北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

動物の生と死

「牛に感謝」(5)

「牛に感謝」をする気持ちが、

だんだん乏しくなってゆく、

「ゆゆしい」事態の、

日本の酪農業界の現実を、

説明してきた。

その「ゆゆしい」事態

を招いている原因が、

酪農の大規模化であることを、

説明してきた。

では

そもそも

酪農の大規模化というのは

detail_farming_draw03いったい誰が

やり始めたのだろうか?

乳牛を飼い

その乳を搾ってそれを売るという酪農家の

人口が減ってゆく中で

出荷乳量を維持するためには

1戸あたりの搾乳頭数が増えるのは当然だが

それを「ゆゆしい」ものとは認識せず

むしろ

その大規模化に拍車をかけているのは

大規模化を良しとする考え方である。

酪農の大規模化を良い事と考え

それを我が国の酪農に導入し

推し進めてきた人たちの

模範(モデル)になった酪農は

欧米の酪農

それも特に

アメリカの酪農である。

USFOOD020_435j我が国の酪農業界は

ここ数十年にわたって

アメリカの酪農に大きな影響を受け続け

それを良いものとして見習い

それを必死に勉強して

自国の酪農に取り入れてきた。

アメリカり酪農技術を取り入れる中で

同国の乳牛の獣医技術も

同時に勉強して取り入れてきた。

それによって

我が国の酪農の生産性というものは飛躍的に伸びた。

detail_farming_draw04牛1頭あたりの乳量

酪農家1戸あたりの乳量

共に目を見張るような伸びを見せてきた。

そのこと自体はおそらく良い事であろう。

だが・・・

良い事と思われるものの中には

必ずと言ってよいほど

弊害があることを知らねばならない。

我が国の酪農がお手本としてきた

欧米の酪農

特にアメリカの酪農にも

いろいろな弊害があることを

我々はそろそろ

気づかなければならない時が来た

と私は思っている。

模範として来ただけに

その弊害に気づかず

detail_farming_draw02むしろ

その弊害に目をつむって

アメリカの酪農をひたすら良いものとして

盲目的に取り入れて来た

という側面が

我が国の酪農業界にはある。

ここに「ゆゆしい」事態を招いている

根本的な原因がある

と私は思っている。

根本的な原因というのは

今回ずっと書いて来たテーマである

IMG_3577「牛に感謝」

をするという

気持ちの問題であり

心の問題であり

思想の問題であろう

と私は思っている。

そこをもう少し

掘り下げてみたい。 


(この記事続く)



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「牛に感謝」(4)

前回は、

酪農の大規模化が、

牛の死体に対して鈍感になる行為であり、

牛を大切にしなくなる行為であり、

IMG_3577「牛に感謝」する気持ちを乏しくする、

「ゆゆしき行為」であることを説明した。

「ゆゆしい」というのは、

「そのまま放っておくと、取り返しのつかないことになる」、

という意味である。

酪農の大規模化の「ゆゆしさ」の、

裏付けになっている事は、

まだ他にもある。

例えばまた

飼養頭数50頭のA牧場と

飼養頭数500頭のB牧場があるとする。

いま

A牧場で伝染病が1頭発生したとすると

それが接触感染してゆく恐れのある頭数は50頭である。

B牧場で伝染病が1頭発生したとすると

それが接触感染してゆく恐れのある頭数は500頭である。

もう少し具体的にいうと

例えば 

A牧場で口蹄疫が1頭見つかったとすると

殺処分する頭数は50頭であるが

B牧場で口蹄疫が1頭見つかったとすると

殺処分する頭数は500頭である。

023どちらがダメージが大きいかは

一目瞭然であろう。

(写真は動衛研HPより)

A牧場の50頭の殺処分と

B牧場の500頭の殺処分では

人員の派遣規模も

補償金額も

10倍になる。

口蹄疫は相変わらずアジアの隣国で発生しているので

いつこのような事態になるかわからない。

また、口蹄疫ではなくて

ヨーネ病の場合は

すでにもう現実に

日本のあちらこちらの酪農家で発生している。

我が町も例外ではない。

具体的な農場名はもちろん言えないが

A牧場のような50頭規模の酪農家では

定期的に

1日で50頭のヨーネ病検査のための採血と採便を続けているし

B牧場のような500頭規模の酪農家でも

定期的に

1日で500頭のヨーネ病検査のための採血と採便を続けている。

A牧場のヨーネ検査は数時間で済むが

B牧場のヨーネ検査は丸1日かかる。

検査に訪れる関係機関の労力には

10倍の開きがあり

牧場のスタッフの協力も労力も

00510倍の差があり

その疲労度は10倍になる。

(写真は動衛研HPより)

大規模酪農家の伝染病対策は

小規模酪農家の伝染病対策よりも

効率が悪くなる。

大規模酪農家の生産性が高いのは

その農場が健全に機能している時だけであり

いったん伝染病などの機能の麻痺が起こると

そのダメージは

逆に

非常に大きくなることを

理解していなければならない。

小規模酪農家よりも

大規模酪農家の方が

伝染病に弱いのである。

酪農の大規模化は

まことに

「ゆゆしき行為」

である。


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「牛に感謝」(3)

