北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

学者と臨床家

乳房からの出血(三たび!!)

「乳房から、また出血してるのですが・・・」

#牧場からの往診依頼だった。

なんと・・・

またまた乳房からの出血である。

半ば呆れながらも、

事態は大変なことになりそうな気配もあるので、

いつものように緊張した面持ちで、

#牧場に到着してみると、

IMG_1250問題の牛はすでに、

パーラーの枠に入れられていて、

肢を上げられていて、

乳房の出血部位を治療する準備が、

全て万端に整っている状態だった。

前々回

前回

に引き続いて

今回もまた、全く同様に

乳房の外側面を走る静脈に

穴が開いて

そこからの出血だった。

IMG_1251「・・・またか。」

「・・・はい。」

3回目もまたもや

乳房のほぼ同様の箇所から

勢いよく出血している牛を目の前にして

この出血の原因が

カラスの仕業であることを

もはや誰一人として

IMG_1253疑う者はいなかった。

私は再び

いや、三たび

この乳房の出血部の血管を縫合し

止血剤を打ち

治療を終えた。

IMG_1254頻度のそれほど高くない

乳房側面の血管縫合

という手技を

ここ1ヶ月も経ぬ間に3回も

繰り返し行っていると

なにやら、時間が空回りして

タイムスリップしているような気分になった。

そして、更には

こころなしか

IMG_1255自分自身の

乳房の血管の縫合処置の

手際がよくなって

技術が上達したようにも感じていた。

短時間に反復練習

いや

反復「本番」を

3回も繰り返せば

誰だってきっとそうなるに違いないと思った。

「・・・カラス、何とかしないとね。」

「・・・そうですよね。」

短期間に3回繰り返された

カラスの獣害だが

このままではいつ4回目が起こるかわからない。

大事なのは

治療技術などよりも

予防対策であることは

もはや言うまでもない。


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乳房からの出血(再び!)

「乳房から、また出血しているのですが・・・」

#牧場からの電話だった。

#牧場では、たったの10日前に、

乳房からの出血で往診したはかりである。

またか・・・

最近多すぎるなぁ・・・

と感じつつ、#牧場のフリーストールへ行ってみると、

IMG_1177写真のように、牛床と通路が、

赤い血で染まっていた。

「今のところ、血は止まったみたいなんですが・・・」

「でも、この前と同じみたいだから、枠に入れて、縫っておいたほうがいいね。」

「わかりました。」

牛は歩いているうちに

IMG_1184また左の内股あたりから出血を始めた。

枠に保定して

左足を挙げて見ると

左足の下腿部に隠れていた出血部位が露呈し

消毒液で洗浄すると

乳房の周囲を走っている血管から

IMG_1187血が放物線を描いて噴き出した。

10日前の牛は

乳房の右側の血管に穴が空いていたが

今日の牛は

乳房の左側の血管に穴が空いていた。

その血管の傷は見事に

IMG_118810日前の症例と左右対称の

全く同じような位置にできた傷だった。

とりあえず、前回と全く同じ縫合をして

出血を止めて、止血剤を打ち

治療を終了した。

それにしても

たったの10日という短い期間に

乳房の出血に2例も遭遇するとは

IMG_1189いまだかつてない出来事である。

それも

乳房の左右の内股の部分。

それは・・・

牛が立っている時は

後肢の下腿部に隠れて見えない部分。

IMG_1125しかし・・・

牛が横臥した時だけあらわになる

そんな場所の血管が

集中して損傷を受けたのだ。

「これは、やっぱりカラスしかありえないよね。」

「そうですね。」

想像すると

BlogPaintカラスは左の絵のごとく

横臥している牛の

後肢の下腿の付近に止まり

そこから乳房の表面に走っている血管を狙って

嘴でつついて出血させたのだろう。

カラスのそんな姿が

浮かび上がってくるのだった。 


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深夜の雪

「お産なんですけど、破水したのに、陣痛が全く始まらないんです・・・」

「わかりました。すぐ行きます。」

携帯電話が鳴ったのは、

午後9時30分を過ぎた頃だった。

和牛の繁殖農家の⌘さんからだった。

夜道に診療車を走らせて約20分、

空には星が見えていたが、

どういうわけか、

細かい雪がチラチラと降り続いていた。

・・・夜の風花・・・?!

