北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

気候風土

食料自給率1000%の十勝の「凶作」

今年初めて北海道を直撃した台風7号から始まって、

IMG_212610日間の間に、

台風11号と、台風9号と、

間髪入れずに、

北海道上空を通過していった。

IMG_2128台風が1年に3回も北海道に上陸するのは、

観測史上も非常に稀なことらしい。

北海道がこれだけ台風に好かれると、

土砂災害はもちろんのこと

IMG_2131農作物にとって

良いわけがない。

昨日の十勝毎日新聞の一面は

JAなどの農業団体が

気象災害の対策本部を立ち上げた

IMG_2135と報じていた。

十勝の農業団体が

このようなことをするのは

冷害だった1993年以来

ということは、24年ぶり 

という大災害によって

十勝地方の農作物が凶作になる恐れが出てきたということだ。 

十勝地方は我が国指折りの

大農業地帯である。

日本の食料の大供給基地である。

十勝地方の食料自給率は

カロリーベースで1000%を軽く越えると言われていて

それを我々十勝の人間は

自慢の種のひとつにしている。

1000%以上の自給率ということは

収穫した農作物の9割以上を

十勝以外の地域へ運んで消費していることになる。

十勝に住む人の9倍以上の他所の人たちが

十勝で収穫される農産物に頼って生活していることになる。

日本中、あるいは外国も含めて

十勝の農産物に頼って生活している人たちには

とても心配すべき事態になったと言えるだろう。 

天気予報は今日からまた雨が降るという予報のようだ

天気図を見ると

日本の南海上にずっと停滞していた

大型の台風10号の進路が

北東の方向を向き始めたようだ。 


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再び台風直撃か、と思いきや

台風7号の直撃を受けてから、

まだ1週間も経っていないのに、

北海道の十勝地方はまた、

台風の直撃を受けるのか!?

と、昨日の夕方は不安げに空を見上げていたのだが、

どうやらそれは回避できたらしい。

1611-00今は8月22日の早朝、

家の外は静かで

雨風の音は一切ない。

今度の台風11号は

襟裳岬には上陸せず

その東の海上を

釧路方面へ向かっていったようだ。

今度は釧路地方を直撃だ。

気象庁の台風情報を確認すると 

釧路に上陸し

そこから根室方面を北上して

網走からオホーツク海へ出たようだ。

今回の台風は十勝地方のわが町に

被害はもたらさなかったが

隣の釧路地方

さらに根室、網走地方の

雨風の害が心配だ。

なんとか無事であることを祈るしかない。

それに加えて

IR-FL_P3-600mまたまた今度は

台風9号がやって来た! 

情報を見ると

早くも関東地方に上陸をする模様。

気象衛星の写真を見ると

先にやってきた11号よりも

雲の渦巻きがずっと大きくて強い台風のようだ 。

今度は直撃は避けられたようだが

直撃を受ける関東、東海地方に

雨風の被害がないことを 

祈るしかない。 


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台風直撃!