加入しているNOSAI保険の、

牛の死亡率が、

毎年毎年、

常に高いような酪農家は、

「牛に感謝」する気持ちが乏しい、

ということを前回の記事に書いた。

ここではさらに

そんな死亡率の高い酪農家の中でも

IMG_3577とりわけ

「牛に感謝」する気持ちが乏しい

と思われる酪農家に

焦点をしぼり込んでみたいと思う。

例えば今

牛の死亡率が4%の酪農家A牧場と

同じ死亡率が4%の酪農家B牧場があるとする。

A牧場の飼養頭数は50頭

B牧場の飼養頭数はその10倍の500頭であるとする。

そうすると

A牧場では1年間に2頭の牛が死に

B牧場では1年間に20頭の牛が死ぬことになる。

A牧場は約半年に1頭のペースで

牛の死体の処理をする。

B牧場は約3週間に1頭のペースで

牛の死体の処理をしなければならない。

半年に1度死体を処理する牧場主と

3週間に1度死体を処理する牧場主と

どちらが

牛の死体を処理する事に慣れているかは

一目瞭然である。

A牧場とB牧場を比べて

BlogPaintどちらが

牛の死体に対して

鈍感になっているかは

誰でもわかるはずだ。

牧場全体が

牛の死体に対して鈍感になりやすいのは

A牧場よりもB牧場のほうである。

規模の大きい牧場が

牛の死に対して鈍感になっていることは

私は日頃いやというほど感じている。

牛の死に鈍感になるということは

牛の命を大切にしない傾向になっているのであり

牛を大切にしなくなっているのである。

規模の小さい酪農家よりも

規模の大きい酪農家のほうが

IMG_2340「牛に感謝」する気持ちが

より乏しくなっているというのは

私は日頃いやというほど感じている。

半年に1頭牛が死んでゆくA牧場と

毎月1頭〜2頭の牛が死んでゆくB牧場と

NOSAI保険の死亡率が同じであっても

牧場主がと牧場のスタッフが

牛の死に直面する

その回数は

10倍の開きがある。

「牛に感謝」

をする気持ちの差も

10倍とはいわぬまでも

A(中小規模)牧場とB(大規模)牧場では

かなりの気持ちの差が有ることは

容易に想像できるだろう。

いま

依然として酪農業界は

牧場の規模拡大を推し進めている。

だが

酪農の規模拡大は

牛の死体に対して鈍感になる行為であり

牛の命を軽んじる行為であり

牛を大切に飼えなくなる行為であり

牛を不健康にする行為であり

「牛に感謝」

をする気持ちを減らしてゆく行為である

DD208694-BB64-4D20-B12C-96C24DD548BA酪農の規模拡大は

「ゆゆしき行為」

と言わざるを得ない。


(写真の記事は、5月18日北海道新聞朝刊)

酪農規模の拡大には

莫大な資金が必要であり

後戻りのできない行為でもある。

これから

自分の農場の規模拡大を

真面目に考えている

酪農家の方たちは

この事実を

もう1度

よく考えていただきたいと思う。

本当に

「牛に感謝」

の気持ちのある酪農家ならば

本当に

牛を大切にする酪農家であれば

規模の拡大とは違う道を

考えるのではないか

と私は思うのだ。

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「牛に感謝」(2)

前回の記事で、

人類は「牛に感謝」をすべきである、

ということを書かせてもらった。 

人類・・・などというと、

あまりにも漠然としているので、

これから少し対象をしぼって、

IMG_3577我々畜産関係者、

その中でも酪農に関わるの人達にしぼって、

「牛に感謝」

をすることについて 、

もう少し書かせて頂こうと思う。

 本来は子牛が飲むべき母牛の乳を

子牛に直接に飲ませることなく

その乳を売って生計を立てている酪農家と

その酪農家に出入りして仕事をしている我々獣医師

あるいは酪農関係の業者や団体の人々は

「牛に感謝」

をするべきである。

牛がいなければ仕事のない人たちである。

しかし、それらの人々の外見を見ただけでは

本当にこの人たちが

「牛に感謝」

の気持ちを持って働いているかどうかは

よくわからない。

口では感謝の意を表していても

行動が伴っていない人というのは居るものである。

それを何で判断すれば良いか。

「牛に感謝」をしているのであれば

「牛を大切にする」のは当然であり

出来るだけ「牛を健康に」飼うはずである。

その酪農家の牛が

健康であるかどうかの目安の一つとして

私は、NOSAI保険の死亡率をあげたい。

多くの酪農家はNOSAIの保険に加入している。

IMG_3644加入している酪農家と

そこに出入りしている人たちが

どれだけ「牛に感謝」をしているかの目安として

その農場の牛がどれだけ健康でいるかを示す

NOSAI保険の事故率、病傷率、死亡率、廃用率

は、良い指標になると思う。

中でも特に、死亡率が高ければ高いほど

その農場の牛たちは不健康と言うことができる。

IMG_3645保険という性格上

止むを得ない災害や

いろいろな事情によって

一時的に

NOSAI保険の死亡率が高くなることはあるだろう。

しかし、長期的に

何年間もNOSAI保険の死亡率を見てゆくと

毎年コンスタントに死亡率の高いままの酪農家が

一定の数だけ、必ず存在する。

毎年毎年、慢性的に死亡率が高く

保険金の支払いが

毎年必ず限度を超えてしまうような酪農家。

そんな酪農家に飼われている牛たちは

ほぼ間違いなく不健康であり

その牛たちは「大切にされていない」と判断できる。

牛を大切に飼っていないから

死亡率が高いのであり

その酪農家は

「牛に感謝」

をする気持ちが乏しい

と言うことができるだろう。


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「牛に感謝」(1)

我々人類は、

家畜たちに感謝をすべきである。

家畜と一言で言ってしまうと範囲が広いが、

その家畜の中でも牛は、

代表的な家畜である。

先日たまたま

職場の雑誌棚を整理していたら

明治グループが発行している機関誌があり

IMG_3578 そこに

「牛に感謝」

という言葉を見つけて

これは良い言葉だなと思った。

「牛に感謝」

をすべきことは沢山あるが

そのなかでも酪農に関しては

我々人類の多くが

その乳を飲んでいるわけである。

本来は牛の母親が

我が子に与えるための乳である。

そのような母乳の99パーセント以上を

我々人類は

牛から分けて頂いているのである。

分けて頂いている乳のはずなのに

本来それを飲むべきの子牛のほうは

母親の母乳を直接に飲むことができず

加工した粉末ミルクを

人の手から飲まされている。

我々人類は

子牛たちが飲むべき乳までも

子牛に飲まさずに

牛の母親が出す生乳の99パーセント以上を

まるで横取りするように

自分たちだけで飲んでいるのである。

その行為は

良い事なのだろうか?