そんな風情のあることを考えている間も無く

⌘さん宅に到着。

「分娩予定から、もう2週間遅れてるんです。」 

牛は大きな和牛で

今回が6産目だという。

「全然いきまないので、心配で・・・。」

手を入れると、胎児は生きていたが

産道の開きがまだ不十分だった。

「お産をさせる前に、まずカルシウム剤を打ちましよう。」 

和牛といえども

6産目ともなると、低カルシウム血症になることがあるし

今の産道の状態では

いきなり助産をするには少し早い気がしたので

カルシウム剤を打ちつつ

ひと呼吸置いてから、ゆっくり助産した方が良いと判断した。

それに加えて

⌘さんの和牛は半月ほど前に

お産の発見が遅れて、胎児が死んでしまった事故があったばかりだった。

そういうことがあると

次のお産の時は

絶対に死なせたくないという思いから

早く獣医を呼んで、万全を期すということになる。

私は、そういう⌘さんの気持ちを強く感じていた。

そういう場合、実際には

呼ばれるのが早すぎてしまうこともある。

カルシウム剤を打ち終わり

ひと息ついてから

「じゃあ、始めましょうか。ロープと滑車をセットして・・・」

「はい。」

「産道が狭いから頭にもワイヤをかけますね。」

「はい。」

「まず頭だけ軽く引いて・・・そう・・・」

「・・・」

「頭が・・・産道に・・・よし、乗ってきた。こんどは足をゆっくり引いて・・・」

「・・・」

「そのままゆっくり・・・仔牛のおデコが全部出たら・・・滑車を強めに引いて・・」

「・・・」

「よし、頭が出た。・・・引いて、引いて・・・」

IMG_1129ここは絶対に

生かして出さなければならなかったので

私も少し緊張したが

胎児は無事に誕生した。

IMG_1130大きめの♂だった。

産科道具を片付けて

挨拶を交わして

帰路につくと

来るときには星が見えていた空は

雪雲に覆われて

雪が盛んに降り始めていた。

途中の道ではさらにそれが激しくなり

IMG_1132分岐点や交差点が

降る雪でよくわからなくなってきた。

慣れている道だというのに

曲がる交差点を一つ間違えて

IMG_1134あらぬ所へ向かいそうになり

また引き返し

さらに激しくなる吹雪の中を

対向車にも気をつけながら

路肩にも落ちないように気をつけながら

IMG_1137ようやく

宿泊している事務所まで帰ってきた。

帰りの道のりは

行きの道のりの

倍近くかかったような

深夜の雪の中の往診だった。


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乳房からの出血

「乳房から血が出ていて、止まらない・・・」

午後3時頃、#牧場から電話が入った。

乳房からの出血の治療は、

1週間前に♭牧場でもやったばかりだった。

よく当たるなぁ、

と思いつつ、

#牧場の牛を診ると、

IMG_1100右後肢の飛節以下が血で真っ赤に染まっていた。

乳房はそこに重なる面がやはり血で真っ赤に染まっていた。

牛の顔を見ると、

その部分をしきりに舐めていたのだろう、

鼻と口が血で染まっていた。

IMG_1122「どこで見つけたの?」

「フリーストールから牛を追い始めた時、ポタポタ血が垂れていたんです。」

「今は、血は止まってるみたいだけど。」

「そうですね。」

「でも、また何かの拍子に出血するといけないから、どこから出ているか見ておこう。」

IMG_1102「はい。」

「右の後肢をロープで縛り挙げてみようか、削蹄するときみたいに。」

「わかりました。」

従業員の@君は、搾乳パーラーの中で手際よく

牛の右後肢を上げてくれた。

IMG_1111「あー、ここから出てるみたいだねー。」

「ほんとだ。」

「縫って、止血しておこう。」

「はい。」

従業員の@君は、牛の頭をモクシで固定し

牛の尻側にもロープをかけて

この牛をしっかりと保定してくれた。

出血部分と見られる箇所は

乳房の内側を走る7mmほどの太さの静脈だった。

小型の針に吸収糸をつけ

IMG_1112まず2針縫い

糸の張りを緩めて

出血のなくなったかどうかを確認して

まだ少し

血が滲んでくるので

IMG_1118もう1針

血がほとんど滲まなくなって

ダメ押しのもう1針

きれいに止血されたところで

縫合を終了。

その後、止血剤(バソラミン)を注射して

IMG_1120治療を終了した。

「出血の原因、なんだろう、何か思い当たるものあるかい?」

「えーっと、だいぶ前、この器具に引っ掛けて出血した牛がいました。」

その器具とは

パーラーで搾乳する時に

IMG_1121ミルカーのチューブを固定するための金属製のフックだった。

「これか・・・。」

「でも・・・」

「搾乳する前にストールで見つけたんだったら・・・」

「つつかれた・・・」

「奴らに・・」

「やっぱり、カラスですか・・・」

「その方が、ありえるかもね・・・」

IMG_1126今日の#牧場の周辺には

カラスの鳴き声が響いていた。

近くの電線や

牛舎の屋根に止まって

こちらの様子を伺っているカラスたちに

IMG_1123携帯のカメラを向けると

賢いからスたちは

危険を察知したように

空に舞い上がり

近くのカラマツの林に移動していった。


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2つの新聞記事(6)

乳牛の不健康。

乳牛の不足。

乳牛の輸入。

今、

酪農界は 

かつてないような異変が起きているように思う。

30年以上、酪農家に往診に回っている私はそう思う。

かつて、牛乳が生産過剰で、

生産調整をしたことは何回もあった。

たった5〜6年前にも、生産調整をしていたくらいだった。

それがどうだろう。 

酪農家の大規模化で

足腰を強くしたはずの酪農の

生乳生産力が

ガタ落ちしている。

乳牛は不健康になり

乳牛の寿命は短縮し

乳牛は不足し

乳牛の価格が高騰し

挙げ句の果てに

外国から乳牛を買ってくる始末。

この異変を

解決するためには

科学技術だけでは、もはやどうしようもない

獣医療だけでは、もはやどうしようもない 

農政担当の官僚の資質も、どうしようもない

そんな

出口の見えない状況になっているようだ。 

この異変を

牛乳を飲んでいる消費者の方々は

知っているのだろうか?

