北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

読書ノート

Facebookのブックカバーチャレンジ(おまけ)

ブックカバーチヤレンジの、おまけの1冊。

「科学する麻雀」とつげき東北 著。

IMG_0337













学生時代に低いレートで賭けマージャンをよくやった。

賭けマージャンは今や犯罪である。

今なら私も逮捕されてしかるべき人間だが

それを取り締まるはずの

検察庁のナンバー2の人が

先日のコロナ禍の緊急事態宣言のもとで

賭けマージャンをしていた。

その立場上

私よりもずっと罪は重いはずなのだが

それすら「訓告」という甘い処分なのだから

日本は「賭けマージャン天国」だと言ってよいだろう。

学生時代

私と同期の連中は

毎年、冬季休暇の初日の午後から

翌日の朝まで

下宿に集まって

恒例の徹夜マージャンをした。

私はその雀友たちの中で

ただ1人

1度もトップになることができなかった

という不名誉な記録を残した。

要するに

弱かったのだ。

社会人になってからは

卓を囲む機会が激減したが

マージャンでは負けて悔しい思い出ばかりが残っていて(笑)

いつかは大勝してみたいと思い

上記の本を買って読んだりしたのだった。

この本によると

七対子(チートイツ)の勝率が高い

と書いてある。

今度、かつての雀友と卓を囲む機会があったら

七対子の1点張りでリベンジしようと思っている(笑)

ちなみに

その雀友の中で

最も強くて

何度もトップ賞を取っていたのが

当ブログでコメントも寄せてくれる

旧友のQU先生である。

QU先生とあと2人いれば

かつての面子が揃うのだが

もうそんな機会はないのかなー(笑)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。
 

Facebookのブックカバーチャレンジ(5)

5回目のブックカバーチャレンジは、

ジュール・ルナール 著 「博物誌 」。

IMG_0341








このエッセイ集は、

どこか歳時記的な風味があり、

日本の俳句にも通じるものがあるのかなと思い、

若い頃に注目して読んだ。

読んでいるうちに、

原書でも読んでみたくなった。

とはいえ

フランス語はまるでダメ(笑)だけど

翻訳本と辞書を片手に読むのは

けっこう楽しかった。 

ともあれ

写真は

左がフランス語のペーパーバック

右が岩波文庫の翻訳本 

この表紙に注目してほしい。

淡くてシンプルな岩波の表紙絵に比べ

ペーパーバックの表紙絵の 

なんとグロテスクなこと!

このような絵が

「博物誌」のイメージなのか・・・

こういう絵の中に

フランス人の自然観が

垣間見られるとすれば

日本人の自然観とは

おそろしく違ったイメージだと

ビックリ仰天してしまう

そんな表紙である。 


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。
 

Facebookのブックカバーチャレンジ(4)

Facebookのブックカバーチャレンジの4回目、

と言ってもルールは面倒になって来たので、

ただ私が非常に感銘した本の紹介を続けたいと思う。


「タテ社会の人間関係」 中根千枝 著

IMG_0336















社会学というものに属する書物なのだが

人間社会すなわち「人の群れ」という

個々の人間一人一人ではなく

「集合体としての人間」の性質を説いた本である。

個々の人間一人一人に個性があるように

「集合体としての人間」の社会にもそれぞれ

社会ごとの個性がある。

この本は

日本という国の人間社会と

欧米諸国の人間社会との

性質の違いを

鮮明に描いている。

キーワードの「タテ社会」とは

日本の「お家」的な人の繋がりを表し

家ごとにまとまる日本人の社会は

主人と使用人との間に家族的な深い繋がりがある。

それに対して

欧米では職種や階級による「ヨコ」の繋がりの方が深く

主人と使用人との間には大きな溝がある。

具体的な例で言えば

日本では

主人と使用人が同じテープルで食事をするが

欧米では

主人と使用人は同じテーブルで食事はしない。

また

日本では

同じ職種や同じ立場の人同士でも

家ごとの交流がないと情報交換がないが

欧米では

同じ職種や同じ立場の人同士の繋がりが深く

その間の情報交換が容易である。

日本のタテ社会と

欧米のヨコ社会とが

比較されて

その違いが浮き彫りにされる。

「群れ」としての人間の姿を

このような切り口で捉えた文章は

何度読み返しても面白い。

現実に

今我々が直面している

様々な社会問題

それはもちろん

私の身の回りの

畜産獣医関係の問題

に対しても

解決のカギが隠されている

と思わせる

そんな本である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。
 


Facebookのブックカバーチャレンジ(3)

Facebookのブックカバーチャレンジの第3回目は、

「唯脳論」 養老孟司 著。

5f21a5fb-s[1]
















この本については、

以前当ブログにて、

10回にもわたる長い記事を書いたので

それをここに再び張り付けておくことにしたい。

お暇な方は(笑)

ぜひ通して読んでいただきたい。

1冊の本をネタに10回も記事を書いたのは

おそらくこの「唯脳論」以外にはなかったと思う。

それだけ私は

この本の内容に触発された

と言える。

「唯脳論」(1)

「唯脳論」(2)

「唯脳論」(3)

「唯脳論」(4)

「唯脳論」(5)

「唯脳論」(6)

「唯脳論」(7)

「唯脳論」(8)

「唯脳論」(9)

「唯脳論」(10)

「唯脳論」シリーズ記事

いかがでしたでしょうか?

私も今すべての記事と

それに寄せられたコメントを読み返してみた。

おりしも

新型コロナウイルスの緊急事態で

グローバリズムが根底を揺さぶられている。

そんな時に何となく

このシリーズ記事を読み返すと

今後の世界がどうなってゆくのか

想像できるように感じたのは

私だけだろうか。

ここまで読んでいただいた方

どうもありがとうございました(^^)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。
 

Facebookのブックカバーチャレンジ(2)

ブックカバーチャレンジの2回目は、

飯田龍太著「俳句の魅力」。

IMG_0338


















私がまだ20代の頃、

川柳にどっぷりとはまり込み、

新聞の川柳欄に投稿したり、

地元の川柳結社の句会に出たり、

札幌川柳社などの数冊の川柳雑誌を購読していた頃、

帯広市内の田村書店の本棚で、

何気なく手に取った本がこの本。

よくあることだが

川柳にはまっている身にとって

「俳句は敷居が高い。」

と感じていた。

そんな私だったが

この本を手にとってパラパラと読んでいると

取り上げられている俳句の数々が

「なんてカッコイイんだろう!」

と思えた。

さらに

それらの俳句を解説する著者(飯田龍太)の文章が

簡潔でピリリとしていて

「なんてカッコイイ解説文なんだろう!」 

と思い

思わず買ってしまった一冊。

その内容は

底知れぬ深い魅力に満ちていて

「川柳もいいけど、やっぱり俳句もいいな。」

と、私に思わせ

「俳句もやってみっか。」

と、私に思わせ

川柳ばかり作っていた私に

俳句といものの魅力を植え付けて

離れざるものにしてくれた。

この本は

何度読んでも

今読み返してみても

「俳句はやっぱりカッコイイ!」

と思えるし

「飯田龍太の解説文はやっぱりカッコイイ!」

と思えてくる。

「カッコイイ」というのは

大切なことだと思う。

私が

川柳から

次第に

俳句へと

重点をシフトしてゆくきっかけとなった一冊。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。
 

Facebookのブックカバーチャレンジ(1)

