北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

学者と臨床家

続々々々々々消えゆく日本酪農

危機(ピンチ)に遭遇したら、

,箸蠅△┐困修両譴鯲燭綾菽屐

そして、

⊂来遭遇しないための抜本的な対策、

が必要である。

獣医療であれば

,麓N鼎任△

△詫祝匹任△

我々獣医師は

,鉢△

どちらもを怠りなく遂行しなければ

仕事は成功しない。

現場の臨床獣医というと

,亮N鼎中心と思われているが

じつは△陵祝匹了纏も多く

家畜の危機管理を突き詰めてゆくと

究極的には△陵祝匹帽圓着くのである。

,亮N鼎个りに明け暮れているの牧場は

次第に疲弊してゆく。

賢い牧場はみな

,之亳海鮴僂

△卜呂鯑れている。

そうしないと生き残ってはゆけないのである。

IMG_5652さて

我が国の

農水省の

農業政策はどうだろう。

今まで何回も農業の危機が訪れている。

その度に,侶亳海鮴僂

△梁从を打ってきたはずである。

IMG_5637しかし

まともな対策をしてきたのは

穀物でいえば「米」だけであり

米以外は

麦や豆などの主要な作物さえ

まともな危機管理が出来ていなかった。

その結果は

「麦や豆の自給率」

にあらわれている。

IMG_5606また

牛でいえば「和牛」だけである。

和牛生産の危機が訪れないように

保護(予防)対策が実施されている。

和牛以外の牛といえば

乳牛

IMG_5605すなわち酪農だが

酪農の危機に対しては

幾度も言っているように

その場しのぎの処置,个りで

△糧緩榲な予防対策が

まるで抜け落ちている。

その結果として

IMG_5609「飲用乳の廃棄」

「バターの需給難」

「脱脂粉乳の余剰」

IMG_5611「チーズの自給率」

などの様々な問題が吹き出し

抜本的な対策△里覆い泙

懲りもせずに危機が繰り返されている。

酪農家が怒り出すのも

当然のことだろう。


(この記事そろそろ終わりにしたい・・・)


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続々々々・消えゆく日本酪農

今から約半年前に、

「消えゆく日本酪農」

という記事を書いた。 

書いているうちに

1回では書ききれなかったので

「続・消えゆく日本酪農」 



「続々・消えゆく日本酪農」 



「続々々・消えゆく日本酪農」 



だんだん増えてきてしまった。

日本酪農が消えてゆけば

酪農家が必要とする獣医師も

当然

必要が無くなって

消えてゆくだろう。

それなのに

世間はなかなかそれに気づかない

という事を書いた。

書いているうちに

暗い気持ちになってしまったので

書くのをやめていた。

IMG_5607ところが

先日

テレビのNHK北海道版で 

日本の酪農の危機を報じる特集があった。

消えゆく日本の酪農家の事情が

ようやく世の中に知らされるようになったのか

と少しホッとした気分になった。

IMG_5609我々の業界の

不安な部分を

もっと世間に知ってもらうのは

悪いことではない。

IMG_5611ここにもう一度

それを書いておくことも

意味の無い事ではないだろう。

そんな事を

思い直しているところである。


(この記事つづく)



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NOSAI獣医師の夜間当番(5)

蛇足ながら、

このシリーズ記事の最後に、

約40年近く夜間当番をしてきたNOSAIの臨床獣医師として、

感じたことを書いておく。

忙しい夜と、

ヒマな夜と、

どこがどう違うのか?

について

感じたことを書いておきたい。

緊急の往診が多い夜というのは

天気の変わり目が多い

ということである。

よく雨が降りそうな時

往診が多くなると言われているが

それはその通りのような気がする。

雨が降る時というのは

前線が通過する時であり

天気が不安定で

天気の変わり目

なのである。

これはよく言われていることだ。

ただし

長年夜間当番をやっていて

前線が通過しなくても

雨が降る前ではなくても

やたらと忙しい夜

というのがある。

それはどのような時かというと

季節が大きく変化する時

である

晴れたり雨か降ったりする

小さな気候の変化ばかりではなく

冬から春へ

春から夏へ

夏から秋へ

秋から冬へ

といった大きな季節の変化

気候の変化

気団の入れ替わり

と言ったほうが良いかもしれないが

そんな大きな気候の変化が

地球上では常に起こっている。

そういう端境期を迎える時の夜の当番

IMG_5558というのは

ほぼ間違いなく

お産がらみの仕事や

子牛が怪我をしたり

馬が腹を痛めたり

普段はあまり起こらない

緊急を要する仕事が

夕方からひっきりなしに舞い込み

食事をする暇もなく

気がついたら深夜になっていた

ということが多い。

そしてその翌日は

気候が大きく変わっているのだ。

春から夏の気候へ

夏から秋の気候へ

秋から冬の気候へ

冬から春の気候へ

大きな気団が入れ替わっているのだ。

このことについて

私は科学的な

客観的なデーターを持っているわけではない。

しかし

IMG_555740年近く

夜間当番の仕事をしていて

どうやらこれは間違いなかろう

と経験的に

言えるのである。

だからなんだと言われても

それ以上何もいうことは無いが

緊急の往診の多い夜というのは

どうやら

そういうものらしいことを

私は経験的に感じているのである。


(このシリーズ記事終わり)