日本にやってくる台風の進路は、

必ずと言っていいほど「く」の字型のカーブを描いて北上してくるので、

日本列島に上陸する台風のほとんどは、

まず、本州のどこかに上陸し、

いったん勢力を弱めてから北海道に再上陸する、

というパターンが多い。

ところが、昨日やってきた台風7号は、

関東地方に上陸するかと思っていたら、

房総沖で進路を変えて、福島沖、三陸海岸沿いを北上し、

狙い定めたように、襟裳岬を直撃した。

その後日高山脈南部から十勝平野を通り

オホーツク地方へ達したところで温帯低気圧に変わった。

IMG_5943私はその晩

ちょうど当直の夜間当番だった。

17日の夕方から

風雨が急に激しくなり 

普段とは明らかに違う、生ぬるい南東の風と雨が

事務所の駐車場にある私の診療車にうちつけるようになった。

IMG_5949事務所の窓や玄関のドアも

いつもとは違う隙間風によって変な音を立てるようになっていた。

東を向いている玄関のドアの隙間から

横殴りの雨が吹き込んでフロアーに水が侵入してきた。

モップでしばらく拭いていたがとても追いつかないので

そのまま諦めて二階に上がったら

二階のフロアーも同じように雨水が侵入していた。

これはやばいかなと思っていたら

風雨はその後数時間で、すーっとおさまり 

薄雲から夜空がのぞく程度になった。

台風はどうやら、速いスピードで

十勝地方を駆け抜けていったらしい。

その晩、夜中の往診依頼は

幸いなことに一軒もなかった。

IMG_5951翌朝は

青空が見えていた。

往診を何軒か持って

いつものように町内を巡っていると

あちらこちらに

IMG_5953台風の爪痕が残っていた。

土砂の流出や小さな崖崩れが

いつも通る道の様相を少し変えていた。

往診先の牧場では

大きな木が倒れていているところがあった。

よく見ると小さな木も結構倒れていた。

IMG_5955同僚の獣医師の往診には

倒れた木の下敷きになって

死んだ牛の検案が一軒あったようだ。

畑の作物では

台風に一番影響を受けやすい作物は

背の高いトウモロコシである。

その中でも、台風にやられ易いのが

牛の飼料に使われるデントコーンである。

往診途中のデントコーン畑を見ると

IMG_5960ほとんどの畑で倒伏が見られた。

デントコーンが倒伏すると

刈り取りに手間と燃料が多くかかるばかりでなく

深く刈り取らなければならないので

土や石ころが混入し

コーンサイレージの品質が低下してしまう。

台風の仕業だからどうしようもないことだが

刈り取りをする時期までに

もうこれ以上の倒伏がないように祈るしかない。

IMG_5952すべての往診を終えて

事務所に帰ってきて

カルテを書き終え

汚れた玄関を掃除して

車を片付けようと

車庫の方をふと見ると

なんと

車庫の裏の松の木が

IMG_5962一本倒れていた。

朝は気が付かなかったのだが

事務所の裏という身近なところでも

木が倒されていたのだった。

この松の木が

もし

車庫の向こうの道路側へ倒れていたら

電線を切断して停電していたかもしれないし

もし

車庫のある手前側へ倒れてきていたら

車庫と車がぐしゃりとつぶされていたかもしれない

危ないところだった・・・


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十勝にカブトムシが・・・

3日前くらいから、

十勝地方の気候が、

ぐっと湿っぽくなったように思う。

「紙が、しっとり、してますよね・・・(笑)」 

同僚のS獣医師も、

その違いに気づいていたようだ。

カッパを着て、

繁殖の診療をすると、

いままでにないほどの汗が、

額から溢れ出てくるようになった。

明らかに、湿度が上昇している。

空には雨雲が立ち込め

青空がほとんど見えない。

そんな日がここ3日程続いており

今後もさらにジメジメした日が数日続くらしい。

IMG_5879往診から事務所に戻って

長靴を洗っていると

かたわらに、なんと

カブトムシがいた!

IMG_5880この辺りは夏になると

よくクワガタが出てくるが

この日はクワガタではなくカブトムシだった。

カブトムシが出てきたのは初めての事だった。

「珍しいですね・・・」

「カブトムシって、十勝にはいなかったんじゃないの?」

十勝地方の生態系も

温暖化の影響なのか

平均湿度の変化なのか

変わってきたのかもしれない。

道東方面に在住の方で

野生のカブトムシを見る人は

それほどいないのではないか、と思われるが

最近は、きっと増えているに違いない。

「カブトムシといえば、夏休みの匂いですよね・・・」

「匂い?(笑)、そっかー、そう言われれば、カブトムシの匂いってあるね。」

「懐かしい匂いですよね・・・」

「たしかに、なつかしいね。」

S獣医師は面白い事を言う。

「カブトムシの匂いと、コオロギの匂いと、スズムシの匂い・・・」

「え?、コオロギとスズムシも?」

「みんな違うんですよ、匂いが・・・」

「ほんとに?、俺はそこまではわかんないなー」

「嗅ぎ分けられるんですよ・・・」

「ほんとに?、すごいね、それは。」

「私、変な子だったんです・・・(笑)」

「いや、すごいよ、それは。」


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食料自給率1000%の十勝・・・今年は?

田んぼがほとんど無い、

image十勝地方は畑作王国である。

特に、十勝の中央部では畑作が盛んである。

畑作よりも酪農が盛んなのは、

十勝北部の高原地帯や、

十勝南部の海岸地帯であり、

十勝中央部の肥沃な大地は、

image酪農の牧草地よりも、

畑作地のほうが圧倒的に多い。

十勝の中央に位置するわがM町の診療区域も

その例外ではなく

ばりばりの畑作地帯である。

image毎年この時期になると

あらゆる畑作物が

一気呵成に成育してくる。

土の見えていた畑の畝が

生長した作物によって

あっという間に隠されて

さまざまな作物の葉の色に染まった

巨大なパッチワークのような大地となる。

まさに万緑。

この十勝の畑作物の勢いを毎年見る度に

私はとても豊かな気持ちになる。

十勝の食糧自給率1000%を実感する一瞬である。

こんな大地に暮らしていれば

飢え死にする事はないだろうと思う。

imageしかし

そうは言っても

農業は天候に左右されるという宿命にある。

今年の我が町の畑をよく見て歩いていると

なんとなく

いつものような勢いが感じられない部分が見える。

image6月の2週間以上にわたる低温高湿度の影が見える。

ジャガイモの花がいつもより少ない気がする。

ビートの畝の土が葉に隠れていない部分が多い気がする。

豆の生育が遅く雑草が多いような気がする。

さらに

先日の烈しい雷雨と雹(ひょう)は

image我が町でもっとも肥沃な

十勝川沿いの畑作地帯を襲った。

小麦の大規模な倒伏があちこちに見られる。

ジャガイモの畝が泥流に崩れているところがある。

豆の葉が破れて土をかぶっているところが多く見られる。

私は今年の畑は、いつもより元気がないと感じている。

image「なんか、今年は、よくないんじゃないの?」

「・・・どーだかな。」

畑作と肉牛兼業のЭさんの父さんはそう言った。

「このあいだの大雨と雹もすごかったし。小麦がだいぶ倒れているね。」

「・・・あっちのほうはひどいって言ってたな。」

image「この辺はそれ程でもないみたいだけど。この辺は去年もよかったでしょ。」

「・・・いや、この辺も機械を入れてみないとわからんよ。」

「豆の葉も小さいし、ビートの畝もまだ見えてるし。」

「・・・まぁ、いつでも蒔けば取れるってもんじゃない。何年もやってたら、そんなもんだ。」

「なるほど・・・。」

「・・・若い衆らは、それをまだ、よくわかってないんだ。」

imageベテランの畑屋さんの父さんは

静観の構えだ。

長年のキャリアを感じる

重みのある言葉だった。

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地元の世界的アスリート

人口2万7千人程度の我が町には、

牛が1万5千頭ほど飼育されている。

そんな、ありふれた、

北海道の一つの町である。

だが

オリンピックイヤーが来ると、いつも思うのは、

世界的アスリートのよく出る町なのではないか、

ということだ。

今年もまた、

往診の途中のN地区の一角に

横断幕が出ていた。

IMG_5738日本一速い女!