Facebookの友達から、

「ブックカバーチャレンジ」、

が回ってきたので引き受けてみた。

自分が過去に感銘を受けた本は結構あるので、

紹介できるチャンスが回ってきたと思っている。

ただし、

これをさらに7回続けて7人の友人にバトンを渡す、

ということになると、

リレー相手の承諾もいるし、

迷惑にもなりかねないので、

今回はそんなことも考慮して、

3回程度で済ませようと思っている。

このブックカバーチャレンジは

もう日本全国かなり出回っているようで、

もうバトンを渡す相手がいなくてもいいかなとも思うので、

規定通りにFacebookに直接書き込むのではなくて、

自分のブログの記事として書いて、

それを自分のFacebookにリンクとして貼り付けることにした。

ブックカバーチャレンジ第1回目は 

私が大学生時代に最も感銘を受けた学術専門書

「家畜比較解剖図説・上下巻 加藤嘉太郎著」

IMG_0328






















この本は、 家畜解剖学の教科書で表紙がのっぺらぼうなので

背表紙の写真である(笑)

しかしこれは

名著中の名著だと私は思っている。

獣医畜産関係の学生だけに読ませているのでは勿体無い。

解剖学にとどまらず

生物学にとどまらず

美術にとどまらず

博物学にとどまらず

ある意味これは哲学書であり

地球上の哺乳類の比較解剖学の書なのである。

解剖というと

普通は小・中学生がカエルの解剖をする程度であり

理科の好きな生徒がそれに興味を示す位のものだろう。

また

解剖学といえば

人体の解剖に興味を持つ人も多いだろう。

そのルーツは江戸時代に「解体新書」を読んだ医者になるだろうか。

しかし

お医者さんたちは人体の解剖ばかり勉強しているに過ぎないのである。

人体解剖だけではなく

他の動物との比較をしながら解剖を学ぶと

同じ哺乳類である牛や馬や豚や羊や犬や猫

あるいは鳥類である鶏などと比べて

人間とは一体どういうものなのかが

客観的に見えてくるのである。

結論を言えば

人体というのは

他の家畜の体と比較してみると

全て相似形

なのである。

決して特別なものではなく

人間の構造は他の家畜の構造と

基本的には全く同じの

相似形

に過ぎないのである。

そんなとても大切なことを

この本は教えてくれる。

獣医畜産関係の学生に読ませていてるだけでは

本当に勿体無い本である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。

鈴木牛後さん「北海道新聞・俳句賞」受賞に寄せて

下川町の酪農家俳人、

鈴木牛後さんの句集「にれかめる」が、

第34回北海道新聞・俳句賞を受賞した。

私は、今回の牛後さんの句集の受賞に対して、

IMG_6262驚きはなく、

受賞は「当然」のように思えた。 

しかも私にとって身近な

酪農家が受賞したということで

「喜び」とともに

「尊敬」の念を感じている。 

IMG_6263牛後さんの句集「にれかめる」については

過去に当ブログでも紹介させてもらった

その記事もついでに読んでいただきたいが

この句集は今や

日本中の俳人ばかりではなく

日本文芸全般にわたってその名を轟かせている。

先日の北海道新聞記事にも

IMG_6264俳句評論の名手

五十嵐秀彦さんが

句集「にれかめる」について論考していて

「俳句文芸はこの作品をもってひとつの転換点を迎えたのかもしれない。」

と、言っている。

そして昨日

鈴木牛後さんから

俳句雑誌「藍生(あおい)」が送られてきた。

IMG_6273牛後さんが所属している俳句結社の雑誌だが

その中の特集のひとつとして

句集「にれかめる」が取り上げられていた。

「藍生」は何度か拝見したことがあり

そのたびにいつも思うのは

俳句評論がとても充実していることだ。

今回の特集にも

 「鈴木牛後句集『にれかめる』を読む ー俳人と牛たちのダイアローグー 」 永瀬十吾

 「一大絵巻たる北の牧場の日々」 広瀬敬雄

 「フロンティア精神」 若井新一


という3人の角川俳句賞受賞作家が

IMG_6274厚みのある鑑賞文を寄せている。

3人の文章それぞれに

鑑賞力の深さと文章力の高さを感じた。

さらに

非常に面白かったのは4人目の

 「牛後句集と私」鈴木牛前

という、牛後さんの奥さんの書いた文章。

この中で、牛前さんは

「ダンナは鈍感な人間で、私は敏感な人間です。」

と言い

「ダンナはこんなに鈍感なのに、どうして全国的な賞を取れるような俳句が作れるのでしょうか?」

という疑問を提示し、その理由について検証している。

検証には4つの仮説

 淵瀬鵐覆蓮紡榛鄲深里任△

 本をたくさん読む

「ことば」マニアである(ことばが大好き)

 句集を読むスタイル(ノートに書き出しながら丁寧に読む)

を立てて

上記の疑問を解こうと試み

,鉢△寮發楼磴辰討い

とい寮發有力だが

まだ謎である、とし

結局、ダンナの「鈍感力」が優れた俳句を生み出すのではないか

と結論づけている。

ここで私にひとこと言わせていただけるのなら

私は

やはり牛後さんの謎を解くポイントは

ではないかと感じている。

「ことばマニア」であることこそ

牛後さんが優れた俳句を作れる理由だと思う。

私が牛後さんに何度かお会いした時の印象や

色々文通や句会などをさせてもらっている中で

そう思うのである。

牛前さん、いかがでしょうか?(笑)