その行為について

あえて善悪を問えば

現代酪農というのは

あまり良い行為をしていないように思える。

子牛が飲むべき乳までも

横取りするような

現代酪農について

我々は反省すべきではないだろうか。

IMG_3577反省した先には

「牛に申し訳ない」

という気持ちが湧いてくるはずだ。

その気持ちが

「牛に感謝」

という言葉となって

現れるのは

当然のことだろう。


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「不自由」な過密「フリー」牛舎

酪農業界で導入されてきた、

牛の飼養形態の中で、

ここ30年くらいで、

急激に増えてきたのは、

フリーストール、

あるいはフリーバーン、

という乳牛たちの飼養形態である。 

乳牛の首を繋いで飼うことがないので

「フリー」という言葉が使われて居る飼い方である。

BlogPaintしかし

私に言わせれば

この飼養形態の「フリー」ほど

不自由な飼養形態はないのではないかと思う。

一見矛盾するような言い方だが

これが私の実感である。

フリーストールやフリーバーンというのは

じつは本当のフリーではなく

BlogPaint一定の面積だけに囲われて

その中に閉じ込められた

牛たちにとっては実に不自由な場所なのである。

閉じ込められた牛たちは

一生涯その囲いの中で過ごす。

「フリー」すなわち「自由」と呼ばれて居る牛群の

その実情は

強い牛たちだけが自由な天下であり

弱い牛たちの居場所がない

IMG_2338不平等な社会

すなわち

「格差社会」でもある。

フリーストールやフリーバーンは

本来そのような事態にならないために

一定の面積に入れる頭数を制限している。

例えばフリーストールであれば

「ストールの数よりも10%少ない頭数を入れる。」

フリーバーンであれば

「親牛1頭あたり2.4平方メートルを確保する。」

ところが

この2つの制限は

私が過去から現在に渡って往診してきた

どこのフリーストールやフリーバーンでも

まず

ほとんど守られてはいない。

どこへ往診に行っても

牛が「過密状態」で飼われている。

その結果

「フリー」と言われる飼い方が

「不自由」な飼い方に変わってしまう。

そして牛たちの「格差社会」はとどまることを知らず

限度を超えると

弱い牛から次々と体調を崩し

弱い牛から次々と病気になり

我々が治療を施しても焼け石に水で

結局は廃用にするか死亡するかで

牛群全体の頭数が調節されてゆく。

弱い牛たちの多くはまだ若く

短命に終わる。

IMG_2339牛にとってはまことに過酷な社会である。

過密の牛舎の床は

当然のように

糞尿も過密に垂れ流されることになる。

本来ならば過密に排泄される糞尿も

回数を多くして掃除しなければならないが

ほとんどの牛舎でそのような衛生意識がない。

その結果

牛が汚れて不衛生になるのも

過密なフリー牛舎の特徴である。

IMG_2340さらに

そこへ追い打ちをかけるように

今は

冬の厳しい寒さが襲いかかる。

不衛生と寒さによって

牛はますます病状が悪化し

次々と死んでゆく。


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動物の交通事故死

一昨日の往診の途中、

路上にエゾリスが横たわっていた。

CEED1FE3-B6BB-407D-B6D3-922A5899C282道路を横断中に、

車にはねられて死んでしまったらしい。

エゾリスの交通事故死を見るのは、

これで何度目だろう。

エゾリスに限らず、

90F664EA-7259-47A1-9C61-E58081B75939道路を横断中に、

車にはねられて死亡した動物を、

見つけることは少なくない。

最も多い動物は

私の記憶では

猫である。

その次に記憶が多いのは

狐だろうか。

その次に多いのが

エゾリスかもしれない。

狸も何度か見たことがある。

ハトやカラスなどの

鳥が死んでいることを見ることもあるが

車にはねられたのかどうかは定かではない。

不思議と犬は見たことがない。

放し飼いの犬は少ないせいなのか

犬が車にはねられて死んでいるのを見たことはない。

聞くところによれば

鹿や熊なども車にはねられて死亡することがあるようだが

私には目撃の経験はない。

馬や牛も車にはねられて死亡することがあるようだが

IMG_2150私には目撃の経験はない。

馬や牛は野生動物と違うので

はねた自動車の責任よりも

はねられた牛馬の管理責任を

飼主が負わされる

と聞いたことがある。

ともあれ

動物の交通事故死は

悲しい出来事である。

交通事故で死んでしまうのは

人間ばかりではないのは

いうまでもないが

その実態は

よくわかっていないようだ。

専門的に調査している人は

いるのだろうか?

統計はあるのだろうか?

知っている方がいたら

教えていただきたいと思う。

703D082D-98C9-4F4F-9B5D-70A948C09ACBちなみに

道路上で

動物の死体を発見したら

勝手に処理をするのではなく

役場に電話をして

処理をしてもらうべきで

私も猫や狐が斃れている時は

役場に通報するようにしている。

野鳥の場合も

勝手に処理をするのは危険である。

大きな動物の時は

なおさらであろう。

しかし今回のエゾリスは

いろいろ考えたが

結局

役場には電話せずに

路肩によけておくだけにした。

それで良かったのかどうか

未だに少し心残りがあるのだが・・・

(合掌)


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重種繁殖牝馬の回腸捻転(3)

この馬の、

その後の対処を当直の獣医師に任せて、

私はその日の用事と、

翌日の用事をこなしたが、

その間中ずっとこの馬のことが頭に浮んできては、

ため息が出てくるのだった。

そして、月曜日の朝、

事務所に出勤して、

同僚のH獣医師と挨拶を交わしたとき

H獣医師が言った。

「◆さんの馬、昨日死んだそうです。」

「・・・そう・・・やっぱり、ダメだったか・・・。」

「腸捻転だったそうですね。」

「・・・そう・・・やっぱり・・・。」

「だいぶ、ひどかったんですか?」

「・・・うーん。フル二キシン打つと(症状が)よくなったんだけど・・・。」

そして

事務所には、馬のその後を託したK獣医師がいた。

「あの日の午後に、◆さんからすぐ電話が来ましてね・・・もう、立てなくなってて・・・」

以下

カルテから抜粋して経過を記載すると

同日午後

体温36.2℃ 心拍数84   呼吸数36

起立不能、意識朦朧、苦悶、眼結膜充血、心悸亢進不正、排便少。

リンゲル等補液、フルニキシン、投与。

K獣医師も

この馬はもう今夜、死んでしまうだろうと思ったそうだ。

そして、翌日の朝

体温38.2℃ 心拍数86 

自力起立し飲水する。

疝痛症状、心悸亢進、腸蠕動(+)、排便不明、加療後放牧地へ。

K獣医師は、この時点で

この馬はもしかすると、持ち直すかもしれないと思ったそうだ。

そして、その日の昼頃

再診にて上診する。

しかし、その時は放牧地の奥で横臥

死亡を確認した。

と、いうことで

万事休すとなった。

残念な結果になってしまったが

現在の我々の技術と

◆さんの抱えている家の事情と

を、考慮すれば

恥ずかしながら

これが精一杯の対処だったのではないか

と、これは自己弁護なのかもしれないが

そう思われた。

書いて居ながら

なかなか筆が進まない。

しかし、これも私の遭遇した一つの症例であり

症例は「一期一会」

それを書き留めて将来の糧にしようという

このブログの趣旨を

貫いておきたいと思う。

BlogPaintちなみに

初診と2診目の、この馬の

血液検査の結果の写真を添付しておこうと思う。

初診と2診目の、間の時間は

BlogPaintおよそ5時間。

その間に

目立った変化が見られたと思われるのは

WBC  9980  /μL   → 12240 /μL

Ht         37.0 %  → 38.7%

BUN    16.7 mg/dl → 20.3 mg/dl

CL       94 mEg/L    → 92  mEg/L

など、だろうか。

BlogPaint最後に

十勝化成場での解剖所見を添付しておく。

解剖に当たった先生のコメントは

「回腸にに捻転あり、一部に出血・壊死あり(写真3枚)」

 馬(回腸捻転)  馬(回腸捻転)  馬(回腸捻転)

ということだった。


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重種繁殖牝馬の回腸捻転(2)