陸上短距離の

福島千里さんの

オリンピック応援の横断幕だ♪

圧倒的な強さを誇るアスリートゆえに

横断幕も、その都度何度も使えるように

あまり余計なことが書いてない(笑)

地元の中の地元、N地区の公区の皆さんの

気持ちと苦労がにじみ出るような横断幕だ。

2枚目の写真は

わが町の役場の支所に張られた横断幕。

こちらは新しく立派な、普通のもの。

IMG_5740福島千里さんの他にも

わが町出身のアスリートが

今年もオリンピック出場を決めている。

女子ラグビーの

桑井亜乃さん(初出場♪)と

マウンテンバイクの

山本幸平さんの2名。

山本さんのお父さんは獣医師で私の同僚だった人

北京オリンピックから続いて

今年もリオデジャネイロまで応援に行くのだろう。

実に羨ましい話だ♪

同じ町民として

楽しみなオリンピックになるが

テレビの生中継では

福島さんくらいしか見れないだろうなー


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天気と往診

半月ほどぐずぐずと雨が降り続いた天気が、

ここへきてようやく回復し、

久しぶりに青空と太陽を拝めるようになった。

町内の畜産農家さんたちは、

待ちに待った牧草の収穫を、

一斉に開始している。

シーンと静まり返っていた牧草畑に、

トラクターが入り

あちらこちらで牧草を刈り倒す音が聞こえるようになった。

それと時を同じくするように、

うちの診療所の朝の電話の音は、

鳴りを潜めておとなしくなってきたように思う。

朝の診療の受付時間に

往診の依頼の電話が少なくなってきたのだ。

ということは

朝から持ってゆく往診の件数が少なくなってきた事を意味する。

しかし

朝から持っゆく往診の件数が少なくなったからといって

牛や馬の病気の数が減ったわけではない。

病気の数がそれほど簡単に減るわけがない。

それはただ単に

飼主さんの意識が

牧草の収穫に集中し始めたからである。

こういう日は

夕方や夜に往診の電話が増えるのだ。

早朝から夕方まで、日の高いうちは

ずっと牧草の収穫に集中していた飼主さんが

日が暮れて、牛舎へ戻ってみると

・・・なんだかやっぱり牛の調子がおかしい・・・

ということになって

そこで初めて、往診依頼の電話が鳴ることになる。

牧草収穫のできる良い天気が続くと

診療の受付時間内に来る電話が減り

受付時間外の緊急の電話がよく鳴るようになる。

そんな日々が数日続き

牧草の収穫がひと段落して

再び雨模様の天気になると

また診療の受付時間内に鳴る電話が増え

急ぎの診療ではない繁殖や去勢などの受付が増えてくる。

天気に左右される家畜の診療は

こういう波を繰り返すように思う。

その波の中で

今の一番牧草収穫時期が

最も大きくはっきりと

忙しい波が押し寄せる季節であるようだ。

まさに

猫の手も借りたいほどの忙しさであろう。

しかし実際には

牛舎の猫たちは手を貸してはくれないらしい(笑)

IMG_5642飼主さんのいない牛舎へ往診に行くと

忙しい飼主さんとは裏腹に

猫たちが

ゆっくりとくつろいでいる。

せめて

IMG_5719猫の目でいいから

牛の体調を監視して

早期発見して

我々に教えてくれれば良いのだが

それもしてくれそうにない(笑)