ともあれ

今回、牛後さんの句集「にれかめる」は

多くの方々から賞賛され

北海道新聞・俳句賞を受賞した。

私は、今後さらに

この句集はもっと大きな賞を獲得するのではないか

と思っている。

その時にまた

日本の俳句界にとどまらず

日本の文芸界に

どのような賞賛の言葉が飛び交うのか

非常に楽しみである。

最後に

蛇足ながら言わせてもらえば

今の俳句界で

牛後さんは「牛の俳句」の一つの金字塔を打ち立て

「牛の俳句」といえば

鈴木牛後さんの俳句という認識ができつつある。

しかし

牛後さん以外にも「牛の俳句」を読む俳人はいるし、過去にもいた。

何を隠そう私もそうだし

北海道では天塩町の井口寿美子さんなどもそうである。

それらの「牛の俳句」の良し悪しはともかく

「牛の俳句」を詠みたい俳人

「牛の俳句」を詠まずには居られない俳人は

私を含めて他にも結構いる。

それらの「牛の俳句」を詠んでいる俳人たちの

奮起が望まれるとともに

牛後さんの今回の受賞を契機に

多くの「牛の俳句」が

新たに多くの俳人に詠まれ

色々な、様々な立場からの

「牛の俳句」が

この世にもっと出現することを

私は願っている。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。  
      
   

「花鳥諷詠」誌での連載終了

日本伝統俳句協会の機関誌「花鳥諷詠(かちょうふうえい)」の、

IMG_5985「一頁の鑑賞」という隔月連載を、

担当執筆させてもらっていた。

先日発行された九月号をもって、

それも最終回となった。

その内容は

執筆者によって色々だが

私は

高浜虚子の編んだ「ホトトギス雑詠選集」の

春の部・夏の部・秋の部・冬の部 

の4冊の中から

北海道にゆかりのある俳人の句を

毎回2人ずつ取り上げて

その鑑賞文を書いて来た。

去年の11月号は

名塩呑空(なしお・どんくう) と石田雨圃子(いしだ・うぼし)

今年の1月号は

伊藤凍魚(いとう・とうぎょ)と比良暮雪(ひら・ぼせつ)

今年の3月号は

佐瀬子駿(させ・ししゅん)と天野宗軒(あまの・そうけん)

今年の5月号は

鈴木洋々子(すずき・ようようし)と阿部慧月(あべ・けいげつ)

今年の7月号は

長谷川かな女(はせがわ・かなじょ)と阿部みどり女(あべ・みどりじょ)

今年の9月号は

臼田亜浪(うすだ・あろう)と飯田蛇笏(いいだ・だこつ)

 「ホトトギス雑詠選集」は

「明治41年から昭和12年まで 、通巻500号を迎えたホトトギスの雑詠入選句十数万句から、約一万句を厳選した「花鳥諷詠俳句」の精髄。『芭蕉七部集』に匹敵するといわれる現代俳句の古典的アンソロジー」

IMG_5984なのだそうで

それを1年間つぶさに読んで

その中から

北海道に関係深い作家の俳句を鑑賞し

現在の「花鳥諷詠」誌に

活字として残すことができたのは

とても幸せなことだった。

最新号の鑑賞文のページを

IMG_5987写真にとって

ここに貼り付けてみた。

自分ではとても気に入っている文章

(自画自賛かよ)なので

興味のある方は是非

クリックして拡大して

読んでみてほしい。

これを機会に

「花鳥諷詠」に興味を持っていただけると

とても嬉しい。 


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。  
       

鈴木牛後さんの第3句集「にれかめる」発売!

昨年の角川俳句賞を受賞して、

今や押しも押されもせぬ日本の俳人、

下川町の酪農家、

鈴木牛後さんの、

待望の第3句集が発売になった。

ネットで予約購入していたので、

仕事から帰って郵便受けにこれを見つけて、

跳び付くように読み始めた。

期待通り、いや、期待をはるかに超えた力強い句の数々。

読んでゆくうちに心躍る、

IMG_5915素晴らしい句集だった。

まだ一読しただけだけれども、

読み返すたびに新たな発見と感動が得られそうな、

そんな句集である。

この第3句集には374句も収録されているので

全てを紹介することなど到底無理であるが

とりあえず心惹かれた句を

少し挙げてみたい。


 雪を掻くたびに光のあたらしく


 春の土たがひに踏んで別れけり


 血の軍手春日に干してまた履きぬ


  農道の波打つてゐる西日かな


 裸木はたがひに傷め合うてをり 


 雪にスコップ今日と明日との境目に


    初蝶は音なく猫に食はれけり


 雪を前に話すこの世のことばかり


 牧場を山と呼びたる夏の雪


 草青むはやさに歩む牧支度


 杭打つて山の眠りを覚ましけり


 万緑の触手舗道の割れ目より


 白日傘傾ぎ見られてゐる労働


 初雁や大曲りして天塩川


 雪捨てて拾ふものなき日暮かな 


そして何よりも

牛と酪農を詠んだ句の数々。


 白息の混じりて牛を捕へけり


 飲みをへて仔牛しづかや余花の風


 満月を眼差し太き牛とゐる


 牛見送る軒より露の滴りぬ


 牛の死に雪のつめたくあたたかく


 鼻息熱き牛を夜涼へ放ちけり


 甘さうに草の波立つ牧開き


 我が足を蹄と思ふ草いきれ


 角焼きを了へて冷えゆく牛と我


 牛産むを待てば我が家の冬灯


 仔牛の寒衣脱がせ裸と思ふ春


 美味き草不味き草あり草を刈る


これらの牛の句・酪農の句には

飼主と牛との距離の近さを感じる。

それは愛情の深さである。

というよりも

もう牛後さん自身が牛と同化しているような句で

牛の代弁者になっているような句である。

これを読んだ私を含め酪農関係の方々は

どんな感想を抱くだろうか。

また、全国の

牛乳や乳製品の消費者の方々は

どんな感想を抱くだろうか。

さらに

今回新たな驚きと感動があったのは

牛後さんの俳句の中に登場する

独特の「オノマトペ(擬音語・擬態語)」である。

「どるん」

「たわたわ」

「ろろん」

「けおん」

「ざばん」

「ここここ」

「るろるるろる」

「ばふう」

「ざんざん」

「さりり」

「ぱふん」

「わんわん」

「かしや」

「べったら」

「ほこん」

「ちやりぢやり」

「ちつちちつち」

「くわわ」

「ぎゅるん」

「ごどごど」

「ききゅん」

「ざざざら」


これらのオノマトペが

どんな句に使われているのかは

ぜひ句集を買って

それを手元に置いて

読んで楽しみながら

探していただきたいと思う。

鈴木牛後さんの第3句集「にれかめる」は

私がここに記したこと以外にも

まだまだ沢山の面白さが詰まっている

超おすすめの句集である。

日本全国の皆さんの

一人でも多くの方々に

ぜひとも読んでいただきたい

素晴らしい句集である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。  
       
 