1度事務所に戻って往診の受付をして、

その日の午前中の、

牛の往診をひと回りした後 、

再び◆さんの馬の様子を見に行った。

疝痛で、寝たままで、

きっと苦しんでいるのだろう・・・、

もうそのままあの世へ行ってしまったかもしれない・・・、

そんな暗い気持ちを抱いて、

馬の寝ていた場所をのぞいてみると、

そこには馬がいなかった。

「あれ?・・・立ってどこかへ行ったな・・・牧場のほうだべか・・・」

家から出てきた◆さんが言った。

◆さんと私は、放牧場の奥の方へ馬を探しに行った。

馬は、放牧場の最も奥の森との境界線に立っていた。

前足で土を掻く仕草などをして

やはりどこか腹の調子が悪そうだったが

足取りはしつかりとしていた。

牧場から連れ戻して

枠場に入れて診察した。

体温37.8 心拍数50 呼吸数約16

腸の蠕動は左側で短く聴こえるのみだった。

直腸検査では、宿便わずかで

直腸内はほぼ空虚だった。

「どうだい先生・・・。」

「・・・。」

馬の症状は改善したとは言い難かった。

しかし

今朝のような、横臥して苦悶している症状よりは

だいぶマシになったので

これはもしかすると

通過障害が改善する可能性があるのではないか

(腸捻転ではないかもしれない・・・)

という考えも

僅かばかり

脳裏に浮かんだのだった。

IMG_1699この馬に付いている仔馬は

立っている母の乳房をしきりに突いて

あまり泌乳しない乳首を何度も吸っていた。

いま・・・

パソコンに向かって

この記事を書いている私が思うには

この時点で

一か八かの開腹手術による外科的整復を

どこかの施設で実施することができたならば

この馬の命を救うことができたのかもしれない

と思うのである。

だが・・・

実際には

我々十勝NOSAI「東部」事業所の獣医師が

重種の繁殖牝馬の腸捻転を

開腹手術によって治癒させた症例は未だになかった。

また・・・

十勝NOSAI「北部」のA町では数例の治癒例があったと聞いていたが

今年は、たまたまタイミングが悪く

麻酔機器の更新準備をしているらしく

また、麻酔のできるスタッフの転勤や退職などもあり

対応が難しい状態であるとも聞いていた。

また・・・

飼主の◆さん側にも

色々な気の毒な、家庭内の事情があり

治癒の確率の低い開腹手術に踏み切るには

高いハードルがいくつも立ちはだかっている

という状況だった。

「・・・先生・・・注射と薬で、できること、やってくれや。」

「・・・うん・・・」

IMG_1701私は

押し寄せてくる無力感を振り払いながら

この馬に補液をはじめた。

そして

迷った挙句

流動パラフィンと整腸剤の経鼻投薬をした。

「・・・便が通じてくれるといいんだけれど・・・」

補液と経鼻投薬の治療を終えて

私は祈るような気持ちで

◆さんの家を後にした。

週末のこの日の

午後から、私は

どうしても抜けられない用事があり

この馬の

これから先のことは

同僚のK獣医師に託して

事務所でカルテを書き終えて

ずっと祈るような気持ちのまま

帰宅した。

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重種繁殖牝馬の回腸捻転(1)

先日の当直、

午後10時半過ぎに携帯電話が鳴った。

「親馬が腹イタなのですぐ来てくれ。」

という◆さんからの往診依頼だった。

到着すると、

馬はなるほどかなり痛がっていた。

唇に力が入らぬつらそうな表情で、

前屈みになったかと思ったら、

バッタリと倒れこんで、

仰向けになって中空を蹴り上げる、

IMG_1689疝痛である。

「とりあえず痛み止めの注射をしましょう。」

私は馬がごろりと寝転んでいる合い間に馬に近づき

採血と同時にフルニキシンの注射を打った。

数分すると

疝痛症状が治まってきた。

IMG_1692馬がおもむろに立ち上がると

傍にいたこの仔馬がすかさず

母馬の乳を探りに来て

乳房を鼻で突いて乳をせがんだ。

体温37.5℃ 心拍数60 呼吸数約20

聴診器を(けん)部に当てると、

弱く短い腸の蠕動音が聴こえた。

疝痛がほぼ消失したので

この馬を枠場に入れて直腸検査をし

直腸内部には馬糞の形にならない柔らかな宿便を認めた。

IMG_1695その量は約5〜6kgだった。

さらに直腸から内臓の触診をするが

手の届く範囲では

これといった異常な所見は触知できなかった。

馬の症状が落ち着いてきたので

◆さんと私はひと安心して

念のためにこの馬にリンゲルの補液と

整腸剤(ミヤリ菌製剤)をカテーテルで投与して

今夜はこれで

様子を診ることにして

私は帰路に付いた。

事務所の当直室に戻ったのは

午前1時を過ぎたところだった。

翌朝

午前5時半頃に携帯電話が鳴った。

「馬がまた痛がってるからすぐ来てくれ。」

という◆さんがらの電話だった。

到着しすると

IMG_1696馬は牧場の片隅の泥のある土の上で

首を横たえたかと思うと

また首を上げて

疝痛症状を示していた。

「やっぱり痛いんだな。糞はいちおう今朝一回出たけど。」

◆さんの示した馬の便は

正常な馬の便の量には程遠い

少量の宿便だった。

「馬をちよっと立たせてみてくれる?」

◆さんはこの馬に何度も気合を入れては

立たせようと試みたが

馬は立つ気はあるものの

立ち上がることが出来なかった。

「・・・。」

私はここで初めて

この馬は間違いなく通過障害を起こしている、と思い

暗澹たる気持ちになった。

(腸捻転かもしれない・・・)

いやな時間が流れ始めた。

IMG_1697傍にいる仔馬は

立てない母親の腹部へ鼻をこすりつけて

乳を探しては、前掻きを繰り返した。

疝痛で馬が立てないというのは

もうよっぽどのことであり

馬はもちろん、飼主さんも

大変な心身の苦しみと

経済的損失を被る事になる。

この時点で

体温37.5℃ 心拍数60 呼吸約20(伸吟)

いやな時間の中で

私はこの馬の再びの採血と

フルニキシンと補液と抗生物質を投与し

◆さんには

また昼前に来ると約束して

一度事務所へ戻ることにした。


(この記事続く)