私は

この異変を

牛乳を飲んでいる消費者に

もっと知ってもらわねばならないと思っている。

消費者に知ってもらうためには

どうすれば良いか。

IMG_1063一番早いのは

値上げ、だろう。

それも

特殊なブランド牛乳の値上げではなく

誰もが普通に飲んでいる

IMG_1062最も売れている

「普通の牛乳」を

値上げしなければ意味がない。 

いちばん「普通の牛乳」の値段を

IMG_1053消費者が

「なぜ?」

と思うくらいまで

引き上げるのだ。

いつも飲んでいる牛乳が不足しているのだから

値上げは当然のはずだ。

そうすれば

マスコミも

IMG_1078異変を感じ

酪農界のことを

色々詳しく取材して

報道し始めるだろう。

先日の

2月11日(土)

近所のスーパーの乳製品コーナーでは

「普通の牛乳」が

1リットル175円で

相も変わらず

IMG_1060安売りされていた。

売り札には

「11日限り」

と書いてあった。

翌日の

2月12日 (日)

同じスーパーの乳製品コーナーで、また

同じ「普通の牛乳」が

1リットル175円で

またまた

安売りされていた。

IMG_1068売り札には

「12日限り」

と書いてあった。

あれ・・・?

2日続けて

1日限定(笑)

小売のスーパーさん

こんなことしてる場合じゃあないと思うんですけど・・・


(この記事、とりあえず、終わり)


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2つの新聞記事(5)

乳牛が足りなくなってしまったので、

乳牛をオーストラリアから輸入する。

そんな政策を進めている農水省の官僚の人たちとは、

いったい、どんな人たちなのだろう?、

そんな疑問を抱いていた矢先、

タイミングよくこんな時評が、

2月9日の十勝毎日新聞に掲載された。

IMG_1054筆者はおなじみの

元通産省官僚の古賀茂明氏。

古賀氏によると

官僚は3つのタイプに分けられるという。


第1は「消防士型」

第2は「中央エリート官僚型」

第3は「凡人型」


なのだそうだ。

そして

それぞれのタイプについて


ヾ盈修砲覆辰親圧

求める報酬

9駝院∋毀韻らの要請に対する態度

じ什澆梁垓に対する思い


という4つの項目についての違いで

3者を整理している。


「消防士型」は

〇毀韻鮗蕕襪海箸納匆颪帽弩イ靴燭ぁ

特別な報酬はいらない。強いて言えば、自分の仕事に対して「ありがとう」と感謝の気持ちを表してもらえればうれしい。

市民のニーズに何とか応えたい。今の仕組みで対応できなければ、予算、法律、条令などを変えてでも実現したい。

ずの待遇に満足、それ以上は望まない。

というタイプだそうだ。


「中央エリート官僚型」は

ー分が1番であることを証明したいので、1番難しいと言われる財務省に入った。

△舛笋曚笋気譴燭ぁ⊆分が偉いんだということを確認するためには、給料が高いということよりも、一般の人よりも大きな権限を持ち、みんなに頭を下げられるような地位にいることが大事。

市民はくだらないことを要求してくるので迷惑だ、しつこい奴らは「たかり」だ、1番優秀な俺たちが考えてやっていることに文句をつけやがって、うるさい連中だ。

て本一優秀な自分たちが夜中まで働いているのに、今の待遇は全く不十分だ、退職後においしい生活が待っているから何とか釣り合っている、天下り禁止なんて、全くおかしなことだ。

と考える、最もたちが悪いタイプで

これは財務官僚に多いそうだ。


「凡人型」は

\験彊堕蠅靴神験茲鯑世襪燭瓩砲聾務員が1番だ。

△修海修海竜詢舛搬狄Ω紊琉堕蠅靴神験菠歉磴ほしい。

F颪靴い海箸砲麓蠅鮟个靴燭ない、失敗したらバツがつくので、とにかく余計なことには関わらない。

い發少し給料を上げてほしい、天下りは生命線、何のために官僚になったのかわからなくなるじゃないか。

と考えるタイプだそうだ。


IMG_1054古賀氏は

この3つのタイプが

大体3分の1ずつ居る、という。

しかし、幹部クラスになると

「消防士型」の官僚はほとんどいなくなる、という。

ということは

「中央エリート官僚型」の多くが、財務官僚であることと

考え合わせると

農水官僚は

「消防士型」と「凡人型」がほとんどであるだろう。

さらに

農水省でも

幹部クラスには

「消防士型」がほとんどいなくなる

のであるから

農水省幹部の官僚は

ほとんどが「凡人型」の官僚

ということになる。

きっと

そういう「凡人型」の官僚たちが

今回の

乳牛のオーストラリアからの輸入

という政策を進めているのだ

と、思われる。

どおりで・・・

何も考えていない・・・

愚かな、政策・・・


(この記事、あと少しつづく・・・)


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2つの新聞記事(4)

声を荒げない 蹴飛ばさない 叩かない
フォークやスコップ等を持たない
観察が大事
人も牛も 同じ 生きもの
飼い主がしたくない されたくない事は
牛もされたくない
牛が喜ぶことは人も嬉しい それだけ
声かけが何よりも大事
生まれた瞬間から 声かけ」

これは、前々回の記事で、

うしらぶさんという酪農家の方から寄せられたコメントで、

あるベテランの70歳を過ぎた酪農家の言葉である。

この言葉はさらに続いて、

アニマルウェルフェア(家畜福祉、動物福祉)
動物の中には人間も入るんだもんね?
で、俺はね
酪農家のウェルフェア
やらなきゃいけないと思うよ。
やはり、酪農家が健全でなきゃ
健全な牛なんて
飼えるわけないのさ、うん。
この酪農家の健全性については
誰も問わないもんね。
規模拡大して、牛乳を沢山搾れって
税金使ったり、地域あげてやってるけど
やはり
酪農家の健全性を
どう皆で作り上げていくか?
で、どんなに頑張ったってね
人間が健全でなかったら
動物(牛)健全でなくなる。
じゃあ
酪農家の健全を
どうしたらいいか?」