牛が好きになる漫画本♪

(株)KADOKAWA・発行のコミック、

DA57B0B1-29BC-4E86-9003-3CB51F1EC866『毎日、牛まみれ』・牛川いぬお・作、

を読んだ。

この人の漫画はどこかで見ていて、

何故かとても印象深く記憶に残っていて、

先日、それをまとめた一冊の本が出た、という情報を得たので、

早速ネットで購入したのだ。

漫画本は気軽に読めて楽しい。

しかも

内容が酪農現場の仕事とあって

あっという間に読み切ってしまった。

そして

思っていたよりもずっと面白く

深い内容だったことに感動した。

「毎日、牛まみれ」

というタイトルからして

私の心を惹きつけるのに十分だが

ページをめくって行くにつれて

実際に作者と一緒に酪農の現場に立っているような

臨場感の中に入り込んでゆくのだった。

とにかく、牛の絵が上手だと思った。

牛を普通に写実的に描いている絵があると思えば

牛をデフォルメして漫画チックに描いている絵もある。

それらの牛の絵のすべてが

とても表情豊かなのである。

しかもその豊かな表情は

決して擬人化し過ぎておらず

我々がいつも見ている本当の牛の表情を外れていない。

これはよほど鋭い観察眼と

牛の心理を読み取れる感性がなければ

できないだろうと思った。

盛り沢山の内容の中から

私が特に好きになったシーンを

2つあげておきたい。

1つ目は

牛どうしのペロペログルーミングの話

BB8EFED3-E31F-47EA-ACD2-2FC701A35C8Bそれを描いている絵がとてもかわいらしく

誰が読んでも牛の気持ちが伝わって来る。

それでいて無理がなく

本当の牛の行動が描かれている。

これほど牛の心理を良く観察して理解し

それを表現している漫画があるだろうか

F772167D-8E22-4BE8-BF55-CA9A43C83159と感動してしまった。

さらに、そのシーンに対して

作者は牛の行動だけにとどまらず

こんなコメントを書いている

「誰かのために頑張っても、それが必ずしも報われるわけではないのは、人間も牛も一緒なのかもしれない」

そして、さらに

「思いがけない形で苦労が報われることがあるのも、人間社会と一緒なのかもしれない・・・」

今まで、こんな言葉が出てくる酪農関係の本を

私は読んだことがなかった♪

2つ目は

子牛のトラブル(この話では疥癬症)の話

酪農場の社長がなかなか薬を買ってくれず

子牛の管理に支障が出たとき

農場にやってきた肥育農家のオヤジが

それを見て激高して発した言葉

「おう、なんやこの牛は?!、社長どこや、社長だせやコラァ」

そして、さらに

「社長、あんた、どんな管理しとんねん!!、牛がカワイソウって思わんのか!!、この仕事なめとったら承知せんぞコラァ、わかっとんのか・・・」

これまた今まで、こんな言葉が出てくる酪農関係の本を

私は読んだことがなかった。

5E74C695-2181-4A2C-9EEA-4D233EB7A2D1何と、胸のすく

すばらしい言葉だろう♪

この漫画本の

ほんの一部を紹介したにすぎないけれども

私はこの漫画の作者

牛川いぬおさんにすっかり魅了されてしまった。

この本を読んだ後に

酪農場へ仕事に行くと

牛たちの表情が違って見えてくる。

99281ADA-B0AF-4CEB-B5CB-6F350456460Dこの本を読んだ人は皆

今までよりもずっと

牛のことが好きになっている。

そんな不思議なことが起こる

魅力的な漫画本♪

是非お勧めしたい一冊である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→
クリックして

見ることが出来ます。  
    
 

角川「俳句」7月号

再び月刊誌角川「俳句」の、

IMG_3798今度は7月号の、

今日の俳人(作品7句)という欄に、

私の作品7句を

載せていただいた。

この手の月刊誌に、

こういう形で私の俳句が掲載されたのは、

全く初めてのことなので、

私にとってこの号は記念すべき一冊になった。

IMG_3800掲載された7句について、

簡単な解説文をつけているが、

それをさらに詳しく言うと、

この7句は全て今年の4月22日に詠んだ句である。

朝早く家を出て

帯広駅から特急に乗り

札幌からは各駅停車に乗り換えて岩見沢まで行き

岩見沢の阿弥陀寺というお寺での

「北の虚子忌」句会に参加した時に詠んだ句である。

この句会は

昨年まで依田明倫翁が主催していた句会だったが

今年は明倫翁亡き後の

遺志を継いだ佐藤宣子さんが中心となって行われた。

私は宣子さんを応援したい気持ちで

初めて参加したのだった。

その直後

折よく角川書店から自作品7句の出句依頼が来た。

それはまるで

依田明倫翁が差し向けてくれた掲載依頼のように感じた。

ありがたく引き受けて

記念すべき月刊誌への出句が

初参加の「北の虚子忌」での句になったという次第。

角川書店と明倫翁に感謝を申し上げたい。

また

この7月号の66〜67頁には

私の敬愛する今井肖子さんの文章も掲載されている。

本号の「報告句を抜け出す」という特集記事の執筆者の1人として

「語順を変える」という作句法が解説された文章である。

クリックして是非詠んで頂きたいのだが

IMG_3801この中身がとても解りやすく

且つ高度な内容になっていることに

私はさすがホトトギスのベテラン俳人の言う事は違うな

と思った。

この文の見出しに「初級」という文字が付いているが

今井肖子さんのこの文の内容は

初級者にとどまらず

どのような俳人にとっても大切なことであるのは

読んでみればすぐ判る。

我々が作句と添削をするときに

非常に重要なところを

初級者にもわかるように易しく書いてあるのだ。

「物事が良くわかっている人は、易しくわかりやすい言葉で話す」

とよく言われるけれど

この文章はまさしくそれだと思う。

肖子さんの詠む俳句もまたしかり。

今井肖子さんとは

先日の日本伝統俳句協会の総会と懇親会の時お会いした。

前々回の懇親会のときもそうだったが

また声を掛けて頂き

私の作品についての感想なども色々話して頂いて

私はとても嬉しくありがたく勉強させてもらっている。

月刊「俳句」7月号に

そんな今井肖子さんの文章を発見して

読むことができたのは

幸運だった。

今月号の「俳句」は私にとって

とても大事にしたい記念すべき一冊

となった。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして
 
見ることが出来ます。  



 