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「牛のニコイチ捻転去勢法」

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 見ることが出来ます。














原発事故と家畜

東日本大震災の発生した年から数えて、

今年は6度目の3月11日を迎えた。

今年もまた様々な、

震災関係の催しが、

各地で開かれている。

そして、

震災直後に発生した、

福島第一原発の爆発事故は、

色々な問題を抱えたまま、

現在に至っている。 

先日、

私のブログにコメントを寄せてくれたこともある、

メイさんという、 

福島県南相馬市にお住いの方から、

IMG_1165一冊の本をいただいた。

タイトルは「被災牛と歩んだ700日」。

内容は

第一原発の爆発事故により

避難を余儀なくされた畜産農家の手記と

畜産関係者の方々の手記である。

酪農家や養豚家の方々が

自宅から避難するということは

飼っているいる家畜たちの世話ができなくなるということである。

畜産農家が飼っている家畜の世話を放棄しなければならないということが

IMG_1171一体どういうことなのかを

この本は教えてくれる。

それはもう、涙無しでは読むことのできない

とても悲しく衝撃的なことなのだが

畜産農家さんと関係機関の方々の

一人一人の手記を読んでいると

そこには一筋縄ではゆかない

色々な考え方や立場の違いも見えてくる。

悲しさや哀れさなどの感情的なことは

言うまでもないことなので

IMG_1170あえてそれは書かず

それ以外の事実で

私がここに書いておくべきだと思ったことを書く。

その一つ目は

牛や豚を置き去りにして避難するとき

飼い主さんたちの多くが

本当は囲いから

あるいは繋がれた状態から 

解放させてやりたかったのに

それをせずに避難したことである。

なぜ放さなかったのか

それは、もしそれをすれば

放たれた「放れ牛」や「放れ豚」によって

周囲に迷惑がかかるから、と

飼い主さんたちは考えたのである。

そうして結局、牛や豚の多くが餓死をしていった。

二つ目は

そうして置き去りにされた牛や豚たちの一部が

何者かによって放されたという事実。

動物保護団体などの外部の人々の手で

飼い主に断りもなく勝手に放された。

三つ目は

そうやって放たれた牛や豚を見て

畜産農家の人たちは

複雑な気持ちの中で

少しホッとした気持ちにもなったと言うこと。

四つ目は

しかし、そうして放たれた牛や豚たちは

やはり、予想通り町中を徘徊し

民家を荒らしまわるようになり

結局、「放れ牛」や「放れ豚」も

行政の指示で、全て捕獲され

殺処分をされることになったこと。

五つ目は

捕獲された牛のうちの一部は

研究機関の牧場に預けられ

獣医学の研究に提供されることになったが

その研究も資金面で継続困難になっているということ。

そのような事実が

この本には書かれている。

畜産農家が

そして畜産関係者と地域社会が

原発事故から受ける被害というものは

いかに恐ろしく

複雑な問題を抱えながら

当事者の飼主さん達と

それを取り巻く人々の

様々な考え方の渦巻く中で

結局は

救いようのない

悲惨な結果に終わることを

この本は伝えている。

表紙を1ページめくると

被災した畜産農家の方が詠んだ短歌が一首記されている。

IMG_1166 原発の
 二十キロ圏内
 避難する
 乳牛総べて
 置き去りにして

        渡部愛子


さらに1ページめくると

 一枚の写真が載っている。

IMG_1167繋がれて

置き去りにされ

餓死した牛が

空腹のために

かじっていた

牛舎の柱の写真である。


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2つの新聞記事(6)

乳牛の不健康。

乳牛の不足。

乳牛の輸入。

今、

酪農界は 

かつてないような異変が起きているように思う。

30年以上、酪農家に往診に回っている私はそう思う。

かつて、牛乳が生産過剰で、

生産調整をしたことは何回もあった。

たった5〜6年前にも、生産調整をしていたくらいだった。

それがどうだろう。 

酪農家の大規模化で

足腰を強くしたはずの酪農の

生乳生産力が

ガタ落ちしている。

乳牛は不健康になり

乳牛の寿命は短縮し

乳牛は不足し

乳牛の価格が高騰し

挙げ句の果てに

外国から乳牛を買ってくる始末。

この異変を

解決するためには

科学技術だけでは、もはやどうしようもない

獣医療だけでは、もはやどうしようもない 

農政担当の官僚の資質も、どうしようもない

そんな

出口の見えない状況になっているようだ。 

この異変を

牛乳を飲んでいる消費者の方々は

知っているのだろうか?

私は

この異変を

牛乳を飲んでいる消費者に

もっと知ってもらわねばならないと思っている。

消費者に知ってもらうためには

どうすれば良いか。

IMG_1063一番早いのは

値上げ、だろう。

それも

特殊なブランド牛乳の値上げではなく

誰もが普通に飲んでいる

IMG_1062最も売れている

「普通の牛乳」を

値上げしなければ意味がない。 

いちばん「普通の牛乳」の値段を

IMG_1053消費者が

「なぜ?」

と思うくらいまで

引き上げるのだ。

いつも飲んでいる牛乳が不足しているのだから

値上げは当然のはずだ。

そうすれば

マスコミも

IMG_1078異変を感じ

酪農界のことを

色々詳しく取材して

報道し始めるだろう。

先日の

2月11日(土)

近所のスーパーの乳製品コーナーでは

「普通の牛乳」が

1リットル175円で

相も変わらず

IMG_1060安売りされていた。

売り札には

「11日限り」

と書いてあった。

翌日の

2月12日 (日)

同じスーパーの乳製品コーナーで、また

同じ「普通の牛乳」が

1リットル175円で

またまた

安売りされていた。

IMG_1068売り札には

「12日限り」

と書いてあった。

あれ・・・?

2日続けて

1日限定(笑)

小売のスーパーさん

こんなことしてる場合じゃあないと思うんですけど・・・


(この記事、とりあえず、終わり)


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2つの新聞記事(5)

乳牛が足りなくなってしまったので、

乳牛をオーストラリアから輸入する。

そんな政策を進めている農水省の官僚の人たちとは、

いったい、どんな人たちなのだろう?、

そんな疑問を抱いていた矢先、

タイミングよくこんな時評が、

2月9日の十勝毎日新聞に掲載された。

IMG_1054筆者はおなじみの

元通産省官僚の古賀茂明氏。

古賀氏によると

官僚は3つのタイプに分けられるという。


第1は「消防士型」

第2は「中央エリート官僚型」

第3は「凡人型」


なのだそうだ。

そして

それぞれのタイプについて


ヾ盈修砲覆辰親圧

求める報酬

9駝院∋毀韻らの要請に対する態度

じ什澆梁垓に対する思い


という4つの項目についての違いで

3者を整理している。


「消防士型」は

〇毀韻鮗蕕襪海箸納匆颪帽弩イ靴燭ぁ

特別な報酬はいらない。強いて言えば、自分の仕事に対して「ありがとう」と感謝の気持ちを表してもらえればうれしい。

市民のニーズに何とか応えたい。今の仕組みで対応できなければ、予算、法律、条令などを変えてでも実現したい。

ずの待遇に満足、それ以上は望まない。

というタイプだそうだ。


「中央エリート官僚型」は

ー分が1番であることを証明したいので、1番難しいと言われる財務省に入った。

△舛笋曚笋気譴燭ぁ⊆分が偉いんだということを確認するためには、給料が高いということよりも、一般の人よりも大きな権限を持ち、みんなに頭を下げられるような地位にいることが大事。