IMG_5673カメラを向けても

猫たちはマイペース

たまに

顔を洗う仕草をするくらいで

にゃんとも、これではどーもにゃらん・・・


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運動会日和

昨日の十勝地方は、

朝から抜けるような青空だった。

夜に降った雨もすっかり上がって、

大気中の塵を取り去ってくれたおかげで、

すばらしい景色を見ることが出来た。

image往診中に見る日高山脈の峰々が、

これほど美しく見られるのは、

そう滅多にあるものではない。

往診中にしばらく車を止めて、

image美しい眺めを楽しんだ。

この日は、朝から

あちらこちらで、花火の音が聞こえていた。

運動会開催の合図の花火である。

十勝管内の、小学校の多くが

運動会を開催していたのだ。

北海道は本州と違って

学校の運動会は5月末から6月に行われる。

本州のような9月から10月開催は

農繁期で無理だったことによるらしい。

私の故郷は秋の開催だったので

北海道の初夏の季節の運動会には、しばらく違和感があったが

子供たちの運動会に出るようになって

その違和感はほとんどなくなった。

でも私はまだ

秋の開催の運動会に懐かしさを覚える。

秋の運動会が終わったときの

あのなんともいえない

全てやり終えたような寂寥感は

初夏には味わえない・・・。

そんなことを少し考えながら

次の往診先の★さん宅へ向かった。

★さん宅には誰も居らず

診る予定の牛が、D型の中に入れられていた。

私は★さんの奥さんに電話を掛けた。

「牛、診に来たんですけど・・・」

「あ、すみません、今子供の運動会で小学校に来てるんです。」

「あ、それならいいんですよ・・・D型に居る牛でしょ・・・」

「そうです。昨日よりちょっと良くなって、餌を少し食べるようになりました。」

image「わかりましたよ。おれ一人で、治療しておきますから・・・」

「すみません、お願いします。」

というわけで

私はこの牛の治療を

一人で済ませて

次の往診先へと向かった。


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春の大風

先週末の十勝地方は大風が吹いた。

IMG_2047往診途中の道のいたるところで、

まだ何も植えていない畑の土があらわになっていて、

そこを、強烈な西風が吹き抜けると、

乾いた畑の土がことごとく舞い上がり、

IMG_2053行く先の視界を遮る。

冬期の地吹雪による視界不良も凄まじいが、

春の大風による土埃、砂塵も、また凄まじいものがある。

地吹雪よりも厄介だと思うのは、

IMG_2055舞い上がった土や砂塵は溶けないので、

広大な畑池の上空にいつまでも漂い

屋外で作業をする我々に容赦なく吹きつける。

それが目の中にも入り込み

IMG_2072目を開けていられなくなる。

それでも呼吸はしなければならないので

鼻や口の中はジャリジャリになる。

車の中も当然ジャリジャリになり

ハンドルも土埃でザラザラになる。

そのような大荒れの大気の中を

何軒かの往診に行って

事務所に帰ってきたら

軽い放心状態になっている。

そこへまた追加の診療の電話がかかってくれば

またジャリジャリの大気の中へ

向かって行くことになる。

この日はそんなことの繰り返しだった。

その同じ頃

テレビや新聞では

九州の熊本や大分での大地震を報じていた。

大変なことになったものだ・・・。

熊本に縁のある友人・知人の顔が浮かんだ・・・。

もし、今

十勝地方にも大地震が起こり

自分の家が壊れてしまったらどうなってしまうだろう

壊れた家では

こんな大風を凌ぐことなど、とうてい出来ず

壊れた家の中は土埃や砂塵で

ジャリジャリになり

瓦礫は吹き飛ばされてしまうだろう。

今のところ十勝地方は地震がなく

自分の家が壊れていないことを

あらためて有り難いと感じた。

そんなことを考えながら

この日の仕事を終えたのだった。


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現代「麦踏み」事情

日本全国的な小麦の作付け面積、

というのはどれくらい有るのだろうか。

image私の勝手な想像だが、

国内の小麦の作付面積は、

きっと我が十勝地方がダントツであろうと思う。

私が子供の頃は、

故郷の静岡でも、

田んぼの続く田舎の風景の中に

秋蒔きの小麦畑も多く見られて、

春になれば、その小麦畑に青い麦の芽が現われ

その麦の芽の列の上を

幾人の農家の方たちが 

ゆっくりと

踏みしめながら

歩いて行く光景を目にしたものである。

どこかユーモラスで

親しみのある光景だった。

私は自分で麦踏をした事はないが

近所の畑の麦踏を見て

面白いことをするなぁ、と

子供心に思った記憶がある。


 麦踏や顔傾けて風に堪ゆ     西山泊雲

 風の日の麦踏遂にをらずなりぬ  高浜虚子



実際、早春の畑の

人力で行う麦踏は 

風の強い日などには

さぞや寒かった事だろう。 

しかし

現在のわが町の麦畑で行われている麦踏は

IMG_2043写真のごとく

キャビン付きの

トラクターに

鉄のローラーを取り付けて

IMG_2038さらにそのローラーの上に

重石を載せて

広大な麦畑を

一気に鎮圧して行く。

IMG_2036どんなに風の強い日であろうと

トラクターで行う麦踏は

寒くはなさそうだ。

実に力強くも

あまりに単純な

機械作業になっている。


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第27回日本伝統俳句協会賞、佳作入選♪

去年の11月に投稿した俳句30句「牛を診る」が、

IMG_5216日本伝統俳句協会賞の佳作第1席に入選した。

それが協会の機関紙「花鳥諷詠」の四月号に掲載された。

自慢話になってしまって・・・

とても恐縮なのだが、

全国的なこのような賞に入賞したのは、

IMG_5217初めての事なので・・・。

この賞に挑戦したのは今回が3回目だった。

一昨年は予選落ち、

去年は予選通過まで、