角川「俳句」6月号

俳句の総合誌、

IMG_3803角川「俳句」の6月号の150頁に、

五十嵐秀彦さんの文章が載っている。

歳時記に載せたい季節の言葉、

という特集記事の中で、

「わたしのくにの季節の言葉」

という見出しが付いている。

日本各地の地方色の強い季節の言葉を

複数の執筆者がそれぞれ

担当して執筆している中で

IMG_3802秀彦さんが北海道代表として

挙げているのは

「気嵐(けあらし)」

という言葉である。

けあらしは

気温が氷点下15℃以下になる地方でないと

見ることができない現象らしい。

その解説文の最後に

北海道の俳人が詠んだ「気嵐(けあらし)」の俳句が

何句か載せられていて

その中に私の一句


 けあらしや熱湯流れいる如し  豆作


があった。

これは厳寒期の十勝川で詠んだもの。

俳句の総合誌に

例句として私の作品が活字になるのは

とても嬉しいものだ。

五十嵐秀彦さんに感謝したい。

また

同じ6月号の186〜189頁には

現代俳句時評「こどもたちの今」と題した

阪西敦子さんの文章が載っている。

内容はクリックしてぜひ読んで欲しい。

IMG_3805小・中学生の国語教育と俳句

東京の江東区における取り組みと

今後の色々な課題が

深い洞察を通して書かれていて

IMG_3806とても示唆に富む俳句時評である。

じつは

阪西敦子さんとは

先日の日本伝統俳句協会の総会の席で初めてお会いして

懇親会から二次会までご一緒させていただき

意気投合して

色々と俳句の話をすることができた方である。

とても聡明な印象を受けた俳人で

この日の私の大きな収穫の一つだった。

そんな人の文章を

俳句総合誌上で発見して

読むことができたのは

これもまた嬉しいことである。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして
 
見ることが出来ます。  



 



 

町民文芸「まくべつ」33号

町民文芸誌「まくべつ」33号が届いた。

もうかれこれ20年以上、

私は、地元の図書館が発行しているこの文芸誌に、

IMG_2402俳句と川柳を投稿している。

かつては漢詩やエッセイなども投稿したことがあった。

地元の文芸誌は、

何物にも替え難い、

特別なものという思いが私にはある。

それはまるで自分の家族や町内会のご近所さんが有志で作った雑誌、

というようなアットホームな雰囲気がある。

編集委員の方々や執筆者の顔ぶれを拝見すると

近所へ買い物した時によくお目にかかる人や

仕事や子供のつながり等で知っている人などがいて

実に身近な雑誌なのである。

そういう人たちが意外な作品や文章を寄せていたりして

新鮮で誇らしく

また、ちょっと照れくさいような

独特の感興を覚えながら読む雑誌である。

今回の特集は「幕別台風災害2016」だった。

それに関連する記事は

将来貴重な記録として残ることだろう。

その他いろいろバラエティーに富む記事の中で

私の俳句と川柳も

毎度お粗末ながら掲載させていただいた。


まずは俳句


IMG_2403  孕みたる牛のよく飲む日永かな  

  牛の首撫でれば春の日の匂ひ

  助産せし牛に我が身に寒の湯気

  往診の夜道しばれる雨上がり

  純心な牛涼しげや放牧地


俳句の方はいつも

仕事中に詠んでいるものを

5句投句した。

最近、仕事中に詠む俳句は

変わり映えのしないワンパターになっているのかもしれない。

しかし、それでも

仕事中の出来事を詠みたいという気持ちは変わらない。

そんな気持ちがある以上は

ずっと詠み続けることになるだろう。

そのまま詠み続けているうちに

いつかまた新しいものが出てくるだろうと

たかをくくっている。

意識して新しみを求めて

自分の句風を変えてゆこうなどとは

思わない方が良いと思っている。

自分の句風というものは

変わる時には勝手に変わってゆくものだろう

と私は思っている。


つぎに川柳


IMG_2404 酒気帯びを逮捕したらばウチの部下

 過労死の牛にも欲しい労基法

 農協が農競となるFTA

 使えない豊洲に入れよ核のゴミ

 原発の上も飛びますオスプレイ



20代の頃

私は

川柳ばかり作っていた。

しかし

川柳ばかり作っていると心が荒んでしまうので

今の私は

川柳を作ることには全く力を入れていない。

それでも

世の中には腹立たしいことが起こるもので

そういう時は、つい

川柳を作ってしまう(苦笑)。

今回投句した川柳は

そんな作品である。

ヒマつぶしに読んでいただけれは

幸いである。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

現役獣医師が書いた小説!

先日何気なく、

我々の職場の機関紙「月刊NOSAI」の、

平成28年8月号が回覧で回ってきて、 

パラパラとめくっていたら、

私の目が、

ある記事に釘付けとなった。 

IMG_2047それは、

「自著自薦」というページ だった。

そこに紹介されていたのは

『獣医さんのイタイ恋』 文芸社  

という本で

著者は

ちばNOSAI連 西部家畜診療所 八千代出張所

に勤務する現役の獣医師 清水秀茂 氏


だった。 

その内容は

NOSAIの家畜診療所を舞台とした小説だった。

それも恋愛小説だという。

早速インターネットの書店から購入し

IMG_2046先日読了した。

読後の感想は

今まで味わったことのない感動的なものだった。

それは何と言っても

話の内容が「あまりにも身近すぎる!」からだった。

我々十勝NOSAIと

この小説の舞台になっている千葉NOSAIとは

規模の大小はあれども

仕事の内容は全く同じと言って良い。

登場するNOSAIの獣医師たちも

登場する酪農家の数々も

どこにでも居そうな人達と、どこにでもありそうな農場ばかりだ。

そこで繰り広げられるさまざまなシーンも

蹄病治療、乳房炎、繁殖障害、第四胃変位、難産、子宮脱、子宮捻転・・・

さらに家畜伝染病の予防や緊急時の対応まで・・・

我々が毎日遭遇している牛の診療のシーンなのだ。

そのシーンを書いている本人が現役の臨床獣医師であるから

描写がリアルなのは当然と言えば当然なのだが

その筆の見事なことに感動してしまう。

さらに、そのリアリズムは

往診の現場ばかりではなく

診療所に戻ってきて行うデスクワークや

さまざまな臨床検査まで及ぶ。

さらに、そのリアリズムは

複数の獣医師スタッフが協力しながら運営する

NOSAIの診療所が抱えている

さまざまな人間関係にも及び

その内部の詳細まで赤裸々に描かれている。

その組織運営の描写は

NOSAI組織の上層部の獣医師にとどまらず

その上の理事さんたちにも及び

それも実にリアルなのだ。

読んでいて「あまりにも身近すぎる!」ので

私は何度もうなづいたり笑ったりしながら

感動のうちに読み終えることができた。

その中で最も感心したことは

我々臨床獣医師の現場のリアリズムに満ち溢れたこの小説が

恋愛小説になっているということ。

牛の臨床獣医師の職場で

職員同士の間で恋愛物語が生じるのは

最近の獣医師の男女比から見れば当然で

我々の十勝NOSAIも例外ではないだろう。

それがまた

この小説の大きな魅力になっている。

畜産の生々しい現場と

若者たちの初々しい恋愛とは

一見ミスマッチのようなイメージが湧くけれども

実はそうではなく

畜産という動物の生命が躍動する現場と

恋愛という人間の生命が躍動する現場は

非常に共通するものが多く

根本は同じなのではないか

そんな思いを抱かせる小説だった。

畜産も恋愛も

考えてみれば

どちらも生々しいのである。

ともあれ

現役の臨床獣医師の方々はもちろん

畜産関係者の皆さん

畜産関係に進む学生諸君などに

是非一読をお勧めしたい

素晴らしい小説である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  











 