市民はくだらないことを要求してくるので迷惑だ、しつこい奴らは「たかり」だ、1番優秀な俺たちが考えてやっていることに文句をつけやがって、うるさい連中だ。

て本一優秀な自分たちが夜中まで働いているのに、今の待遇は全く不十分だ、退職後においしい生活が待っているから何とか釣り合っている、天下り禁止なんて、全くおかしなことだ。

と考える、最もたちが悪いタイプで

これは財務官僚に多いそうだ。


「凡人型」は

\験彊堕蠅靴神験茲鯑世襪燭瓩砲聾務員が1番だ。

△修海修海竜詢舛搬狄Ω紊琉堕蠅靴神験菠歉磴ほしい。

F颪靴い海箸砲麓蠅鮟个靴燭ない、失敗したらバツがつくので、とにかく余計なことには関わらない。

い發少し給料を上げてほしい、天下りは生命線、何のために官僚になったのかわからなくなるじゃないか。

と考えるタイプだそうだ。


IMG_1054古賀氏は

この3つのタイプが

大体3分の1ずつ居る、という。

しかし、幹部クラスになると

「消防士型」の官僚はほとんどいなくなる、という。

ということは

「中央エリート官僚型」の多くが、財務官僚であることと

考え合わせると

農水官僚は

「消防士型」と「凡人型」がほとんどであるだろう。

さらに

農水省でも

幹部クラスには

「消防士型」がほとんどいなくなる

のであるから

農水省幹部の官僚は

ほとんどが「凡人型」の官僚

ということになる。

きっと

そういう「凡人型」の官僚たちが

今回の

乳牛のオーストラリアからの輸入

という政策を進めているのだ

と、思われる。

どおりで・・・

何も考えていない・・・

愚かな、政策・・・


(この記事、あと少しつづく・・・)


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2つの新聞記事(4)

声を荒げない 蹴飛ばさない 叩かない
フォークやスコップ等を持たない
観察が大事
人も牛も 同じ 生きもの
飼い主がしたくない されたくない事は
牛もされたくない
牛が喜ぶことは人も嬉しい それだけ
声かけが何よりも大事
生まれた瞬間から 声かけ」

これは、前々回の記事で、

うしらぶさんという酪農家の方から寄せられたコメントで、

あるベテランの70歳を過ぎた酪農家の言葉である。

この言葉はさらに続いて、

アニマルウェルフェア(家畜福祉、動物福祉)
動物の中には人間も入るんだもんね?
で、俺はね
酪農家のウェルフェア
やらなきゃいけないと思うよ。
やはり、酪農家が健全でなきゃ
健全な牛なんて
飼えるわけないのさ、うん。
この酪農家の健全性については
誰も問わないもんね。
規模拡大して、牛乳を沢山搾れって
税金使ったり、地域あげてやってるけど
やはり
酪農家の健全性を
どう皆で作り上げていくか?
で、どんなに頑張ったってね
人間が健全でなかったら
動物(牛)健全でなくなる。
じゃあ
酪農家の健全を
どうしたらいいか?」


前半の部分は

それぞれの農場で

いろいろな事情があるから

そっくりそのまま真似をすれば良いというものではないけれど

基本的な事として

「声かけが何よりも大事」

というのは

我々人間同士の付き合いもそうであり

核心をついていると思う。

さらに後半の部分で

「酪農家が健全でなきゃ、健全な牛なんて飼えるわけないのさ」

という言葉は

今とても必要なことを見抜いていると思った。

このベテランの酪農家さんの言葉をもって

乳牛のアニマルウェルフェア(動物福祉)についての話は

そろそろ終わりにしたいと思う。

ところが・・・

また、ところが、だ・・・

そんな矢先に

またまた新聞に

聞き逃すことのできない記事が出ていた。

乳用牛を生きたまま輸入するのに

補助金が出る

という話である。

輸入の相手国はオーストラリアだそうだ。

どういうことかというと

IMG_1008我が国の乳用牛の数が減り

乳用牛の値段が高くなってしまったから

外国から安い乳用牛を

輸入して

それを賄うというのだ。

こういう事をしたら

国内の

乳用牛を生産し

販売している酪農家の

個体販売の利益が

オーストラリアの酪農家に奪われてしまうことになる。

さらに

オーストラリアの牛の価格に引っ張られて

我が国の牛の市場価格が大幅に下がることが予想される。

いま

国内で乳用牛の個体販売で利益を得ているのは

多くが中小規模の

地道に子牛から乳牛を育てている酪農家である。

これに対して

子牛を育てることを放棄して

乳用牛を他所から買って

ただ搾っているだけの農場は

多くが大規模な酪農場である。

この新聞記事の内容は

売り手である中小規模の個体販売農家を苦しめ

買い手である大規模の搾乳しかしない農場を助ける

という政策のように見える。

外国で生まれ育った値段の安い乳用牛が

まるで奴隷のように

日本の大規模酪農場へ

次々と導入される。

日本の中小酪農家の

乳用牛の生産意欲はどんどん低下する。

その先には

日本の酪農全体が

乳用牛を外国から買わなくては生きてゆけない

巨大なギガファーム化してゆく

そんな姿も見えてくる。

こんなことを続けていれば

我が国の

「健全な酪農家」

どんどん減ってゆくだろう。

そして

我が国の

「健康な牛」

ますます減ってゆくだろう。


(この記事、もうちょっと続く・・・)


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2つの新聞記事(3)