3度目の今回はなんとかその上を、

IMG_5218と思っていた願いが叶った。

そればかりではなく

本線最終選考まで残り

そこで、最終的な2編のうちの1編に

私の「牛を診る」が残った。

IMG_5220これはまるで

決勝戦まで行ったようなものだ。

最後の決勝では、敗れてしまったものの

準優勝で表彰台に立たせてもらえるのだ。

有り難いというほかに言いようがない。

IMG_5221公益社団法人・日本伝統俳句協会は

高浜虚子の掲げる「花鳥諷詠」を目指して

日々研鑽している俳人集団である。

そういう集団において

応募数161編の中から選ばれて

2番手に評価されて賞をいただけるというのは

私の俳句人生にとって大きな一歩だと思う。

IMG_5219「牛を診る」というタイトルでもわかるように

今回応募した30句は

牛ネタ、である。

興味のある方は

画像をクリツクして大きくして

私の30句を読んでいただけると判るのだが

我々畜産業界で働く人たちにとって

これらの句に描かれたものは

ありふれた四季の風景ばかりかもしれない。

しかし、そこで感じたままを

四季の季題にのせて俳句として詠めば

牛ネタばかりの30句でも

「花鳥諷詠」の俳句である

と、認めてもらえるのだ。

私にはそれが

何よりも嬉しいのだ。


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カラス天国

私の往診先で遭遇する野鳥の類を、

丹頂、白鳥、と大きな順に書いてきて、

次なる野鳥は何かといえば、

大きさから言うと鳶である。

しかし、鳶は

私の印象では

あまり牛舎に近寄ることはない。

鳶が牛舎に近づいているところや

鳶が牛に直接的な接触をしているところは

見たことがない。

鳶は、空高く飛んでは畑の小動物を狙い打っている程度で

牛そのものにはほとんど興味はないようただ。

鳶は肉食の猛禽類だからだろう。

牛舎にまとわり付く大きな野鳥といえば

鳶とよくバトルをしている

雑食性の、鴉(カラス)である。 

カラスほど、牛に直接まとわりつき

牛に厄介な影響を及ぼす野鳥は居るまいと思う。

今までに私が経験したカラスの被害は

IMG_5185最も多いのは

親牛の乳房を突いて出血させる被害である。

これで何度もカルテを書いた覚えがある。

カラスの多い酪農家では

牛舎の中にカラスが飛び回り

仔牛を突いたり、親牛を驚かせたり

巣作りの時期には毛をむしり取ったり

うるさい声で鳴いて煩わしいものだ。

IMG_5186そういう牛舎の近くには

カラスが塒(ねぐら)を作っていることが多い。

いつ往診に行っても、カラスの声が聞こえている。

そんな酪農家の何軒かには共通点がある。

それは

産後の後産や

死んだ仔牛や親牛や

立てなくなって廃用にする牛たちを

長い時間、牛舎の傍に野ざらしにしている事の多い家

という共通点だ。

これはカラスの餌付けをしているようなものである。

カラスが暮らすために最適な環境を作ってしまっているのだ。

そんなことを幾度もを重ねているうちに

賢いカラスはそこで繁殖し

そこで塒(ねぐら)を作り

住み着いてしまうようだ。

カラス天国の完成である。


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醜いアヒルの大行進

牛の飼料であるデントコーンサイレージを、

タワーサイロに入れて作らずに、

平地に野積のスタックサイレージにする方法が広まって、

もうかれこれ20年くらいになるのだろうか。

それに連れて、

野鳥たちがデントコーンの味を次第に覚え、

サイレージ置き場や、デントコーンの刈り後などに、

大勢でやって来て、コーンを漁っている光景が

頻繁に見られるようになった。

特に目立つのが

IMG_5166白鳥たちである。

静かな湖に、優雅な姿で

悠々と泳ぐ、という白鳥のイメージは

私の診療地区の周辺では

もう、ほとんど崩れているといってよい。

北国から渡って来た白鳥たちは

デントコーン畑の刈り跡に大群で押し寄せて

腹いっぱい落ちた実を食べてむくむくと太り

どこかの塒(ねぐら)で冬を越し

春になればまた

雪解けの斑(はだれ)の畑や

スタックサイレージの周辺に大群をなして

IMG_5167北国へ帰るための

エネルギーの補給に余念がない。

そんな場所は

ドボドボの春の泥のぬかるみである。

優雅に泳ぎ、華麗に舞う白鳥の姿は

そこにはなく

滑稽にペタペタと歩き、争って餌をあさる彼らの姿は

醜いアヒルの子が

そのまま大きくなって家族を作り

泥の中を行進しているようだった。


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燕雀安知鴻鵠之志哉

十勝川堤防に近いЖさんの牛舎へ往診途中、

除雪の山の片隅に、なにやら大きなものの気配。

image丹頂鶴が一羽、

Жさんの牛舎のほうを向いて、

じっとその中の様子を伺っていた。

私の車が、十数メートルの居のまで近づいたとき、

その丹頂鶴は、私に気づき

慌てた様子で、畑のほうへと退散して行った。

大きな羽根を、まるでマントでも翻すように

imageバサッと煽りながら

細く長い二本の足で

歩きながら

場所を移動をした。

飛ぶことはなく

ゆっくりと歩いて逃げる、というところが

超大型の鳥の丹頂鶴の優雅なところだ。

imageよく見ると

そこにはもう一羽が歩いていて

番(つがい)の二羽が、牛舎の中を覗いていたことがわかった。

これが丹頂鶴ではなく

燕や雀などの小さな鳥の群れであったならば

あっという間に飛び散ってしまうのだろうが

丹頂鶴はすぐには飛び立てないから

少し歩いて居場所を変えるのみである。

Жさんの牛の診察を終えて

私はまた先ほどの

丹頂の番の居た畑に目をやった。

彼らはまだその畑の一角に居て

今度は、牛舎を覗いているわけでもなく

ただ、二羽同士ある程度の距離を置いて

揃って北の方を向き

さらに一本の肢をたたんで

いわゆるあの、鶴のよくやる一本足で

静かに立ち

まるで瞑想に入っているように

じっと動かなかった。

丹頂鶴というのは

いったい何を考えているのだろう?