前半の部分は

それぞれの農場で

いろいろな事情があるから

そっくりそのまま真似をすれば良いというものではないけれど

基本的な事として

「声かけが何よりも大事」

というのは

我々人間同士の付き合いもそうであり

核心をついていると思う。

さらに後半の部分で

「酪農家が健全でなきゃ、健全な牛なんて飼えるわけないのさ」

という言葉は

今とても必要なことを見抜いていると思った。

このベテランの酪農家さんの言葉をもって

乳牛のアニマルウェルフェア(動物福祉)についての話は

そろそろ終わりにしたいと思う。

ところが・・・

また、ところが、だ・・・

そんな矢先に

またまた新聞に

聞き逃すことのできない記事が出ていた。

乳用牛を生きたまま輸入するのに

補助金が出る

という話である。

輸入の相手国はオーストラリアだそうだ。

どういうことかというと

IMG_1008我が国の乳用牛の数が減り

乳用牛の値段が高くなってしまったから

外国から安い乳用牛を

輸入して

それを賄うというのだ。

こういう事をしたら

国内の

乳用牛を生産し

販売している酪農家の

個体販売の利益が

オーストラリアの酪農家に奪われてしまうことになる。

さらに

オーストラリアの牛の価格に引っ張られて

我が国の牛の市場価格が大幅に下がることが予想される。

いま

国内で乳用牛の個体販売で利益を得ているのは

多くが中小規模の

地道に子牛から乳牛を育てている酪農家である。

これに対して

子牛を育てることを放棄して

乳用牛を他所から買って

ただ搾っているだけの農場は

多くが大規模な酪農場である。

この新聞記事の内容は

売り手である中小規模の個体販売農家を苦しめ

買い手である大規模の搾乳しかしない農場を助ける

という政策のように見える。

外国で生まれ育った値段の安い乳用牛が

まるで奴隷のように

日本の大規模酪農場へ

次々と導入される。

日本の中小酪農家の

乳用牛の生産意欲はどんどん低下する。

その先には

日本の酪農全体が

乳用牛を外国から買わなくては生きてゆけない

巨大なギガファーム化してゆく

そんな姿も見えてくる。

こんなことを続けていれば

我が国の

「健全な酪農家」

どんどん減ってゆくだろう。

そして

我が国の

「健康な牛」

ますます減ってゆくだろう。


(この記事、もうちょっと続く・・・)


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2つの新聞記事(3)