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NOSAI獣医師の夜間当番(4)

夜間に緊急を要する診療のBig3を、

臨床獣医師の方々のメッセージを参考に、

まとめてみると、

酪農地帯と、

肉牛地帯と、

馬地帯で、

微妙に違っているようだが、

およそ

お産に関するものが上位を占めていることが分かった。

緊急を要する診療の多くが

産前、産中、産後、に関わる疾病なのである。

それに続いて

子牛や子馬の幼畜の疾病。

それに馬の急性腹症および外傷が続く。

お産がらみの診療というのは

いつ発生するか予想しづらいし

たとえある程度予想ができたとしても

いざ始まってしまうと

事が収まるまではその場を離れることができない。

畜産というものは

お産すなわち繁殖・増殖しなければ継続することができない。

お産こそ畜産の要と言ってよいだろう。

その要になるお産というものを

IMG_5558コントロールすることは

かくも難しいものか

とあらためて思う。

お産の日

お産の時間

お産の難易度

これらの全てにおいて

いずれも予期せぬことがよく起こる。

まだまだ人知に及ばない不思議なことが

沢山あるのだ。

家畜のお産のトラブルに

正面から立ち挑まなければならない。

わわれわ臨床の獣医師は

何も知らなかった頃の初心を思い出し

常に謙虚にお産に対応してゆくべきだと

あらためて思う次第である。


(この記事つづく)


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NOSAI獣医師の夜間当番(3)

NOSAI獣医師の夜間当番で、

最も多い診療内容の、

ビックスリーと言えば、

私と同僚の獣医師の皆さんが真っ先にあげるものは、

おそらく共通しているだろう

と思う。

私の中での

夜間当番ビッグスリーは


  難産(子宮捻転を含む)

  子牛の急変(主に腸炎)

  産後の起立不能(子宮脱を含む)

である。

日本全国

酪農にしろ肉牛生産にしろ

この夜間往診の内容のビッグスリーは

獣医師の皆さんには納得してもらえるのではないかと思う。

IMG_5557要は

  産前  子牛  産後

の3つ

ということになる。

本当のところは

統計データで調べれば良いのだろうが

私のビッグスリーと

統計データーが

大きく食い違うことはないと思っている。

せっかくなので

この

「夜間往診ビックスリー」

もブログを読んでいただいている皆さんから

「それぞれ皆さんのビッグスリー」

を、教えていただきたいと思う。

そして最終的に

IMG_5558ビッグスリーを集めた中の

「真の夜間往診ビックスリー」

が出せたら面白いかと思う。

これをお読みの皆さん

「あなたの夜間当番ビックスリー」

をぜひ

教えてください!


(この記事つづく)

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NOSAI獣医師の夜間当番(2)

夜間当番が忙しい日と、

忙しくない日があるのは、

当然のことだが、

平均すると、

およそ1〜2件、

になるのではなかろうか。

ただし

夜間当番の緊急往診の件数の

平均値を出すことに

意味があるとは

あまり思えない。

前回の当番の時は

結局1件もなかった。

また

忙しい時は普通に5〜6件は行かねばならず

暇にしている時と

忙しい時がの

差が大きいのである。

それが現実であり

平均値が1〜2件であるという

統計的な数字は

夜間当番の件数をまとめて管理して

報酬を与える立場の人にとっては

意味を持つ数字なのかもしれないが

実際に夜間に仕事をする獣医師にとっては

ほとんど意味がない。

IMG_5557夜働いていると

「今夜は忙しそうだ・・・」

という夜が必ずある。

そして

その多くが

お産がらみの

緊急往診である。

牛はもちろんのこと

このシーズンは馬のお産も未だにあり

お産にまつわる夜の仕事が

当番獣医師のメインであると言っても良いだろう。

そしてさらに

お産がらみの緊急往診というのは

一晩に集中する傾向がある。

IMG_5558難産の介助

という仕事は

一晩に集中して発生するものである。

その数の

平均値を出す

ということは

実際に難産介助をする獣医師にとって

ほとんど意味がないのである。


(この記事つづく)


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NOSAI獣医師の夜間当番(1)