image


  

     燕雀安知鴻鵠之志哉

(エンジャクイズクンゾコウコウクノココロザシヲシランヤ)

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続・酪農の規模拡大の落とし穴

酪農の規模拡大に関する記事を書いた矢先に、

image折しもタイミングよく(?!)、

2月29日の北海道新聞の一面トップにこんな記事が出ていた。

その見出しには、

「大規模化しなくても経営改善」

とか

「道東酪農、牛の健康が鍵」

という大きな見出しが 、記されていた。

「大規模化しなくても経営改善」

・・・こんな言葉が

新聞の一面に出てくるのは

裏を返せば、その背景に

いままでの酪農業界が

「経営の改善には大規模化をしなければならない」

とか

「生き残るためには規模拡大をしなければならない」 

といったような考え方を

ずっと持ち続けて来たからだろう。

2月29日の道新トップのこの記事は

そんな、今までの「規模拡大の推進」ムードから

image方向転換を促すような

今までとは違う「規模拡大はしなくても良い」というような

そんな雰囲気を読み取ることのできる記事である。

書かれている内容は

牛の健康を維持するために

「適正乳牛の体形維持と、良質な牧草づくりが、経営改善策の新たな鍵」

imageと書いてあるが

これはべつに、「新たな鍵」でもなんでもなく

十何年も前から言い続けられている

「従来通りの鍵」、「当たり前の鍵」、であろう。

酪農の最も基本的な、経営改善策であり

それによって、繁殖障害を減らして空胎日数を短縮させるという「鍵」である。

image私はそれにあと二つ

「牛の清潔な寝床」と、「牛の十分な運動」、が経営改善の「鍵」

であると言いたい。

それによって、乳房炎と蹄病を減らし

乳牛の三大疾病を予防すれば

経営は改善してゆくと思われる。 

それは

規模が大きかろうが小さかろうが同じことである。

大規模・多頭数化は

そんな基本を押さえている上での

経営者の選択肢の一つだと思う。

ただし

大規模・多頭数化した酪農経営は

小規模・少頭数の酪農経営よりも

乳牛の命が軽視される経営方法であることは間違いない

と私は思う。

大規模・多頭数化してゆく酪農経営は

それで成功しようがしまいが

IMG_5064牛の命を軽視する道であり

その道には、大きな「落とし穴」、すなわち

「スケールデメリット」が口を開けて待っている

ということは

何度も申し上げている通りである。 


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雪(行き)止まり

一昨日の十勝地方は、至る所で雪が数十センチ積もった。

image我が町も例外ではなく、20センチ以上積もったようだ。

重たい春の雪なので、すぐ解けてくれるのではないかと期待したが、

それは甘い願望に過ぎなかった。

翌日は冷たい北風の吹く晴れた日になった。

気温は一気に氷点下10℃以下に下がり

image真昼でも0℃前後の寒い日になった。

天気図は西高東低の気圧配置

こうなると、十勝地方は地吹雪になる。

わが診療地区M町は

その地吹雪の荒れ狂う十勝平野のほぼ中央に位置し

そんな十勝平野にぽっかりと浮かぶ島のような丘陵地帯である。

image丘陵地帯は総じて高台(たかだい)と呼ばれ

日高山脈から吹き降ろしてくる北西の季節風が

障害物のないまま、もろに吹き付け

そこに通っている道は

強い地吹雪で

みるみる飛雪に覆われてしまう。

そんな高台の地区にも

何件かの牛屋さんがある。

ひと晩、地吹雪の吹き荒れた日の

その翌日

私の往診先は、その高台地区にある数件の牛屋さんだった。

高台の酪農家のЭさん宅から

同じ高台のЧ牧場へ向かうのに

尾根伝いに続く、便利な一本の砂利道がある。

その道へ入るT字路は

トラクターでしっかりと除雪されていた。

私はそれを見て、ためらわずに

Ч牧場へ向かうべく、砂利の一本道へ入った。

一本道は、車一台分の幅の狭い道だが

雪の台地の中を尾根の頂上へと続いていた。

imageしばらく行くと

西側の畑の雪が

昨夜の地吹雪の跡のままに

道路へ侵入し、道幅を狭めていた。

尾根の頂上へ近づくに連れて

その雪の侵入程度は激しくなり

私の車の右側のタイヤの自由を奪うようになった。

「これは、ちよっとヤバイかも・・・」

imageだんだんそんな気持ちが膨らんできたが

尾根の頂上には北側から広い舗装道路が来ていて

その地点に到達しさえすれば

その後の診療は安全な道を走行することができた。 

「あと数百メートル、あの鉄塔の手前まで・・・」 

と、思いつつ

四輪駆動の診療車を半ば強引に前進させたが

右の前後のタイヤが空回りをするようになった。

image「これはマズイぞ・・・」 

さらに進むと

道が完全に雪に塞がれた所があった。

「強行突破?・・・いやこれは無理だ・・・」 

もしこんな場所で

完全に埋まって、立ち往生したら

誰も助けに来てくれない。

私はあえなく方針を転換して

別の道を使うことにした。

方針は転換したものの

車体の方向は転換できないので

そのまま来た道をバックして

最初のT字路まで、バックのまま戻ることにした。

細い砂利道を、バックで

数キロメートルも戻ったら

体がねじれて

首もしばらく

凝り固まってしまった。 


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旧正月

診療所に飾っていた鏡餅が、

真空バックのままに、

IMG_4989未だに食べずに置いてあったので、

なんとかしようという事になった。

今日の午後、

それをお汁粉にして食べる事にした。

午後からの往診の帰りに、

IMG_4994スーパーに寄って、ゆであずきと塩と器を買って来た。

ゆであずきとほぼ同量の水を鍋に入れて沸かす。

真空パックから出した鏡餅を食べやすい大きさに切る。

沸いたお汁粉に少量の塩を入れて味を整える。

IMG_4990切った餅を電子レンジのトースト機能で約4分焼く。

器に餅を分入れて、沸いたお汁粉をかけて出来上がり♪

自分では滅多に作る事のないお汁粉だが

意外にあっさりと簡単にできて

IMG_4995そこそこ美味しかった♪

立春を過ぎて

暦は春になった。

旧正月のささやかなお祝い?!

