。

今のところ十勝地方は地震がなく

自分の家が壊れていないことを

あらためて有り難いと感じた。

そんなことを考えながら

この日の仕事を終えたのだった。


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現代「麦踏み」事情

日本全国的な小麦の作付け面積、

というのはどれくらい有るのだろうか。

image私の勝手な想像だが、

国内の小麦の作付面積は、

きっと我が十勝地方がダントツであろうと思う。

私が子供の頃は、

故郷の静岡でも、

田んぼの続く田舎の風景の中に

秋蒔きの小麦畑も多く見られて、

春になれば、その小麦畑に青い麦の芽が現われ

その麦の芽の列の上を

幾人の農家の方たちが 

ゆっくりと

踏みしめながら

歩いて行く光景を目にしたものである。

どこかユーモラスで

親しみのある光景だった。

私は自分で麦踏をした事はないが

近所の畑の麦踏を見て

面白いことをするなぁ、と

子供心に思った記憶がある。


 麦踏や顔傾けて風に堪ゆ     西山泊雲

 風の日の麦踏遂にをらずなりぬ  高浜虚子



実際、早春の畑の

人力で行う麦踏は 

風の強い日などには

さぞや寒かった事だろう。 

しかし

現在のわが町の麦畑で行われている麦踏は

IMG_2043写真のごとく

キャビン付きの

トラクターに

鉄のローラーを取り付けて

IMG_2038さらにそのローラーの上に

重石を載せて

広大な麦畑を

一気に鎮圧して行く。

IMG_2036どんなに風の強い日であろうと

トラクターで行う麦踏は

寒くはなさそうだ。

実に力強くも

あまりに単純な

機械作業になっている。


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第27回日本伝統俳句協会賞、佳作入選♪

去年の11月に投稿した俳句30句「牛を診る」が、

IMG_5216日本伝統俳句協会賞の佳作第1席に入選した。

それが協会の機関紙「花鳥諷詠」の四月号に掲載された。

自慢話になってしまって・・・

とても恐縮なのだが、

全国的なこのような賞に入賞したのは、

IMG_5217初めての事なので・・・。

この賞に挑戦したのは今回が3回目だった。

一昨年は予選落ち、

去年は予選通過まで、

3度目の今回はなんとかその上を、

IMG_5218と思っていた願いが叶った。

そればかりではなく

本線最終選考まで残り

そこで、最終的な2編のうちの1編に

私の「牛を診る」が残った。

IMG_5220これはまるで

決勝戦まで行ったようなものだ。

最後の決勝では、敗れてしまったものの

準優勝で表彰台に立たせてもらえるのだ。

有り難いというほかに言いようがない。

IMG_5221公益社団法人・日本伝統俳句協会は

高浜虚子の掲げる「花鳥諷詠」を目指して

日々研鑽している俳人集団である。

そういう集団において

応募数161編の中から選ばれて

2番手に評価されて賞をいただけるというのは

私の俳句人生にとって大きな一歩だと思う。

IMG_5219「牛を診る」というタイトルでもわかるように

今回応募した30句は

牛ネタ、である。

興味のある方は

画像をクリツクして大きくして

私の30句を読んでいただけると判るのだが

我々畜産業界で働く人たちにとって

これらの句に描かれたものは

ありふれた四季の風景ばかりかもしれない。

しかし、そこで感じたままを

四季の季題にのせて俳句として詠めば

牛ネタばかりの30句でも

「花鳥諷詠」の俳句である

と、認めてもらえるのだ。

私にはそれが

何よりも嬉しいのだ。


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