牛や馬に限らず、

臨床獣医師にとって、

夜間(勤務獣医師ならば時間外)の往診は、

宿命的にやらなければならない仕事である。

個人で開業している獣医師の場合は

特に勤務時間などの設定はなく

いつでも夜間の往診へ行く機会があるのかもしれないが

いつでも自分の都合でその時間を変更することも可能であろう。

しかし

NOSAIという組織の職員として

夜間当番を交代しながら

任務に当たっている獣医師の場合は

自分が引き受けている時間帯に来た往診については

個人的な都合で断ることはできない。

それは飼主さんとNOSAI組織との

契約であるから

必ず任務を遂行しなければならない。

じつは

今この記事を書いている私は

夜間当番で自宅待機をしている。

つまり勤務中であるのだが

昨日の夕方から今朝にかけて

緊急の往診が一軒もない。

最近の傾向を振り返ってみると

夜間往診が一軒もないのは珍しいことだ。

IMG_5557いつもならば

宵の口か

朝早くか

どちらかで必ず

時間外の往診の緊急電話が鳴る

というのが最近の傾向である。

その理由として

規模の大きな酪農家が

従業員の勤務時間に合わせて

決まって緊急の往診を依頼してくる

という事がある。

しかし

昨日の夕方から今朝まで

その往診がなく

緊急用の携帯電話が一度も鳴らずに

黙ったままなのである。

緊急用の電話が鳴らないということは

IMG_5558夜の仕事が「ヒマ」

ということであり

ブログの記事などを

つらつらと書く「ヒマ」

があるということである。

そんなわけで今私は

自宅のパソコンに向かって記事を書いている。

ただし

経験の長い臨床獣医師諸君には

必ず分かってもらえると思うが

「今日はヒマだね・・・」

と言った矢先に

そう口に出した途端に

往診の電話が

かかってくるものである。

今私はそれをここで言ってしまったので

しばらくしたら

往診の電話が

かかってくるだろう・・・?!


(この記事つづく)


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低カルシウム選手権(1)

乳牛の乳熱などで必ず見られる、

乳牛の低カルシウム血症。

乳牛の病気に対して、

「選手権」

などというような言葉を付けるのは

不謹慎極まりない言動かもしれない。

しかし

私は純粋に学術的な興味から

「乳牛は血液中の低カルシウム濃度にどれだけ耐えられるのか?」

という疑問を抱いている。

先日

そんな私の疑問を

さらに膨らませるような症例にぶつかったので

報告をしておきたい。

夜間往診で

◎牧場から

牛がフリーストールの通路で倒れて

腹が張っている

という稟告を受けた。

分娩からすでに2週間が経過していたのだが

従業員氏に話を聞くと

この牛は

乳頭の締まりが甘く

いつも乳を漏らしているのだという。

フリーストールの通路で

投頚・皮温低下・歯ぎしり・腹囲膨隆

IMG_5354などの

典型的な低カルシウム症状

を見せていた。

T 36.1    P 90  

全く立つ気がない。

採血をして

カルシウム製剤を中心に

補液を実施したあと

モクシを引っ張り

頭を上げさせたら

なんとか

普通に坐る姿勢となった。

この日の夜は

それで様子を見ることにした。

IMG_5406翌日

検査センターに外注した

血中カルシウム濃度を見て

ちょっと驚いた・・・


(この記事続く)


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日の丸を背負って・・・

春分の日は仕事だった。

往診の途中で、

インターネットのニュースの、

スポーツ欄を覗くと、

WBC(ワールドベースボールクラシック)の準決勝、

侍ジャパンが9回の裏の攻撃、

メキシコにリードを許していた。

・・・これはもう負けそうだ・・・

そう思って

そのまま速報は見ずに

仕事を続けた。

IMG_5280祝祭日になると

いつも玄関に

日の丸を掲げる

酪農家さんがあり

その日の丸を

この日は何故か

しげしげと眺めた。

・・・侍ジャパンはこれを背負って戦っている・・・

そう思った。

それと同時に

・・・この家はこれを背負って仕事をしているのだろうか・・・

そんなことも思った。

スポーツの事と

農業の事と

混同するなと言われそうだが

野球も酪農も

いずれもプロフェッショナルで

それを生業にしているところは

同じであり

基本的には

個人の生業である。

しかし

どこかに

「日の丸を背負っている」

という意識は

多かれ少なかれ

存在しているようだ。

その意識は

人によってまちまちだろうが

侍ジャパンの戦いを見ていて

考えさせられる事がある。

スポーツは

厳密なルールがあり

それにのっとり

公正に戦っているから

やりがいがあるだろうし

見ていてるだけでも

非常に面白いものだ。

しかし

農業の国際関係は

厳密なルールが怪しく

のっとるものが曖昧で

不公平に戦っているから

馬鹿げていて

見ていると

腹立たしくなってくる。

国と国との関係は

IMG_5279公正なルールが

どれだけ大事であるか

ということが

スポーツの国際大会を見ていると

つくづく

感じられるのだ。


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おめでとう!アシュラダイマオー3歳頂点!