辰巳奈優美、句集「氷絃」

辰巳奈優美(たつみなゆみ)さんの、

第3句集、「氷絃(ひょうげん)」、を読了。

IMG_1010奈優美さんは、

昭和34年生まれで、

私とは一つ違いの同世代、

旭川出身で札幌在住。

50歳代の半ばで、

第3句集を上梓するのだから、

その俳句のキャリアと実力は

いまさら言うまでもない。


 今生の頬まだぬくし春の雪


この一句の前書きには

 「四月三日 父美仁(紫明)逝く」

とあった。


 身に入むや抜け殻ほどの骨拾ひ


この一句の前書きには

 「八月二十二日 母セツ子逝く」

とあった。

10年前にお父様、5年前にお母様を見送り

「この辺で一つの区切りとして句集をまとめることを思い立った」

と、あとがきに書いてある。

IMG_1012奈優美さんとは

2年前の北海道俳句協会の懇親会で同席し

それ以来のお付き合いだが

俳句をまとめてじっくりと読ませていただいたのは

今回が初めてだった。

以下

心に残った句を挙げる。


 町なかや日向ひなたに雪解の香

 蝉時雨止むひと声もおくれなく

 いま吊りし風鈴の音を待つ机

 隣人のにはかに親し野分あと

 毀れゆく櫛のごとくに秋の虹

 小鳥来るたかぞらのなほ高きより

 厳寒の直情のごといたるかな

 ものの角そろへて寒に対ひけり

 雪雲をかくも籠めたる地平かな

 大鷲の眼火をいまし切に欲る

 月蝕のやはらやはらに木の芽時

 鳥雲に入る美しき角度もて



まだまだたくさんあるが

きりがないので、この辺で。

IMG_1086北海道の

同世代の俳人

として

辰巳奈優美さんの

これからの活動に強く期待し

私も

それに続いてゆきたいと思った。 



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 


 


新年は俳句の話題から・・・

あけましておめでとうございます。

IMG_0874今年も又、

拙い当ブログを、

懲りずに読んでいただいて、

感謝いたします。

どうぞ好き勝手に読んでいただいて、

忌憚なきコメントを書き込んでいただけると嬉しいです。

さて

獣医師としての豆作は、

去年から引き続いて、

今年も相変わらずの低空飛行だと思いますが、

職場の先輩や後輩に助けてもらいながら、

牛馬の飼主さん達に支えてもらいながら、

ボチボチとやって行ければ有難い、と思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

一方

俳人としての豆作はというと・・・?!

これがどーも・・・だんだんと

俳句という底知れない文芸の魅力に

止めどなくハマってゆく自分を

どうすることもできないような状況になっている。

自ら自覚的に、そのような状況を作り上げ

IMG_0871家族からは呆れられ

巷を徘徊しつつ

日々俳句を詠み

他人の詠んだ俳句や評論を読み

暇さえあれば俳句に没頭する毎日となっている。

現在私が毎月購読している俳句雑誌は4冊。


,通椶

IMG_0871 2日本伝統俳句協会の機関紙「花鳥諷詠」。

伝統俳句協会の会長は現在

稲畑汀子先生であるが

ご存知の通り、大俳人高浜虚子のお孫さんである。

高浜虚子が提唱した俳句の理念「花鳥諷詠」に興味を持ち

それに関わりを持っている俳人には必読の雑誌であると思う。

全くの余談だが

12月29日の十勝毎日新聞の「文化この一年」という記事の中に

IMG_0869ごく小さく一言

文芸では私一人

伝統俳句協会賞佳作入賞、とあった。

写真の記事の中を、探して見て欲しい(笑)