という事にでもしておきましょう。


 余り餅お汁粉にして旧正月    豆作


じつは鏡餅はまだ半分以上残っている。

これから数日

ウチの診療所へ来る用事のある方々

どうぞ、ついでに

お汁粉でも食べていってください♪


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フリーストール牛舎の寒さ

厳しい寒さの続く十勝地方である。

この時期の仕事中にいつも感じるのは、

フリーストール牛舎あるいはフリーバーン牛舎で感じる、

仕事の寒さ。

裏を返せば、

スタンチョンなどの繋ぎ牛舎で感じる、

仕事の暖かさ。

その体感温度に

相当な違いを感じるのである。

IMG_4959特に、

夜間の往診ではそれが顕著である。

明け方に呼ばれる難産や乳熱などの往診では、

フリーストールやフリーバーンでの作業は

手足はもちろん背筋までが凍える。

カッパを脱着したり、補液剤を持っていたりすれば

体の心まで悴んでくる。

「う〜、ここは寒いね・・・」

私は、この言葉を

往診先で何度言ったただろう。

言ってもしょうがないとは思いつつ

思わず漏らしてしまう言葉である。

それに対して

スタンチョンなどの繋ぎ飼い牛舎での作業は

同居の繋がれている牛の体温で

牛舎の中はとても暖かく快適である。

隣の牛が、まるでパネルヒーターのように

診療している私の背後を暖めてくれる。

カッパを脱着したり、補液剤を持っていたりしても

全く寒さは感じない。

「繋ぎ牛舎は、ホント、あったかいね・・・」

この言葉を、私は

往診先で何回言っただろうか。

それは本当に、言う必要もないのに

思わず漏れてしまう言葉なのである。

IMG_4960飼主さんたちは

毎朝毎晩

同じ牛舎の中で仕事をしていて

それに慣れきっているだろうから

特に感じないのかもしれないが

我々獣医師は

実に色々な環境の牛舎を訪問しては

そこで仕事をするので

それぞれの牛舎の中の環境の差は

いやがうえにも感じてしまう。

特に

厳しい冬のこの時期の

夜間あるいは早朝の

緊急の往診に行ったときの

牛舎の温度の違い・・・

フリーストール牛舎の寒さと

繋ぎ牛舎の暖かさ

それを最も強く感じるのである。


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二十日正月、骨正月

歳時記によると、

一月二十日でおおかた、

日本の正月の行事は終了するらしい。

そういう意味の二十日正月(はつかしょうがつ)という季題が

歳時記に載っている。

関西のほうでは、鰤の骨と野菜を煮込んだ料理を作り、

正月料理の最後を食べ尽くす習慣があったようで、

そのことから、骨正月(ほねしょうがつ)という季題も 

歳時記に載っている。

さて、なんだかんだ忙しかった私の正月も

そろそろ終わりのようである。

今年の私の正月は

12544144_827639667345469_1340587758_o仕事に出た日は往診が多く

特に夜の診療が多かった。

休日の前の日にはまず職場の新年会で帯広に出て

その後の三次会は

IMG_4877俳人マスターのいるJAZZ・BARで気勢をあげ

それから続く日々は

俳句会と仕事が目白押しという

怒涛のような10日間が始まった。

IMG_4880先ずは、地元の町内初句会に。

その翌朝は、暗いうちに起きて

汽車で札幌へ行き

北海道ホトトギスと日本伝統俳句協会の

IMG_4881
合同の初句会に参加し

その日のうちに十勝へ戻って

忙しい夜間当番付きの二日間を終えて

再び次の日には、札幌行きの汽車に乗り

北海道俳句協会の協会賞の選考会と新年会

IMG_4918さらに翌日は

私を育ててくれた旧知の

札幌ライラック句会に久しぶりに出席。

その日のうちに、また十勝へ帰り

翌日から仕事を三日間した後

IMG_4920今度は、その夜にH別町で開かれた

帯広畜産大のN保先生による

馬の繁殖に関する講習会と

その懇親会に出席した。

翌日からまた、夜間当番付きの土日の仕事に就き

それが終わって、ようやく昨日

IMG_4921何もない休日を1日過ごすことができた。

仕事の合間に

自分の趣味を余さず組み入れた結果

息つく暇もない忙しい正月だったが

とても充実した日々でもあり

楽しく過ごす事のできた正月でもあった。

IMG_4943それができたのも

昨年の暮れからずっと続いていた晴天

安定した好天気のお陰だったのかもしれない。

だが

今こうして記事を書いている1月18日の夜は

とうとう、その好天気が崩れ