ばんえい競馬の今年の3歳馬のG1レース。

初年度の明け3歳の最強馬を決める、

IMG_5274「第54回イレネー記念」、

が3月19日に行われた。

我が町幕別町の

浅井嘉市さんの生産馬

IMG_5277アシュラダイマオーが優勝し

3歳馬の頂点に立った。

5番人気で

評価はそれほど高くなかったが

ゴール前の大混戦を制したのは

実力はもちろんのこと

目に見えない色々な力が

この馬の力となったのではないか

と思わせる勝ちっぷりだった。

それは

手綱を握った西騎手の

「まさか勝つとは思っていなかった」

というコメントや

松井調教師の

「強い馬だがびっくりした」

というコメントにも表れている。

生産者の浅井さんは

私が若い頃からずっと診療に通っている

十勝管内で最高齢の馬産農家さんで

馬の診療を一から勉強させていただいて来た

超ベテランの飼主さんである。

IMG_1931決して派手なことをせず

無理な投資をせず

75年以上

ひたすらに

馬を生産し続けて来た

十勝馬産のまさに

レジェンド

と言って良い人である。

アシュラダイマオーの父は

同じく幕別町で飼養されていた

IMG_5214インフィニティーで

残念ながら2年前に他界し

その後産駒の成績も

目立ったものはなかったが

この1勝で

インフィニティーの株は上がり

アシュラダイマオーが

インフィニティーの後継馬として

活躍してくれるのが楽しみである。

母親は天空という繁殖牝馬で

浅井牧場の中では成績の良い系統だが

競馬場でのレース経験はなく

IMG_5273オーゴンキングという

タカラコマの血統を引く馬である。

天空は

先日仔馬を無事に出産したばかりで

その仔馬も今後

注目を集めるに違いない。

競馬という勝負の世界では

紙一重の差で

評価が大きく変わる。

競馬の名予想で知られた佐藤洋一郎氏は

「強い馬が勝つのではなく、勝った馬が強いのだ」

と言ったが

アシュラダイマオーは

イレネー記念の優勝で

間違いなく

本物の

「強い馬」

になった

と言えるだろう。

関係者の皆さん

そして浅井さん

おめでとうございます!


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ミニチュアホースのニコイチ捻転・去勢(4)

数日前に同じ飼主さんから、

再びミニチュアホースの去勢の依頼があったので、

その症例もついでに報告しておこうと思う。

年は同じくらいの成馬である。

IMG_5244体重は80kg程度

専用の小さな枠馬に入れる。

ロープで保定する。

後肢2本は柱に縛る(蹴りの予防)。

鎮静剤(ドミトール)を0.5ml静注。

IMG_5246術野をヨーチンで消毒。

局所麻酔剤(キシロカイン)を注射する。

陰嚢ごと2つの精巣を同時に掴む。

陰嚢の正中を約5僂曚廟敞蕕垢襦

結合組織を鈍に剥がしながら

IMG_5248またはカミソリで剥がしながら

2つの精巣を同時に創口から露出させる。

2本の精索を同時に捻転棒のフックに掛ける。

棒を回転させて捻る。

捻り切れるまでひたすら回転させる。

IMG_5251捻り切れたら出血の程度を確認する。

抗鎮静剤(アンチセダン)を0.5ml静注する。

保定を解く。

簡単に書けば

以上のような手技となる。

IMG_5253今回は

同僚のC獣医師に施術してもらい

私がカメラマンになった。

牛の診療所の獣医師は

全員が牛の去勢には熟達している。

IMG_5256子牛とサイズの同じな

小型馬の去勢は

保定と切皮が若干違うだけで

ほぼ同様の手技で行うことが出来る。

馬の無医村の

IMG_5257牛の獣医師でも

こうして馬の去勢を

簡単に行うことが出来ると思う。

手技は簡単なのだが

それをする機会が少ない

というのが

IMG_5259馬の無医村で働く

我々の悩み事であるので

次回はいつになるのかわからないが

こうして

ブログに症例報告を書いておけば

それを見ながら

どこかの馬の無医村地域で

誰かが初めて試みようとする時の

参考になるのではないか

と思っている。

ちなみに

このニコイチ捻転用の去勢棒は

サイズを大きくしたものがあれば

例えば

サラブレッド用のサイズや

重種馬用のサイズの

太くて大きな捻転棒を作成すれば

どのような大きさの

どのような種類の馬でも

ニコイチ捻転は

可能であろうと

考えられる。


(この記事終わり)



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ミニチュアホースのニコイチ捻転・去勢(3)