「動物福祉」にしろ「アニマルウェルフェア」にしろ、

それを実践することは、

特別なことでもなんでもない、

と私は思うのである。

苦しそうな牛を見て「・・・かわいそうだ。」と思い、

その苦しみを解いてやろうとする心。

飢えている牛を見て「・・・そうかそうか。」と思い、

その飢えを満たしてあげようとする心。

そういう心がなければ、

「牛を愛する心」がなければ、

乳牛など飼育できるものではない、

と私は思うのである。 

自分は酪農ビジネスとして牛を飼育しているのだから、

そいうい心は必要がなく邪魔でさえある、

などと言う人もいるが、

そんなドライな感覚の酪農家にさえ

「牛を愛する心」がゼロの酪農家はいない、

と、私は信じている。

乳牛は我々と同じ赤い血が流れ

空気を吸っては吐き

水を飲み食物を食べては排泄し

我々人間となんら変わりのない生き方で生きている

と思えばなおさらである。

「牛を愛する心」を持って

酪農を実践することは

特別なことでもなんでもないだろう

と、私は毎日酪農家を往診して回りながら

そう思ってやってきた。

そういう現場に

突然登場したのが

家畜福祉、アニマルウェルフェアの考え方に基づく

認定制度だった。

「牛を愛する心」というものを

科学的に分析をして

いろいろな項目に分け

その実践の程度をチェックして

客観的に評価して

そこに線引きをして

合格不合格の差別化を図り

合格したもののみを

特別に「アニマルウェルフェア認定牧場」に認定し

そこから生産された乳製品に付加価値をつける。

という活動を始めたのが

アニマルウェルフェア畜産協会である。

この活動について

私は基本的には素晴らしい活動であり

これからもっと普及してほしいと思っている。

しかし、同時に

この活動は科学的手法の限界をよく表している

とも思うのだ。

「牛を愛する心」を科学的に分析して

いろいろな項目に分けて

その実践の程度をチェックして

客観的に評価して

そこに線引きをして

合格不合格の差別化を図り

合格したもののみを

特別に「牛を愛する心の程度の高い牧場」に認定し・・・

・・・そんなことをやっていれば

不合格になって認定されない牧場の人たちは

IMG_0357気分を害し

怒り出す人も少なくないだろう。

科学的手法というものは

多くがこういうものであると私は思っている。

科学的手法は

「愛する心」という奥ゆかしい感情を

上から目線で観察するだけなのである。

気分を害された人たちは

IMG_0358「口で言わずに、手本をやって見せてくれよ!」

と言い出す人もきっといるだろう。

ところが

実際のところ

酪農家の牧場形態は十人十色であり

牛の飼い方や接し方は十人十色であり

「牛を愛する心」の「お手本」と言えるものを

IMG_0910具体的に示すことなど、

そう簡単にできるものではないだろう。

「アニマルウェルフェア」の基準が

曖昧になるのはそのためだろうと思う。

ここに、私は

科学的手法の限界を感じるのである。

「愛」や「心」に対する科学的研究は

可能だが

その成果を現場に還元した時の

貧弱さ、底の浅さ、腹立たしさ、虚しさ、は

人の恋愛心理学などの成果を見れば、容易に想像がつく。

そんな、科学的手法の限界を感じつつ

IMG_0940毎日毎日

今回掲載した写真のような

疲れ切った牛達を前にして

私は

治療の薬を手にしたまま

暗澹たる気持ちになるのである。

科学的手法に頼ることなく

もっと広く

もっとあまねく

特別なことでなく

普通に「牛を愛する心」を持って

IMG_1020全ての酪農家が

それを忘れず

それを実践しながら

「健康な牛」を飼えるようになる方法は

ないものだろうか・・・

そのヒントになることが

実は

前回の記事に寄せられたコメントの

最後の方に書かれているコメントの中に

あるような気がするのだが・・・


(この記事続く)


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2つの新聞記事(2)

「牛は機械ではない。一緒に働く同僚のはず。農業は工業じゃないんです。」

アニマルウェルフェア畜産協会の、妹尾哲也代表のこの発言は、

酪農の効率優先、大規模化を進める国に対して、

それを考え直すことを促す、力強い言葉だと思う。

さらに、このアニマルウェルフェア畜産協会は、

牛の体の清潔さや牛舎の明るさや、尾を切らないーなど

IMG_100650項目の基準を独自に定め、

現在、3戸の酪農家を審査中で、

来年度中には、協会の認証マーク付きの商品が

市場に出る見通しだという。

協会の認証マークの付いた牛乳が一般市場に出回り

その美味しさが消費者に認められ

乳牛を大切に優しく飼われることの価値が

一般社会に広まってゆくことは

大変素晴らしいことであると思う。

こういう新しい価値を持った牛乳が

市場に出回ることを

私は大いに期待している。

もしそんな牛乳をスーパーの店頭などで見かけたら

普通の市販の牛乳よりも値段が高いことが予想されるが

必ず買って飲んでみたいと思っている。

そうすることによって

アニマルウェルフェア協会の認定農場が増える力になれる。

それは

牛を大切に飼う家族経営の小規模な酪農家の数が増えることを意味する。

まことに喜ばしいことで

私はこういう方向性に大賛成である。

大賛成である・・・のだが・・・

どうしてもそれだけでは・・・

満足できない・・・というか・・・

それだけではちょっと・・・

物足りない・・・というか・・・

どこか腑に落ちない・・・というか・・・

そんな思いを拭い去ることができない・・・

それは、どういうことかというと

アニマルウェルフェア協会の認定マークの付いた牛乳が

一体どれだけのシェアを取れるのか

という事とも関係している。

協会の認定マーク付きの牛乳は

認定マークの付いていない牛乳と比べると

非常に数が少なく

値段も割高であることが予想できる。

牛乳市場におけるシェアは

僅かなところに落ち着いてしまうことが想像できる。

つまり

認定マークの付いた牛乳は

高級ブランドの貴重な牛乳であり

贅沢品ということになる。

アニマルウェルフェア協会が認定した牛乳は

贅沢品とみなされてしまうことになる。

乳牛を大切に優しく飼って

健康な牛から搾った牛乳が

贅沢品・・・

というレッテルを貼られて店頭に並ぶことになる。

ここが

私の腑に落ちないところなのである。

アニマルウェルフェアの実践は

贅沢品を作るためだけの手段ではないはずだ。

高級ブランド牛乳があることには

私は大賛成だが

それを作るための手段としてのみ

アニマルウェルフェアが有るわけではないはずだ。

乳牛のアニマルウェルフェアの実践は

高級ブランド牛乳を生産する牧場だけではなく

普通の値段で飲める日常的な生乳を生産する牧場にも

乳製品への加工用の原料乳を生産する牧場にも

どんな牧場にも

なされなければならないはずだ。

それが私の願っている

「牛の健康」の姿である。

高級ブランドの認定マークの付いていない

圧倒的多数のシェアを持つ

圧倒的多数の「普通の生乳」を生産する牧場と

そこで飼養されている

圧倒的多数の「普通の乳牛」に対して

IMG_1004あまねく実践されるべき課題。

「牛の健康」を守るための

重要な課題が

我々の目の前に

立ちはだかっていることに

我々畜産関係者は

気が付かなければならないのではないか

と、私は思うのだ。


(この記事続く)



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2つの新聞記事(1)