「動物福祉」にしろ「アニマルウェルフェア」にしろ、

それを実践することは、

特別なことでもなんでもない、

と私は思うのである。

苦しそうな牛を見て「・・・かわいそうだ。」と思い、

その苦しみを解いてやろうとする心。

飢えている牛を見て「・・・そうかそうか。」と思い、

その飢えを満たしてあげようとする心。

そういう心がなければ、

「牛を愛する心」がなければ、

乳牛など飼育できるものではない、

と私は思うのである。 

自分は酪農ビジネスとして牛を飼育しているのだから、

そいうい心は必要がなく邪魔でさえある、

などと言う人もいるが、

そんなドライな感覚の酪農家にさえ

「牛を愛する心」がゼロの酪農家はいない、

と、私は信じている。

乳牛は我々と同じ赤い血が流れ

空気を吸っては吐き

水を飲み食物を食べては排泄し

我々人間となんら変わりのない生き方で生きている

と思えばなおさらである。

「牛を愛する心」を持って

酪農を実践することは

特別なことでもなんでもないだろう

と、私は毎日酪農家を往診して回りながら

そう思ってやってきた。

そういう現場に

突然登場したのが

家畜福祉、アニマルウェルフェアの考え方に基づく

認定制度だった。

「牛を愛する心」というものを

科学的に分析をして

いろいろな項目に分け

その実践の程度をチェックして

客観的に評価して

そこに線引きをして

合格不合格の差別化を図り

合格したもののみを

特別に「アニマルウェルフェア認定牧場」に認定し

そこから生産された乳製品に付加価値をつける。

という活動を始めたのが

アニマルウェルフェア畜産協会である。

この活動について

私は基本的には素晴らしい活動であり

これからもっと普及してほしいと思っている。

しかし、同時に

この活動は科学的手法の限界をよく表している

とも思うのだ。

「牛を愛する心」を科学的に分析して

いろいろな項目に分けて

その実践の程度をチェックして

客観的に評価して

そこに線引きをして

合格不合格の差別化を図り

合格したもののみを

特別に「牛を愛する心の程度の高い牧場」に認定し・・・

・・・そんなことをやっていれば

不合格になって認定されない牧場の人たちは

IMG_0357気分を害し

怒り出す人も少なくないだろう。

科学的手法というものは

多くがこういうものであると私は思っている。

科学的手法は

「愛する心」という奥ゆかしい感情を

上から目線で観察するだけなのである。

気分を害された人たちは

IMG_0358「口で言わずに、手本をやって見せてくれよ!」

と言い出す人もきっといるだろう。

ところが

実際のところ

酪農家の牧場形態は十人十色であり

牛の飼い方や接し方は十人十色であり

「牛を愛する心」の「お手本」と言えるものを

IMG_0910具体的に示すことなど、

そう簡単にできるものではないだろう。

「アニマルウェルフェア」の基準が

曖昧になるのはそのためだろうと思う。

ここに、私は

科学的手法の限界を感じるのである。

「愛」や「心」に対する科学的研究は

可能だが

その成果を現場に還元した時の

貧弱さ、底の浅さ、腹立たしさ、虚しさ、は

人の恋愛心理学などの成果を見れば、容易に想像がつく。

そんな、科学的手法の限界を感じつつ

IMG_0940毎日毎日

今回掲載した写真のような

疲れ切った牛達を前にして

私は

治療の薬を手にしたまま

暗澹たる気持ちになるのである。

科学的手法に頼ることなく

もっと広く

もっとあまねく

特別なことでなく

普通に「牛を愛する心」を持って

IMG_1020全ての酪農家が

それを忘れず

それを実践しながら

「健康な牛」を飼えるようになる方法は

ないものだろうか・・・

そのヒントになることが

実は

前回の記事に寄せられたコメントの

最後の方に書かれているコメントの中に

あるような気がするのだが・・・


(この記事続く)


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2つの新聞記事(2)

「牛は機械ではない。一緒に働く同僚のはず。農業は工業じゃないんです。」

アニマルウェルフェア畜産協会の、妹尾哲也代表のこの発言は、

酪農の効率優先、大規模化を進める国に対して、

それを考え直すことを促す、力強い言葉だと思う。

さらに、このアニマルウェルフェア畜産協会は、

牛の体の清潔さや牛舎の明るさや、尾を切らないーなど

IMG_100650項目の基準を独自に定め、

現在、3戸の酪農家を審査中で、

来年度中には、協会の認証マーク付きの商品が

市場に出る見通しだという。

協会の認証マークの付いた牛乳が一般市場に出回り

その美味しさが消費者に認められ

乳牛を大切に優しく飼われることの価値が

一般社会に広まってゆくことは

大変素晴らしいことであると思う。

こういう新しい価値を持った牛乳が

市場に出回ることを

私は大いに期待している。

もしそんな牛乳をスーパーの店頭などで見かけたら

普通の市販の牛乳よりも値段が高いことが予想されるが

必ず買って飲んでみたいと思っている。

そうすることによって

アニマルウェルフェア協会の認定農場が増える力になれる。

それは

牛を大切に飼う家族経営の小規模な酪農家の数が増えることを意味する。

まことに喜ばしいことで

私はこういう方向性に大賛成である。

大賛成である・・・のだが・・・

どうしてもそれだけでは・・・

満足できない・・・というか・・・

それだけではちょっと・・・

物足りない・・・というか・・・

どこか腑に落ちない・・・というか・・・

そんな思いを拭い去ることができない・・・

それは、どういうことかというと

アニマルウェルフェア協会の認定マークの付いた牛乳が

一体どれだけのシェアを取れるのか

という事とも関係している。

協会の認定マーク付きの牛乳は

認定マークの付いていない牛乳と比べると

非常に数が少なく

値段も割高であることが予想できる。

牛乳市場におけるシェアは

僅かなところに落ち着いてしまうことが想像できる。

つまり

認定マークの付いた牛乳は

高級ブランドの貴重な牛乳であり

贅沢品ということになる。

アニマルウェルフェア協会が認定した牛乳は

贅沢品とみなされてしまうことになる。

乳牛を大切に優しく飼って

健康な牛から搾った牛乳が

贅沢品・・・

というレッテルを貼られて店頭に並ぶことになる。

ここが

私の腑に落ちないところなのである。

アニマルウェルフェアの実践は

贅沢品を作るためだけの手段ではないはずだ。

高級ブランド牛乳があることには

私は大賛成だが

それを作るための手段としてのみ

アニマルウェルフェアが有るわけではないはずだ。

乳牛のアニマルウェルフェアの実践は

高級ブランド牛乳を生産する牧場だけではなく

普通の値段で飲める日常的な生乳を生産する牧場にも

乳製品への加工用の原料乳を生産する牧場にも

どんな牧場にも

なされなければならないはずだ。

それが私の願っている

「牛の健康」の姿である。

高級ブランドの認定マークの付いていない

圧倒的多数のシェアを持つ

圧倒的多数の「普通の生乳」を生産する牧場と

そこで飼養されている

圧倒的多数の「普通の乳牛」に対して

IMG_1004あまねく実践されるべき課題。

「牛の健康」を守るための

重要な課題が

我々の目の前に

立ちはだかっていることに

我々畜産関係者は

気が付かなければならないのではないか

と、私は思うのだ。


(この記事続く)



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2つの新聞記事(1)

先週の十勝毎日新聞の記事は、

我が町の、

そして十勝地方の、

酪農関係者にとっては、

聞き逃すことのできないニュースだったと思う。

ノベルズグループ(延與雄一郎社長)の、

「幕別デーリィファーム」が、

3年後の2020年までに

幕別町の駒畠(こまはた)地区の26ヘクタールの民有地に

IMG_1004牛舎20棟を建て

ロータリパーラー1箇所

パラレルパーラー1箇所

を設置し

4300頭の乳牛を飼い

47000トンの生乳の出荷量を目指す

大規模酪農場を作る計画を

正式に発表した。

生産した生乳の出荷先は

JA幕別町になる見通しだという。

1月23日に

幕別町役場で記者会見が行われた内容を

翌日の新聞が報じていた。

さて

その一方で

1月30日の

北海道新聞の帯広・十勝版には

このような記事が出ていた。

帯広畜産大学講師の瀬尾哲也氏が

昨年5月に

アニマルウェルフェア畜産協会を設立し

代表理事に就任した。

この記事もまた

我々十勝地方の

酪農関係者には

IMG_1006聞き逃すことのできない記事であろう。

そこには

「効率優先、大規模化を進める

国や日本酪農への問題提起。」

として

「牛は機械ではない。一緒に働く同僚のはず。農業は工業じゃないんです。」

というコメントが載っていた。

奇しくも

わずか数日の間に

私の住む地域のニュースとして

このような対照的な出来事を報じる記事が

新聞に掲載されたのだった。


(この記事続く)