ミニチュアホースの小さい体格に合わせた、

専用の小さい枠馬は、

この馬たちを飼うためには、

必須の施設である。

今回は

その枠馬に

ミニチュアホースを入れて

ロープで普通に保定し

IMG_4973さらに

左右の後肢を

左右の後柱に縛り

股間を操作しやすいように保定した。

鎮静剤(ドミトール)を投与し

IMG_4975陰嚢を消毒し

局所麻酔(キシロカイン)を注射。

片手で

精巣が2つ手の中に収まるように握り

もう片方の手に持った安全カミソリで

IMG_4979正中を縦に約5僂曚

切皮する。

結合組織をできるだけ

鈍で剥がしながら

補助的にカミソリで剥がしながら

IMG_49832つの精巣を

創口から露出させる。

露出させた2つの精巣を

同時に引いて

2本の精索を確認し

IMG_4985そこに

ニコイチ捻転棒のフックをかける。

2本いっぺんに

フックにかけるのが

ニコイチ捻転法のミソである。

ミニチュアホースの精巣は

IMG_4987約5ヶ月の子牛の精巣と

ほぼ同じ大きさなので

子牛に使っているニコイチ捻転棒は

サイズがぴったりで

とても使いやすい。

ここまで来れば

あとは

子牛の去勢と全く同様に

捻転棒を回すだけである

精索に引っ掛けた捻転棒の

フックを回す。

フックを引っ張らずに

ただひたすら

ぐるぐる回すだけである。

IMG_4989約十数回

捻り切れるまで回して

切れたら

創口にヨーチンをスプレーし

抗生物質(マイシリン)を筋注し

IMG_4990抗鎮静剤(アンチセダン)を静注し

保定のロープを外して

終了である。

ミニチュアホースの

ニコイチ捻転去勢法は

IMG_4993以上のように

保定や鎮静や麻酔には

入念な準備が必要だが

いざ

施術を開始したら

子牛の去勢と同様に

数分で終えることができる。

施術中の

子牛と違っているところを

あえて言うならば

陰嚢の正中を縦に切皮することと

皮膚と精巣の被膜の間の結合組織が

子牛よりも固く

剥がすのに時間かかかること

くらいである。

以上が

ミニチュアホースの

ニコイチ捻転法による去勢の

一例報告である。


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ミニチュアホースのニコイチ捻転・去勢(2)

ミニチュアホースは、

成馬でも体重が70〜80kg程度、

数ヶ月齢の子牛よりもさらに小さい。

馬というのは

1000kg(1トン)以上もある重種馬から

100kg にも満たない小型種まで

様々な大きさがある。

これは

牛と大きく違っているところである。

今回は

ミニチュアホースを去勢するにあたって

鎮静剤や麻酔剤を使用するのだが

それぞれに詳細な科学的データーの蓄積があるわけではなく

ほとんどがサラブレットでのデーターであり

サラブレッド以外の馬の診療をする場合の

薬品の使用量は

サラブレッドのデーターを元にして

そこから体重換算をして

例えば

重種馬ならば約2倍量

小型馬なら約5分の1量 

というようにして

投与量を決めている。

我々が使用する多くの薬剤の中で

投与量に最も注意を要するのが

鎮静剤や麻酔剤である。

他の薬剤がいい加減で良いとは言わないが

中枢神経に直接作用する薬剤は

やはり細心の注意が必要である。

人医療ではあえて麻酔専門の医者がいることでも

それは解るだろう。 

獣医療における麻酔専門の獣医師というと

一部の研究者のみか

高度診療施設の特化した技術を持つ獣医師に限られる。

私のようないわゆる

「馬の無医村」

で馬の診療に携わっている獣医師は

馬の鎮静や麻酔をする機会が少ないので

その機会が訪れるたびに

忘れかけていた薬剤の量を

思い出し

さらには

サラブレッドでのデーターを元にして

そこから重種馬や小型馬の

使用量を換算して

確認してから

仕事に当たることになる。 

ここでいつも感じることが一つある。

それは

鎮静剤や麻酔剤の使用量が

「体重に比例していない」

ということである。

例えば

サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を

体重換算で約2倍の体重の重種馬に2倍量を投与すると 

重種馬には効き過ぎてしまう。

また 

サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を

体重換算で約5分の1の体重の仔馬に5分の1量を投与すると 

仔馬には効きが悪い。

といった現象が起こる。 

これはおそらく

サラブレッドが

馬の中でも非常に特化した循環器系

特に体重の割に大きな心臓を持っていることからくる

「誤差」

なのではないかと私は考えている。

IMG_4971今回

体重が100kgにも満たないミニチュアホースに

鎮静剤や麻酔剤を使用するにあたって

一つの悩みどころが

この薬剤使用量である。

とりあえずは

体重換算で使用量を割り出し

「誤差」については

小型の馬への換算なので

おそらく

計算通りには

「効かない方向」

に作用することが予想される。

今回使用した鎮静剤は

イミダゾール系のドミトールだったが

ミニチュアホースでのデーターはもちろん無いので 

体重換算を基本としつつも 

過去の経験を思い出しながら

投与量を決めることになった。

さて

また前置きが長くなってしまった(汗・笑)

この症例の報告は

次回にします(笑)

どうぞお楽しみに。


(この記事続く)



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ミニチュアホースのニコイチ捻転・去勢(1)