私も伝統派俳人として

十勝の文化の端くれに居ることを確認した。

ともあれ

伝統俳句に興味のある方は

この「花鳥諷詠」誌を、是非一度読んで欲しいと思う。



△通椶

IMG_0871 4地元十勝の俳句結社の月刊誌「柏林」。

地元十勝の俳人集団の雑誌であるが

札幌などの十勝管外の俳人も投句を寄せている雑誌である。

十勝にゆかりのある人で

俳句に興味のある人がいたら

是非この「柏林」を一度読んで見ていただきたいと思う。

実は先日

柏林主宰の中屋吟月先生から電話があり

IMG_0872今年度の柏林奨励賞を私が戴くことになった。

最新号に私の句と一文が載っていた。

俳句結社「柏林」は

私の俳句のホームグラウンドといえる。


つ目は

IMG_0871 3群馬県の高崎市に発行所のある

俳句結社「桑海」。

群馬の高崎というのは

私の敬愛する俳人、村上鬼城の活躍した地で

私は村上鬼城顕彰会の会員でもある。

主宰の清水舞子先生は高崎の人

副主宰の須藤常央先生は前橋出身で、現在静岡市に住んでいる。

静岡は私の故郷でもあり

群馬は私の娘が住んでいることもあり

そんないろいろな縁がある俳句結社なのである。

私は昨年から「桑海」誌に、毎月エッセイを書いている。

タイトルは「牛馬漫録」

正岡子規の「仰臥漫録」にあやかったネーミングなのだが・・・

IMG_0873左の写真は

今月号の、私の一文

興味のある方は是非一度

「桑海」誌を読んで欲しいと思う。


い通椶

俳人ならば誰でも知っている、「ホトトギス」。

IMG_0834明治30年に創刊され

柳原極堂、正岡子規、高浜虚子、高浜年尾、稲畑汀子、稲畑廣太郎、と

主宰が引き継がれて現在に至る、全国規模の老舗の俳句雑誌である。

高浜虚子が引き継いだ初期の頃には、俳句雑誌というよりは

総合文芸誌として、夏目漱石の「吾輩は猫である」などの小説も掲載された。

大正から昭和にかけては、多くの有名俳人が「ホトトギス」に投句していた。

平成になっても、全国の伝統派の俳人が多く投句していて

その中で、北海道在住者だけでも「ホトトギス」へ投句している俳人は

ざっと数えると、現在およそ130人程度である。

IMG_0836今年の最新号の社告には

約3年に1度発表される

ホトトギス同人の推薦の記事があり

北海道からは新しく19名のホトトギス同人が誕生した。

ついでのことだが

私もその中の1人に選ばれていた。

さらについでのことだが

今月号の、稲畑汀子選「天地有情」欄の

IMG_0835巻頭に近い7番目に

私の投句した2句があった。

今まで私の句はずーっと

数えきれないほど後ろの方に載っていたのだが

今回ばかりは、最初のページに掲載された。

こんなことは全く初めてだったので

驚きと嬉しさに加えて

身の引き締まる思いがした。

他誌にはない「ホトトギス」誌ならではの

達成感と緊張感を経験したのだった。

「ホトトギス」誌に興味のある方は

インターネットで見本誌を取り寄せることができるので

是非、読んで見ていただきたいと思う。


以上

私が今現在毎月読んでいる俳句雑誌を挙げてみた。

巷ではもちろん、

これ以外の色々な俳句雑誌が満ち溢れているし

俳句雑誌ばかりではなく

電子媒体の俳句サイトなども満ち溢れている。

そのどれを取っても面白そうなものばかりである。

それでは最後に

私の年頭のご挨拶に替えて、ひとこと・・・


「俳句をやりましょう!」



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

ご覧いただけます。
 
 






 

鈴木牛後さんの角川俳句賞候補作

今年の角川俳句賞の最終選考に残った作品の、

5つの中に、

鈴木牛後さんの「にれかめる」50句が選ばれた。

早速角川の「俳句」を買って読んでみた。

これはもう、さすが!、というべき作品群だった。 

4人の最終選考員の中の

正木ゆう子氏をして

「この人は受賞第1作を詠める人です。」

と言わしめた、牛後さんの実力は

もはや、日本全国の俳人の誰もが認めていると思う。

IMG_0434実は私も、3年前から

角川俳句賞に応募しているのだが

今年も又、予選落ちをしてしまった。

予選落ちした者が、最終選考に残った人の俳句を

ああだこうだ、と評するのは

IMG_0426大変おこがましい行為なのかもしれないが

俳句詠みというのは

良い作品を読んで勉強することが大切だ♪

ということで 

牛後さんの作品50句を鑑賞させてもらった。 


 除雪車が雪押してくる初明り

 白息の絞り滓めく小さく吐く

  よくはたらく我も毒餌を曳く蟻も

 農道の波打ってゐる西日かな

 啄木鳥と吾のあひだを古りゆく木



道北の下川町に入植して酪農を営んでいる牛後さんの

大地にしっかりと根を張った生活が見えてくる。 

私がいつも仕事中に感じることは

酪農家の人たちは

本当によく働く人たちだ

ということである。


 牛の腹しづかに満つる寒夜かな

 血の乳に変はる気配や雪催

 老牛の乳垂れてゐる鼓草

 にれかめる牛に春日のとどまれり

 クローバー十本ちぎり音ひとつ

 かうべ振る牛の歩みに黄落す

 


毎日毎日牛の世話をしつつ、牛の乳を絞り、出荷をする。

それだけですごい才能なのに

そういう自分の生活を

四季の季題を通して

俳句という文芸に一句一句したためてゆく

というもう一つの才能が牛後さんには備わっている。

ただ、上記の牛の句のような場面は

私も酪農家を巡る仕事中によく遭遇し

正直なところ、私でも

このくらいの牛の句は詠めるかな

という感想を抱いた。 

ところが・・・


 雑煮椀牛の乳房を揉みし手に

 満月を眼差し太き牛とゐる

 牛追つて我の残りし秋夕焼

 牛見送る軒より露の滴りぬ


というような句になってくると

往診先で他人様の飼っている牛の俳句を詠んでいる

獣医師の私などには詠むことのできない

酪農家ならではの牛の句である。

こういう句を前にすると

あらためて

牛後さんは、さすがだなぁ!

と思わずにはいられないのである。

さらに・・・


 風邪心地わが外側に誰かゐる

 亡き人の名刺を冬の木と思ふ

 対岸に対岸のある春日かな

 くものすのいつぽん春風が見える

 憲法記念日虫を支ふる草一本

 廃車より高き夏草やがてひらく



なんというか

独特の世界観を

これらの句から感じる。

訥々(とつとつ)とした詩情というか

派手さはなくて芯の強い詩情というか

うまく言えないが

牛後さんにお会いした時に感じるものが

これらの句の中にあるような気がする。

牛後さんならではの俳句の世界が

表れているように思う。

まさに

「鈴木牛後の俳句の世界」

をたっぷりと

鑑賞させていただいた♪

今後のさらなる活躍が期待されるのは

言うまでもないことだ。

角川「俳句」11月号に載っている50句と

選考委員の先生方の座談会を

何度も読み返してみて

そんな感想を抱いた。



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

ご覧いただけます。
 
 



 