大雪が降り始めている。

正月の行事が済んで

二十日正月、骨正月、という季題のように

そろそろ骨休め、と行きたいところだったのだが

明日の朝は、早起きして

大雪の中で

雪掻きをしなければならないようだ・・・


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今年の初当直、その結果は・・・

今年の初仕事は1月2日から3日までの当番だった。

image2日の十勝地方は、

曇りのち晴れという予報だったのだが、

朝の8時頃から雪が降り始めて、

その雪は昼まで降り続いた。

予報にない雪が数センチ積もり、

imageどうなるかと思ったけれど、

何とか予報どおりに雲が切れ、

午後からは晴れ間が広がった。

夜の当番も、忙しい雰囲気はなく

晩飯を食べて

事務所の当直室で早めに布団に入り

1時間ほど寝ただろうか、

21時半頃に携帯電話が鳴った。

「牛のお産なんですけど、親が立てなくて、仔も曲がっているようなんで・・・お願いします。」

今年の夜当番の仕事初めは

τ畜産の難産だった。

いやな予感を抱きつつ

着いてみると

慣れていない新米のスタッフが1人であたふたとしていた。

「この牛なんですけど。」

牛は乾乳牛舎で、汗をかいて陣痛に苦悶していた。

よく見るとずいぶん太っている。

受胎が遅れ、泌乳期が長く、乾乳期も長かったことを

よく物語っている肥満の牛だった。

「今、#さんに連絡しますので・・・」

しばらくすると、#さんがやってきた。

#さんは、ベテランのスタッフである。

「親の体が冷たかったんで、指示されたカルシウムを皮下に打ちました。」

私はそれを聞きながら

手を産道に入れて胎児の体位を確認していた。

「これは、ずいぶん産道が狭いね。」

「はい。このまま引っ張ったら、ぜったい頭が曲がってしまうと思って。」

胎児の頭は、狭い産道の更にその奥でうごめいていた。

「あーほんとだ。このまま足を引っ張らずにいたのは正解だね。」

私はそう言って車から、ヘッドループワイヤーを持ってきた。

「頭にワイヤーかけるから。」

肥満の牛が立てずに産気付いていると

陣痛の圧力は相当なもので

強い陣痛の度に、腕が痛くなる。

本当は、立たせて介助したいのだが

こんな肥満の親牛では、それも難しいので

親牛が寝たままの、腰の低い体勢での難産介助になった。

親牛の陣痛と陣痛のすき間を狙って

ワイヤーを胎児の頭の向こうへ押し込み

胎児の耳を探りあて

その耳の向こうへワイヤーを掛ける。

これを右と左の2つの耳で行えば

ワイヤーが胎児の後頭部に掛かることになり

胎児の頭をしっかりとキープできる。

「よし。頭にワイヤー掛かったから、まずこれをゆっくり引っ張って。」

ワイヤーにつないだロープだけをゆっくりと引くと

胎児の頭が産道に乗ってきた。

「じゃあ次は、俺が頭のロープを持ってるから、足につないだほうのロープをゆっくり引っ張って。」

今度は胎児の前足2本が、陰部から外へ出てきた。

その奥で、胎児の鼻先と舌が、窮屈そうに動いた。

「今度は、その足のロープを滑車(カウヘルパー)につないで引くからね。」

頭のロープは私がキープし

足につないだ滑車のほうを、新米君と#さんの2人で引っ張ってもらうと

少しずつ胎児の前頭部が現われ

ようやく、胎児の頭部全体が、陰部から外に飛び出した。

「よし。あとは強く引っ張って、どんどん引いて・・・」

私は、頭のロープを手放して

滑車を引く2人の引いている足のロープに手を掛け

3人力で滑車を休まずに牽引した。

「ンンンンモォーーー」

親の咆哮とともに、胎児の体が全て出てきた。

私は胎児の後肢をつかんで持ち上げて羊水を吐かせて

心音を確かめ、呼吸を促した。

胎児の目は曇っておらず、鼻を動かし始めた。

image「生きてるね。大丈夫だ。」

大きなF1の♀だった。

「よし、あとは親に点滴を打っておくから。」

「お願いします。」

今年の初当番での

初の難産介助は

何とか無事に助けることが出来た。

今年は、初めから

幸先のよいスタートが切れた・・・

・・・と、思うことにしよう(笑)。

難産にしろ何にしろ

我々が現場で遭遇する

臨床症例というものは

一例一例、同じものはない。

全てが違っている。

image全く同じ症例を

再現させるという事は

どんなに科学が進歩しても

不可能なことである。

それはまさに

「一期一会」

と言うほかはないのだと思う。


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