ミニチュアホースを、

ニコイチ捻転棒を用いて、

去勢する機会を得たので報告したいと思う。

症例を報告する前に

ひとこと言って置きたいことは

「諸事情」により

IMG_4973馬の保定が枠馬での

立位であること

使用薬品が

局所麻酔剤と鎮静剤と抗生物質

であり

「全身麻酔ではない」

ことである。

「まだそんな保定法でやっているのか」

「まだそんな麻酔法でやっているのか」

そんな声が

動物愛護の観点から

馬医療の先進地域から

聞こえて来そうである。

しかし

施設がない

薬品が揃わない

などの

「諸事情」



理想的な馬医療を

難しくしていることを

ここで申し上げて置きたい。

多くの現場で

多くの獣医師が

「まだそんな方法」

でしか

馬の診療をせざるを得ない

「諸事情」

があるのである。

そのような中で

決して先端技術とは言えない技術を

ネット上にUPして

色々と指摘されることも

意味のあることだと思い

ここにUPしておく次第である。

日本全国で

理想的な馬の診療ができる地域は

限られており

多くの地域が

「馬の無医村」

の状態に陥って

理想的な診療が出来ずにいることを

知ってもらいたい

という意味も

込められている。

前置きが長くなったので

今回は

とりあえず

前置きだけ

にしておこうと思う(汗・笑)

次回の記事を

どうぞお楽しみに。


(この記事続く)


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上弦の月沈む

先日の深夜1時頃、

ようやく夜間当番の往診を終え、

事務所へ診療車を走らせていると、

西の夜空に、

まるで月蝕の月のような、

半分欠けている

暗いオレンジ色の

大きな月が

今にも山の端に沈もうとしていた。

なかなか美しい月だったので

IMG_5187携帯のカメラを向けて

シャッターを切ったが

ピントは大ボケだった。

もう一度

こんどは少し画面を指で拡大して

望遠レンズのように月にできるだけ近づき

シャッターを切ったら

しばらくの露光時間ののちに

半月型の月が写った。

これもかなりボケているけれど(笑)

IMG_5186上弦の月

というと

宵の空中天に

右半分を高々と

光らせているのをよく見るが

この時間帯の上弦の月は

深夜の西の空に

赤々と

下半分を光らせて

ゆっくりと沈んでゆく。

いつもの上弦の月のイメージとは

かなり違った

幽玄の世界のような月だった。

私の知っている限りにおいて

月の名前は実に様々で

新月から三日月を経て

上弦になる。

そこから先は

秋の季題として有名な

十三夜、十五夜(満月)、十六夜(いざよい)

立待月、居待月、寝待月、更待月

そして下弦の月に至る。

歳時記的に多く愛でられているのは

十五夜から下弦までの月が

圧倒的に多い。

上弦の月は

それに比べると

いまいち

愛でられていないようだが

今日

深夜の西の空に眺めた

上弦の月は

なかなかオツな

とても良い月だった。


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続・消えゆく日本酪農

「生乳が余れば、国が買い上げて、酪農家を支える」

IMG_4920生乳がだぶつき、

酪農家の自助努力が、

いよいよ限界に達した時、

農政がするべき

緊急措置である。

今それを

国がしなければならない

はずなのだが

毎度のことながら

国の動きは非常ににぶい。

国民の理解も薄い。

農業人口の減少が

その背景にあるのは間違いがなく

日本国民の心の中は

農業から遠く離れている。

農産物は外国から安く買えば良いと

いまだに思っている人が非常に多い。

「農は国の根本」

という言葉だけが虚しく響き

実際に国(農政)のやっていることは

「日本農業の廃棄」

である。

IMG_4959 2具体的に言えば

「生乳の廃棄」

「乳牛の殺処分」

ということになる。

国民の税金を使って

だぶついて廃棄せざるを得ない生乳を

買い上げても良さそうなものだが

IMG_4963その税金は

大量の乳製品の輸入に使われている。

我が国の農政は

外国の乳製品を買い支え

自国の生乳を廃棄させている。

外国の酪農家を助け

自国の酪農家を潰している。

IMG_4920それに加えて

我々の税金は

自国の乳牛の

殺処分の奨励金に使われている。

外国の乳牛の命を救い

自国の乳牛の命を絶つことに

我々の税金が使われている。

外国の酪農を

助け

自国の酪農を

潰している。

日本の酪農家が

消えてゆく

その責任を

国(農政)は

どう考えているのだろう。
 
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消えゆく日本酪農

去年の8月から、

15回にわたって、

ブログの記事として、

「だぶつく乳製品」というタイトル

で、私の身の回りの現状を書かせてもらった。

それから約半年が経ち

IMG_4840ちまたでは

日本の農業の危機

日本の酪農の危機



以前よりは

新聞、テレビ、SNS、などで

話題にされるようになった。

しかし

私から言わせれば

まだまだ危機感が広がっているとは

とても言えない状況である。

それはなぜかというと

農業をしている人が少ない

酪農をしている人が少ない

IMG_4840 2からである。

農業人口が

極端に減っている。

酪農家とその家族の数が少ない。

その下で働く

直接の農業従事者は

酪農場の従業員は

外国人の実習生ばかり。

これでは

危機に陥っている

日本の酪農の現状を

肌身で感じる人が

ほとんどいないに等しい。

かつては

中小規模の

家族で経営していた酪農が

大半を占めていたが

現在は

少数の社長家族と

外国人実習生(実質の労働者・選挙権なし)