先週の十勝毎日新聞の記事は、

我が町の、

そして十勝地方の、

酪農関係者にとっては、

聞き逃すことのできないニュースだったと思う。

ノベルズグループ(延與雄一郎社長)の、

「幕別デーリィファーム」が、

3年後の2020年までに

幕別町の駒畠(こまはた)地区の26ヘクタールの民有地に

IMG_1004牛舎20棟を建て

ロータリパーラー1箇所

パラレルパーラー1箇所

を設置し

4300頭の乳牛を飼い

47000トンの生乳の出荷量を目指す

大規模酪農場を作る計画を

正式に発表した。

生産した生乳の出荷先は

JA幕別町になる見通しだという。

1月23日に

幕別町役場で記者会見が行われた内容を

翌日の新聞が報じていた。

さて

その一方で

1月30日の

北海道新聞の帯広・十勝版には

このような記事が出ていた。

帯広畜産大学講師の瀬尾哲也氏が

昨年5月に

アニマルウェルフェア畜産協会を設立し

代表理事に就任した。

この記事もまた

我々十勝地方の

酪農関係者には

IMG_1006聞き逃すことのできない記事であろう。

そこには

「効率優先、大規模化を進める

国や日本酪農への問題提起。」

として

「牛は機械ではない。一緒に働く同僚のはず。農業は工業じゃないんです。」

というコメントが載っていた。

奇しくも

わずか数日の間に

私の住む地域のニュースとして

このような対照的な出来事を報じる記事が

新聞に掲載されたのだった。


(この記事続く)


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「牛のニコイチ捻転去勢法」

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乳房の膿瘍

稟告は「起立不能」だった。

牛が坐り込んでいるところへゆくと、

ずいぶんと疲れた表情の牛が、

一瞬、私を恨めしそうに見て、

また視線を遠くへ移した。

「ずっと乳房炎やっていたんですけど・・・今朝から、立てなくなってしまって・・・」

IMG_0940▲牧場の従業員は、

そう言って牛を立たせようとして、

体を揺すってみたりしたが、

牛は数センチ体を持ち上げただけで、

再びへたり込んでしまった。

「左の前の乳房が、ずいぶん腫れているね。」

「はい、そこがずっと悪かったんです・・・」

私は左の前の乳頭を掴んで

乳汁を絞り出そうと

乳房を押してみたら

ポチャ・・・ポチャ・・・

という音がした。

何か、液体が溜まっているような音だった。

乳房に液体が溜まる、と聞けば

乳牛を知らない人であれば

乳房に乳汁が溜まっている、と思うかもしれない。

しかし

乳房に蓄えられる乳汁というのは

乳腺細胞とその周囲にぎっしりと溜るので

乳房をどれほど揺すっても

決してチャポチャポというような

水分の溜まったような音は聞こえることはない。

この音は明らかに異常だった。

「何か悪いものが溜まっているんだね。」

私は即座に、これは乳房の膿瘍だと思った。

「針を刺して中身を吸ってみるね。」

IMG_0939車から注射器と留置針を取ってきて

乳房の問題の箇所へ

ゆっくりそおっと穿刺した。

「あー、やっぱり・・・」

刺した針の口から

水分の高い化膿汁が吹き出てきた。

▲牧場の従業員君はこれを黙って見つめていた。

IMG_0938「・・・。」

「ずいぶん我慢したねぇ・・・」

「立てるようになりますかね・・・」

「わからないけど、やるだけやってみよう。」

私は、穿刺した針をそのままにして

この牛の治療の準備を始めた。

補液剤と抗生物質を持ってきて

投与を開始しようと牛に近づいた時

IMG_0941牛はもがきながら

足を踏ん張って

バタつきながらも

なんとか自力で起立した。

「あ、立った!」

▲牧場の従業員君は少し驚いたようだった。

この牛に、どれ程の気持ちがあったのかは

未だに不明だが

不健康な体ながらに

この牛が

一生懸命生きようとしていることは

間違いのないことであり

毎日数キロに満たない乳汁を

搾り出しながら生きていることも

間違いのないことであった。

BlogPaint後日

この乳房の膿汁の

細菌検査の結果が来た

それによれば

αーstreptococcus

が検出された。


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重種馬つながりの新年会

「研修所のM木先生が講義に来られるので、その晩飲みませんか?」

帯広畜大のN保先生からの電話だった。

私は二つ返事でもちろんOK。

その日を楽しみに待ち、

先日、帯広の居酒屋へ集合した。

私が小上がりで待って居ると、

まずN保先生がやってきた。

続いて、M木先生がやってきた。

「あともう一人は・・・?」

「I井先生です。もう少し待ちますか。」

「I井先生と飲むのは、久しぶりですねー♪」

しばらくして、I井先生がやってきた。

「どうも、お待たせしました。」

「お久しぶりですねー。」

「この面子と聞いたら、外せないですよ(笑)」

 「・・・では、乾杯。」

和やかにはじまったプチ新年会は

私の敬愛する先生方ばかりの

嬉しい飲み会だった。

今回の4人の獣医師の共通項といえば

重種馬の繁殖である。

かつて重種馬の繁殖管理や分娩管理についての

データーを集めて共同研究をしたことがあった。

その後

M木先生は十勝NOSAIから野幌の研修所へ

I井先生は畜大から開業へ

N保先生はJRAから畜大へ

と、それぞれの道を進まれて

重種馬の繁殖に止まらず

皆さん、多方面で

八面六臂の活躍をされている。

そんな獣医療界の最先端をゆく3人の先生方と

気のおけない飲み友達で居られる私は

つくづく幸運であると思った。

これも、重種馬の繁殖に興味を持って

今まで仕事をしてきたおかげかなと思った。

重種馬に感謝である。

M木先生とは、もうかれこれ30年近い付き合いになるし

I井先生とN保先生とも20年以上、いろいろとお世話になってきた。

若い頃は

このメンバーで飲んだ時は

仕事の話ばかりをしていたような記憶がある。

各地方の色々な獣医学会などへ

私がたまに参加する時には

3人の先生方は、必ず講師や座長などで参加されているので

私にとっては、3人とも学問の師という思いがある。

夜遅くまで飲んでも

学問と仕事の話ばかりをしていたのは

皆さん本当に、真摯に仕事に打ち込まれているからだろうと思う。

今回の飲み会も、そういう感じで始まったが

少し違ってきたのは

それぞれのご家庭のことやら趣味のことやら

プライベートな話題でも

いろいろと盛り上がるようになってきたことだ。

私もついつい、日頃の由無し事を話しまくって

気持ちよく発散をさせていただいたような気がする。

みなさんそれぞれ

色々な人生の荒波を乗り越え?!