帯広『市民文藝』誌・2014年版

今年の帯広『市民文藝』誌が発刊され

IMG_2891それが帯広市図書館から一冊、我家にも届いた。

この文芸誌には以前から興味があったのだが

私は帯広市民ではなく、帯広の東隣の幕別町住まいであり

幕別町には『町民文芸誌まくべつ』という

帯広市民文芸誌に勝るとも劣らない文芸誌があり

町民のよしみで、私は後者の文芸誌に投稿していた。

しかし、今年の夏頃

図書館の『市民文藝』誌の編集委員の方から私に原稿の依頼があった。

帯広『市民文藝』といえば、かつては

中条ふみ子氏や時田則雄氏などの短歌の巨星も作品を発表していた由緒ある文芸誌である。

IMG_2892そんな文芸誌の、第1頁の「扉」というところへ

私の俳句7句が掲載された♪

一般の俳句投句の欄ではなく

このような特別な場所に、自分の俳句を活字にして頂くのは

とても嬉しく、光栄なことである。

さらに加えて

北海道の現代俳句系の大きな俳句結社『氷原帯』の主宰で

帯広在住の、山陰進氏が

『市民文藝』の俳句部門の総説を執筆されているのだが

IMG_2893その総説の中で

私の事も少し取り上げていただいた♪

これまた大変嬉しく、光栄なことである。

お暇な方は、どうぞ読んでいただきたいと思う。

自分の俳句作品や文芸活動の中で

十勝の外へ出て、札幌や本州へ自分の作品を発表したり

そこの句会へ足を運んだりして

いろいろ評価されたりするのは、とても嬉しいことだ。

しかし、今回のように

地元の十勝の俳人や評論家の方々に評価されるというのは

一味違った格別なものがある。

普段から地元の句会やイベントなどで顔見知りの地元の俳人の方々というのは

きっと、私の外面的な表の部分ばかりではなく、内輪の部分も良くご存知であるに違いなく

そんな方々からこういう形で褒めていただけるのは

自分の身近な友人や家族や親戚などから褒めてもらえたような

なんだかとても温かいものに包まれたような

そんな、ほのぼのとした喜びが沸いてくるのだ。

人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画を撮りました

ご覧になりたい方は

写真をクリック願います。



俳句集団【itak】第16回・講演・句会

俳句集団【itak】第16回イベント・講演会に参加してきた。

今年6月の北海道俳句協会の総会の時に

この活動の代表の五十嵐秀彦さんにお会いして

そのとき、今回の講演会の講師を頼まれていたのだ。

以前から私は、facebookなどでこの活動に興味を抱いていたが

初参加でいきなり講師として喋ることになってしまい

少しビビりつつも、たいへん光栄な事でもあるので

約2ヶ月くらい、その準備をしていた。

そして昨日、札幌1泊の楽しく充実した時間を過ごして来る事ができた。

IMG_2760講演の内容は、そのうち

俳句集団【itak】のブログに載ると思うので省略するが

私の話したかった事は

聞きに来ていただいた皆さんに、ほぼ100%伝わってくれたようで

懇親会での話にもそれが伺えて、とても嬉しかった。

講演のあとは直ちに句会となった。

80代の老人から小学生まで、しかも現代・俳人・伝統・の三協会入り乱れて

という俳句集団【itak】ならではの大句会で

どんな句が飛び出すのか、興味津々だった。

私が「天位」に採らせていただいた句は

 ふろあがりみかんまるごとあまいしる

という句で

これがなんと、武田ともやっくす君という小学1年生の作だった。

「甘い汁」という言葉を何のてらいも無く使って

蜜柑のうまさを十分表現できているのではないかと思った。

私が投句した2句のうちでは

 月隠す雲月光にふちどられ   豆作

という句を、籬(まがき)朱子さん(「銀化」)が「地位」に採ってくれた

「端正で美しい」というコメントをいただき、とても嬉しかった♪

もう1つの句は

 霜歯朶に毒入り幾度煮出しもし   豆作

という句で、残念ながら1点も入らなかったが

じつは、この句は回文になっている。

出席していた回文の天才である山田航さんが採ってくれないかな、と

密かに期待していたのだが、それは叶わなかった。

また、もう1人の回文の天才である鈴木牛後さんが

もし、この句会にいたら採ってくれたかもしれない(笑)

句会のあとは、懇親会♪

懇親会には私の同僚である北海道獣医師会文芸部?!(仮称)の

廣田(頑黒)和尚氏と韮沢土竜氏も一緒だった。

私と同じく、彼ら2名も

素晴らしい出会いの場で、おいしい酒が飲めたに違いない。

IMG_2762一次会から『日本酒』・・・

二次会は『ワイン』・・・

そして『荒舩青嶺』さん・・・

この三つのキーワードが揃ってしまうと

私はいつも、その先の

『記憶喪失』という所に到達してしまうのだが

今回は記憶を失くす訳にはいかなかった。

必死に飲みつないで

最後迄、皆さんとの会話を楽しみ

ほぼ全てを、記憶の中に留める事が出来た♪

俳句集団【itak】代表の五十嵐秀彦さんはじめ

スタッフの皆さんには

心から感謝を申し上げたい。

どうもありがとうございました。

 人気ブログランキング






「北海道俳句年鑑・2014年版」

北海道俳句協会という結社や流派を超えた団体が発行している

image「北海道俳句年鑑・2014年版」が、先日届いた。

そこで毎年募集している北海道俳句協会賞というものに

私の応募した連作20句「牛の天地」が

思いのほか評価を受けて

第47回北海道俳句協会賞をいただいた♪

image俳句を始めてかれこれ20数年

いろいろな俳句大会に投句をして

単発の1句で入選したりしたことはあったけれども

このような連作での受賞は初めてのことだった。

その内容は、写真をクリックして見ていただけるが

image選考委員の方の

「牛と牛に関わる自然や暮らしを、温かくじっくりと見つめた二十句の説得力は大きかった。牛に深く関わっていなければできない俳句であり、北海道らしい俳句であるともいえる。」

という評は、大変嬉しく有難いものだった♪

口絵のグラビアに自分の写真が載るのは

imageなんだかちょっと照れくさい・・・

私の顔写真の左隣は

なんと

北海道文化奨励賞を受賞された五十嵐秀彦さんである。

五十嵐さんはいまや、北海道の俳壇を活性化しつつある中心人物で

代表をなさっている俳句集団【itak】の活動は

全国的にも注目を浴びているユニークなものである。

「北海道俳句年鑑・2014年版」の冒頭の

北海道俳壇展望「状況は動き始めている」

という五十嵐さんの文章は

今までの俳句年鑑ではお目にかかったことの無い、目の覚めるような一文だ。

そこには、今年北海道で行われた「東京マッハ」「俳句甲子園」などの俳句イベントを取り上げて

北海道の若い俳人がそこで育ちつつあるにもかかわらず

今の北海道の俳壇(北海道俳句協会)は、そのことに気づきもせず

無関心でいることを鋭く突いて批判している。

この文章が載っているだけでも

今年の「北海道俳句年鑑・2014年版」は価値のある年鑑になったと私は思う。

さらにこの年鑑の前半には、北海道の俳句雑誌・結社の紹介

後半には、会員の俳人が詠んだ俳句5句ずつが網羅され掲載されていて

今の北海道の俳壇とはどのようなものなのか、おおよそ解るようになっている。

そんなわけで

今年の北海道俳句年鑑は

私にとって特別な本になったと思っている。

興味のある方はぜひ、北海道俳句協会に問い合わせるなどして

この俳句年鑑を取り寄せて読んでみていただきたいと思う。


 人気ブログランキング






Profile

豆作(まめさく)

ギャラリー
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 生乳の廃棄は「もったいない」(1)
  • 立て続けの、仔牛の四肢の骨折 (5)
蓄 積
1日1回クリック宜しく!

願援助為自己満足
livedoor 天気
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

感 謝
牛馬語の俳句

  • ライブドアブログ