で成り立つ大規模酪農が

主に日本の生乳生産を担うようになった。

IMG_4966その酪農が今

危機に

陥っているのだが

その現状が

生乳の消費者に

なかなか

実感として

伝わらないのである。

いつまでたっても

他人事なのである。


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双子の難産介助の「新技?!」

「ちょっと教えて欲しいんです。お産が始まってるんだけど、足が3本来てるんです・・・」

「・・・双子だと思うけど、前足なのか後足か、わかる?」

「うーん、多分前足だと思うんだけど・・・」

「・・・頭は来てる?」

「頭は、1つさわれます・・・」

「・・・その頭と連動している足、わかるかなー?」

「いやー、なんだか、初産で産道が狭くって・・・」

「・・・」

「出ている前足を押し込んでるんですけど、何が何だか・・・」

「・・・わかんない?」

「はい、ちょっと・・・」

「・・・やっぱり、往診に行ったほうがいいね」

「お願いします・・・」

そんなやり取りのあと

雪の降る中

往診に向かった

和牛繁殖の◯牧場。

牛舎に着くと

初産の牛が寝込んでいた。

そのまま産道へ手を入れてみると

狭い産道に

胎児の前肢が2本と頭があった。

「・・・もう1本の足は?」

「さっき、押し込んだら、曲がっちゃったんです・・・」

狭い産道の奥を探ると

腕節で折れ曲がった前肢に

辛うじて触ることができた。

確かに足が3本来ている

双子の難産である。

双子だとわかったら

触れる3本の足を

やみくもに引っ張ってはいけないのは言うまでもなく

また

やみくもに押し込んでもあまり効果はない。

来ている3本の足のうちの2本が

同時に来ている頭の胎児の足である

ということが確信できないうちは

足をあまりいじらない方が良い。

では

その足の見極めを

どうやってやるのか?

「・・・親牛、立たないかな、立たないと中で操作しづらいから。」

「ずっと寝てたんで・・・」

◯さんが何度も気合を入れると

初産の牛は、しぶしぶ立ち上がった。

再び手を入れると

奥で曲がっている3本目の足の

手根骨部を握ることができた。

まずこの前肢を元に戻し

再び産道を探ると

頭は1つ

前肢が3本

狭い産道に侵入して来た。

さて

頭が来ている胎児の足は

この3本のうちのどれか2本で

1本は別の胎児の足である。

その見極めをどうするか?