IMG_0987円熟味を増して

ますます進化し続ける

3人の先生方なのであった。

「またやりましょう!」

楽しい時間は瞬くまに過ぎ

またの再会を約束して

それぞれ

深夜の帯広の街を

後にしたのだった。


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仔牛の跛行の原因は・・・

生まれて1週齢の仔牛が、

突然、

右の後肢を引きずり始め、

立つことさえままならず、

その症状は、

次第に悪化してきた・・・という

そんな稟告で向かった★ファーム。

問題の仔牛を診てみると

哺乳欲はそこそこにあるが

介助をしないと立つことが出来ない。

右の後肢を動かすことが出来ない。

立たせて歩かせてみると 

右後肢の懸垂跛が著しい。

股関節付近が

大きく腫れ上がっている。

股関節付近の打撲か?

股関節炎か?

股関節の脱臼か?

親牛に踏まれたのか?

骨盤の骨折か? 

などの症状が頭をよぎる中

触診をしてみると

ソフトボール大に腫脹した

右の股関節付近には

波動感があった。

「針を刺してみよう。」

超音波装置は

一人一台づつは持ち歩いていないので

こういう腫れ物の内部を診断するための

手っ取り早い方法は

穿刺検査である。

注射針を刺してみると 

IMG_0911「ああ、これは・・・」

トロリとしたクリーム状の

化膿汁が吸引されてきた。

股関節部に形成された

大きな膿瘍だった。

どうしてこんなに大きな膿瘍が

このような場所にできたのか

理由はよくわからなかったが

治療方法は簡単だ。

「切って出しましょう。」 

私は

膿瘍の切開術の準備を始めた。

ここまでくればもう

この先は一本道である。

IMG_0914仔牛を寝かせて

抗生物質を注射し

切開部分の周囲の毛を刈り

洗浄消毒して

IMG_0916メスを入れる。

切開部からは

思った以上の

大量の膿汁が溢れ出てきた。

IMG_0919指で圧迫すると

さらに大量の膿汁が溢れてきた。

ゆびを入れると

膿瘍の内腔は

IMG_0921私の拳が入ってしまいそうな大きさだった。

内容をほぼ全部絞り出すと

仔牛の右後肢は

左右対称の正常な姿に戻った。

IMG_0924治療はこれで

無事終了した。

念のため

化膿汁をスワブに採り

細菌培養を依頼した。

BlogPaint結果は写真の通り

「好気性菌の発育を認めず 」

という

コメントが返ってきた。


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後肢吊り上げ法による子宮「脱」整復(2)

牛を吊る道具もなく、

場所も状態も制限されたために、

止むを得ず採用することになった、

後肢吊り上げ法による、

子宮脱の整復だった。

しかし、

採用してみると、

これが実に楽で、

スムーズに子宮を腹腔内へ完納することができる、

IMG_0897なかなか良い方法だった。

子宮の整復を終えた後

IMG_0902

陰部を巾着縫合して

吊った牛を下ろし

後片付けをしていると

「あれっ・・・」

牛の様子がおかしくなってきた。

断続的に大きく

四肢をばたつかせるようになった。

目を見開き

口を大きく開けるようになった

「あっ・・・これはヤバイ・・・」

気付いた時はもう

四肢のばたつきと

開口露舌の繰り返しは止まらず

眼光はしだいに彼の世へ向かって

死出の旅立ちを始め

数分後には

息を引き取ってしまった。

「・・・ダメだったか・・・」

「・・・ダメでしたね・・・」

「・・・親子で逝っちゃったか・・・」

「・・・そうですね。」

「・・・助けられなくて申し訳ない・・・」

「・・・いや、でもなんかこの牛、こうなっちゃうような気がしたんですよ。」

£さんの

落胆と慰めの混ざったような言葉に

妙に納得させられた私だった。

それから私は

淡々と後片付けを続け

診断書を書いて£さんに手渡し

次の往診へと向かった。

BlogPaint翌々日

血液検査の結果が来た。

検査項目には

これと言った大きな異常値は見られないようだった。

最も気になっていた

カルシウム濃度は

7.2 m/dl

と、

低値ではあるが

それが影響しているとは言い難い

微妙な値だった。

今回の牛の

子宮脱の原因は

いったい、何だったのだろうか・・・

そして

子宮脱の整復した直後に

死亡してしまった原因は

いったい、何だったのだろうか・・・





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後肢吊り上げ法による子宮「脱」整復(1)