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今年の死亡牛、廃用牛。

今年の1年間で、

私はどれだけの家畜の死亡を確認し、

どれだけの家畜の廃用に立ち会い、

その処理のために、

どれだけの診断書を書いて来ただろうか。

事務所でカルテを書き終わって、

ふと、そんな思いが湧いて来たので、

今年度の私が書いた、

死亡・廃用・の診断書の数を数えてみた。

今年度なので、

平成28年の4月から12月までの、

9ヶ月間に、私が書いた診断書の数である。

IMG_0864それらはほぼ全部

牛だった。

それは

103枚あった。

9ヶ月間に103枚ということは

103 ÷ 9 = 11.5

1ヶ月に約12頭の死亡診断書を書いている計算になる。

これを1年に換算すれば

103 ÷ 9 × 12  =  137.3

1年間で約137頭の牛たちの

死亡を確認し

廃用のに立ち会って

診断書を書いて来たことになる。

こんなことをわざわざ集計してみたのは

今年が初めてのことで

去年や一昨年は

そのようなことは考えもしなかった。

しかし、今年は

どういうわけか

死亡を確認した牛

あるいは廃用にした牛の

BlogPaint数が気になって仕方がなかった。

なぜかというと

その数が

年々増えているのではないかという感じがするからだ。

今年はこの、年間約137頭の死亡廃用という数が

どういう意味を持つのかということを考えてしまうのだった。

たとえば、人の医療現場の場合

年間137人の死人を扱う臨床医師など、いないと思う。

3日に1度のご臨終に立ち会う臨床医師など、いないと思う。

しかし牛の臨床獣医療の現場では

多くの臨床獣医師が、私とそれほど変わらない数の

死亡・廃用の診断書を書いていると思われる。

繰り返すが、「臨床」獣医師が、である。

牛の命を救うために

牛が健康を取り戻すために

働いているはずの「臨床」の獣医師が、である。

死亡・廃用野診断書を書いた牛というのは

屠殺場で食肉にすることさえ出来ない

哀れな死に方をした牛たちである。

「臨床」の獣医師が

これほどの数の牛の

「ご臨終」に立ち会っているのである。

今年の締めくくりの記事として

なんとも湿っぽい話ではあるが

これを書かずにはいられない

そんな思いが私にはある。

この記事をお読みの

獣医師諸君!

あなたは今年

何頭の牛の死亡を確認し

何頭の牛の廃用に立ち会いましたか?

教えていただけると嬉しいです。

では皆様

どうぞ良いお年をお迎え下さい。


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どこの牛馬の肉なのか?

牛肉が原料の「コンビーフ」と、

馬肉と牛肉が原料の「ニューコンミート」、

IMG_5736どちらもパッケージを新しく変えて、

スーパーマーケットの棚に並び、

月間お買い得商品になっていた。

「スマートカップ」という新しいパッケージなのだそうだ。

あの昔懐かしい独特のアルミ缶の

缶の裾をコキコキと巻き上げてゆく缶詰から

とうとうモデルチェンジしたのだ。

「コンビーフ」と「ニューコンミート」の味の差は

ちゃんと食べ比べたことがないので、

私はまだよくわからないが、

どちらもまぁ似たようなものではないかな、と私は思っている。

「ニューコンミート」と「コンビーフ」との味の差を

ちゃんと説明できる人に、私はまだ出会ったことがないし 

「俺は絶対にコンビーフだっ!」 、とか

逆に、「絶対にニューコンミートの方がうまい!」とか

両者の味の差にこだわっている人にも

私はまだ出会ったことがない。 

そんな商品で

この価格差。

コンビーフはニューコンミートよりも50%も高い。

驚くほどの価格差ではないか。

要は原材料。

コンビーフやニューコンミートの原材料になる

牛肉と

馬肉と

その原料価格の差が現われていると考えてよいと思う。

いったい

どんな牛肉がコンビーフになり

どんな馬肉がニューコンミートになるのだろう。

牛はホルスタインなのか和牛なのか

国産牛肉なのか輸入牛肉なのか

馬はサラブレッドなのか重種馬なのか小型馬なのか

国産馬肉なのか輸入馬肉なのか

どなたかご存知の方がいたら

教えていただきたい。


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必死に生きる不健康な乳牛

たとえば、乳牛の慢性肺炎は、とても厄介な病気である。

先日往診した▲牧場の乳牛は、

BlogPaint体調不良、

という稟告だった。

聴診器を当てると

肺の音が良くない。

血液検査からは低カルシウムのほかに、

血清タンパク質のγ-グロブリンの極端な上昇、

すなわちA/G比の極端な低下、

が見られた。

これは慢性の炎症が体の中のどこかにある事を示す数値だ。

治療をしながら、耳の個体識別番号を見て、ピンときた。

これは半年くらい前に

慢性の肺炎がなかなか治らず

抗生物質を一ヶ月近く打ち続けた牛だった。

その後、この牛はなんとか肺の病を持ちこたえて

抗生物質での治療を打ち切り

乾乳期を過ごし、分娩し

搾乳を始めていたのだった。

IMG_5230そしてその後 

完治はしないが

症状はそこそこ小康を得ているので

様子を見ながら搾乳牛として働き始めていたのだ。

しかし

ご覧の通りの痩せ細った体

乳房だけはなんとか乳を出すために膨らんでいるが

それ以外の体の各所は

筋肉の少ない骨と皮ばかりである。

そんな慢性肺炎牛が、牛群の中で

受胎し、分娩し、

必死に生きているのである。

慢性肺炎という病気を抱えつつ

必死に生きながら

毎日搾乳される生活に入っていたのである。

世間一般に知られている酪農家の乳牛というのは

みんな健康なイメージである。

毎日乳業会社に出荷される生乳や

乳製品のチーズやバターの原料の牛乳は

健康で元気な乳牛から絞った牛乳

というイメージがある。

だが、実際には

健康な牛の乳はばかりではなく

不健康で具合の悪い乳牛もいて

それらの牛の乳も混ざっているのである。

もちろんすべての酪農家にこのような牛がいるわけではない。

しかし

一部の酪農家にはこのような牛もいて

必死に生きており

その乳が搾られて

出荷されることもあるのである。


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