ここで私は足をこれ以上いじらず

頭にワイヤーをかけることにした。

正解の足がわからないのならば

「頭だけを牽引」してみる

というのが1つの方法となる。

牽引した頭に

連動して動く足が

その胎児の足である。

3本の足のうち

連動してくる足が

1本しかない場合は

頭と連動する4本目の足を

産道の奥に探さないと

娩出させることができない。

連動してくる足が

2本であれば

そのまま

頭だけを牽引していれば

2本の足とともに

双子の1子目を

娩出させることができる。

要は

「足を牽引せず頭だけを牽引する」

というところが肝心である。

今回の◯さんの初産の

頭にワイヤーをかけて

頭だけ引くと

◯さんが押し込んで曲げてしまった前肢と

その隣にある前肢が

連動して動いた。

これで胎児の足の正体が判明した。

親牛は

牽引のキツさに立っていられずに再び寝てしまったが

胎児の頭にはしっかりとワイヤーをかけ

連動する前肢も判明したので

そのまま牽引を続けた。

「・・・よし、これならば、このまま引っぱっていいよ」

「足にはロープかけなくていいんですか?・・・」

「・・・うん、大丈夫、そのまま頭だけ引いて」

IMG_4902かくして

狭い産道から

双子の1子目が

仮死状態で生まれて来た。

逆さ吊りにして

心臓マッサージをしたら

拍動がはっきりして

呼吸が始まった。

「・・・よし、じゃあもう1頭はどうかな」

足が1本だけ来ていた胎児の2子目は

側頭位になりかけていたが

手を伸ばしたところに頭があり

眼窩に指を入れてこちらへ向かせて

産道に乗せることができた。

前肢もその奥にあり

正常位に整復し

牽引することができた。

IMG_4889しかし

2子目の胎児は

すでに息が絶えていた。

♀♀の双子だった。

1子目の胎児が

生きて出せたので

まぁ

良しとすることにした。


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子宮脱?!・・・子宮捻転?!・・・

ちかごろ夜の当番が忙しい。

仔牛の下痢が多発して、

夜中に何頭も点滴治療をする仕事が増えている。

先日の当番も、

✖️畜産の仔牛の点滴治療から始まった。

9頭の点滴治療の最中に

ポケットの携帯電話が鳴った。

「子宮脱みたいなんですけど・・・」

酪農家の■さんからだった。

9頭の点滴を終えて

■さん宅に着くと

「死んじゃいました・・・」

と言われて

牛舎へ確認にゆくと

「子宮が・・・ちぎれて落ちました・・・」

IMG_4862「・・・なに?」

「牛を吊り上げたら・・・子宮がちぎれて落ちました・・・」

「・・・ホントに?」

「はい・・・」

「・・・んなことは無いでしょ。」

「そうですか・・・じゃ、これ・・・何ですか?・・・」

「・・・血のかたまりと後産だよ。」

「・・・」

「・・・子宮はそんな簡単にちぎれて落ちたりはしないからね。」

牛の可視粘膜は蒼白で

心不全(産後心衰弱)で死んだようだった。

死亡畜の指示書を書いて

事務所に帰って

カルテを書いていると

携帯電話が鳴った。

「子宮捻転みたいなんですけど・・・」

✖️畜産の分娩担当の従業員君からだった。

「自信がないんですけど・・・胎児をさわれなくて・・・」

「・・・産気づいてるの?」

「はい、ずっとふんばってるんですけど・・・胎児さわれないんです・・・」

「・・・親は立てる?」

「はい、立ってます。初産で分娩予定は明後日です・・・」

「・・・了解、すぐ行きます。」

道中の車の中で

IMG_4864私は

子宮捻転だったら

すぐ帝王切開したほうがいいかな

などと考えていた。

再び✖️畜産に到着し

分娩舎で尻尾を上げてふんばっている

初産の牛の産道に手を入れると

「・・・ん?」

「捻れてますか?・・・」

「・・・いや、これは捻転じゃないよ。」

「胎児にさわれないですよね・・・」

「・・・うん、でもこれ、まだ頚管(子宮外口)が開いてないね。」

「そうですか・・・」

「・・・とりあえず、頚管開く注射(エストラジオール)打っておくから、明日まで様子見て。」

「はい、わかりました・・・」

子宮捻転ではなかったので

私は深夜の大仕事

整復&帝王切開

という最悪のパターンを免れ

事務所に戻ることができた。

体は仔牛の治療ばかりで疲れていたので

帝王切開を免れたのは

ラッキーだった。

この産気づいた牛は

翌日まで怒責が続き

子宮頸管も開かぬままだったので

結局

帝王切開をすることになったのだが

執刀したのは私ではなく

同僚のT獣医師にやってもらい

胎児を無事に摘出することができたのは

大変ありがたかった。

どうも

このところ

夜間当番が忙しい。

仔牛の治療がやたらと多い中で

子宮脱や子宮捻転が

疑われる症例が入るのは

嫌な星の下に入ったのかな

と感じた。


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親牛コケたら仔牛まで

年が明けてからの、

夜当番が、

なにやらとても忙しい。

特に、

大きな酪農家の子牛の腸炎の治療が多い。

厳しい寒さが影響して、

体の小さい仔牛の体力が奪われることも、

少し影響しているかもしれない。

しかし

原因はそれだけではないようだ。

今回の仔牛たちの受難の原因は

酪農家が

今まで購入して与えていた仔牛の人工ミルクを

自分の家の親牛から搾った生乳へ切り替えて

IMG_4867その生乳の成分の悪さによって

仔牛がお腹を壊す

というパターンが

相次いで発生している。

経費節約

生産調整によって

親牛の生乳が余るので

それを仔牛に与えるようになったのだ。

ここで

大きな酪農家さんに

ひと言申し上げたい。

親牛の生乳を仔牛たちに与えることは

悪くないのだが

必ず

健康な親牛から搾った生乳を与えていただきたい。

ということである。

仔牛に飲ませる生乳を

ホスピタルにいるような

不健康な親牛

例えば

乳房炎や蹄病や関節炎などにかかった

不健康な親牛から搾った生乳は

IMG_4867成分が悪

それを飲んだ仔牛たちは

必ず体調を崩す。

当たり前の話だが

今まで売り物だった

健康な親牛の生乳こそ

仔牛を健康にする

のであって

今まで廃棄していた

不健康な親牛の生乳を飲ませたら

仔牛が不健康にな
るのは当然で

絶対に与えないでいただきたい。

IMG_4867親牛がコケたら

仔牛もコケる

という

負のスパイラルに

歯止めをかけて

健康な親牛を増やして

その乳を仔牛に与えて

仔牛の健康を

守っていただきたい。


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