剖検をしに、病畜処理場(十勝化成事業所)へ行った。
病畜処理場は食肉になることのできない家畜が運ばれてくる所だ。
食肉になる健康な家畜は生きたまま食肉検査場(いわゆる屠畜場)へ運ばれて屠殺されて食肉になるが
屠畜場の外で斃死した家畜は食用にすることはできないから、病畜処理場へ運ばれる。
また生きていても病気で治る見込みのない家畜や薬を投与されて出荷制限期間中の家畜を処分する場合も、この病畜処理場へ運ばれる。
目当ての病畜が搬入するまで時間があったので、化成事業所長のSさんにお話を伺った・・・
「年間でどれくらいの頭数の牛が処理されるんですか?」
「大雑把に言っておよそ2万頭ですね。24ヶ月以上のBSE検査対象牛(大)がおよそ6000頭、3ヶ月以上24ヶ月未満の若牛(中)が約4000頭、3ヶ月未満の子牛(小)が約11000頭くらいです。」
「ここの化成場の十勝管内のシェアはどれくらいなんですか?」
「うちが約55%、K産業さんが約45%。十勝では今この二つしかありません。」
「ということは、十勝管内で1年間に処理される病畜は、ざっと4万頭ということになりますね。」
「はい、そうですね。管内で飼われている牛のおよそ1割が病畜処理されているとも言えるんです。」
「すごいですね。搬入される牛の数の季節的な変動はありますか?」
「それはあります。やはり気候が厳しいときが多いですね。24ヶ月以上の(大)は夏の暑い盛りが搬入のピークです、それに対して冬の寒さが厳しいころは3ヶ月未満の子牛(小)や胎児がピークになります。」
「なるほどー、わかりますねそれ。親は暑さに弱く、仔は寒さに弱い、というわけですね。うーんわかるなぁ。」
「今頃もまだ子牛が多いですよ・・・。」
「処理された病畜から何が出来るんでしたっけ?学生時代に授業で見学に来た時は、たしか油で揚げる?!とか聴いたのを憶えているんですが・・・。」
「まあそうですね、その上澄みが骨油といって燃料になります。沈殿物のほうがいわゆる肉骨粉で、BSE問題が出る前は肥料になっていましたが、今は補助金がでていて全て焼却しています。」
「なるほど。」
「あと主なものは皮ですね。皮はいったん外国へ行って、安い労働力で鞣(なめ)してから、また再輸入されるそうですよ。」
「なるほど。」
「それから、肉や内臓は、動物園へ運んでいます。」
「肉食獣のエサですね。」
「そうです。」

松尾芭蕉の生きた元禄時代は、5代将軍綱吉の時代だ。