1月2日の午前、

往診2軒を終えて3軒目へ移動中に、

携帯電話が鳴った。

 「£さんの牛が子宮脱らしい。頼みます。」

緊急携帯を持っているS獣医師からの連絡だった。

 到着した時、親牛は

首を投げ出して横臥していた。

「朝7時頃産んだんですけど、その後、9時頃来たら子宮が・・・」 

仔牛は残念ながら死産、

親牛も力なく頭を上げることもできず

牛舎の柵に背中を向けて横臥していた。

「これでは、牛の腰にハンガーを掛けられないね。」 

BlogPaint起立不能の牛の子宮脱を整復するには

横臥したままでは腹圧が強くてうまく行かないので

骨盤(産道)を高い位置に保定する必要がある。

その場合、私は普通はカウハンガーを腰に取り付けて

骨盤(産道)を持ち上げて整復する。

ところが今回の場合は

それがうまくできそうにない。

「とりあえず、まずカルシウムを打って・・・」

£さんの牛は和牛だった。

しかし、子宮脱で起立不能で

経産牛の場合は

経験上ほとんどが低カルシウム血症であったから

私は採血の後、ためらわずカルシウム剤を投与した。

カルシウム剤を打ちながら£さんとしばし思案。

「このままだと吊れないし・・・」 

「ハンガーはかけられないですね・・・」 

「寝返りもできないし・・・どうしよう・・・」 

「後ろ足を縛って吊り上げますか?」 

「それ、いいかもしれない・・・やってみようか・・・」

£さんの機転で治療方針が決まった。 

後肢吊り上げ法である。

後肢吊り上げ法・・・というのは

普通は

子宮「捻転」を整復する時に採用する方法だ。

しかし、今回は

子宮「脱」を整復するために採用することになった。

私には初めての試みだった。

IMG_0886記念すべき瞬間(!?)の到来となったので

準備をしながら

£さんの奥さんにカメラマンをお願いした。

後肢を吊り上げて

骨盤(産道)を適当な位置まで持ち上げると

IMG_0892これがなかなか

整復するのに良いポジションとなった。

今回の子宮は胎盤停滞はしていなかった。

微温湯で洗浄し

IMG_0893用手整復に取り掛かった。

子宮は脱出してからまだ数時間以内で

半分程度の脱出で

浮腫もなかった。

IMG_0896怒責もあまり強くなかった。

子宮脱はあっさりと

整復されて

腹腔内に戻すことができた。


(この記事続く)

 
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難産介助(側頭位の整復)

「前足は来ているのに、頭が全く触れないんですが・・・」

そんな電話が来て向かった、〓牧場の牛の難産。

手を入れてみると・・・

なるほど前足ばかりが産道へ侵入していて、

頭には全く触ることができない。

完全な側頭位になっていた。

強い陣痛の隙を狙って、

腕を手一杯挿入して、

その奥を探ってみると、

胎児の耳の先端と後頭部に、

辛うじて指先が触れた。 

胎児の頭は、完全に向こうを向いてしまっていた。

胎児は自らは全く動かなかった。

「直せますか?」

「やってみましょう。」 

私は側頭位の整復を試みることにした。

そのままでは陣痛(怒責)がきついので

IMG_0801子宮内の収縮がを抑えるために

プラニパート(塩酸クレンブテロール)を注射。

羊水が減っていたので

プロサポ(粘滑剤)を約10リットル注入。

IMG_0797そうしておいてから

用手整復に取り掛かった。

今回の難産介助の

ポイントはいうまでもなく

胎児の頭である。

まず胎児の前足を目一杯押し戻したが

胎児の頭の向きは変わらず

IMG_0799手掛かりが耳の先端のみ

というのは変わらなかった。

そこで産科器具のショットラーを使って

胎児の頸を挟むこと数回試みた。

ところが、私はショットラーを1つしか持っていなかったので

2本使った組み合わせ技(たぐり寄せ)ができなかった。

しばらく胎児をゆするなどしたが進展がなかった。

IMG_0795そこで登場させたのが

この産科器具

名前はなんというのかは知らない。

器具の中央には

IMG_0794HAUPTNER

という印字が彫られている。

この器具に

産科チェーンを取り付け

この器具を胎児の頸と胴体の隙間に差し入れる。

IMG_0794胎児の頸の背側から差し入れた器具の先が

胎児の頸の腹側から差し入れた手に辛うじて触れた。

それをたぐり寄せることで

胎児の首に産科チェーンを掛けることができた。

そのチェーンを引きながら

しばらく胎児を強くゆすり

再び手を入れてみると

耳の先端しか触ることのできなかった胎児の頭部の

額と眼窩に手が届くようになった。

眼窩に手が届けばしめたものである。

眼窩に指を掛けることができれば

IMG_0800そこへ今度は

産科鈎(こう)を掛けて

掛けたロープをそのまま保持し

胎児の足を強く押し込む。

と、胎児の頭が

上を向くように

反転し始めて

ついに

こちら向きになった。

これで胎児の頭部の整復が完了した。

次に

押し込むことで屈折してしまった前足2本を

整復した頭部の横に揃えて戻し伸ばして

ようやく

産道の上に

胎児の頭と前足2本が揃った。

「よし、これであとは、普通のお産だね。」

〓牧場のスタッフといっしよに

滑車を使って胎児を牽引した。

IMG_0792大きなメスだった。

しかし

残念ながらすでに死亡していた。

親牛は疲れて寝ていたので

カルシウム剤などの補液をセットして

IMG_0793産科道具を片付けて

次の往診先へと向かった。

朝1番目の診療だったが

時計を見ると

午前11時を回っていた。


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初産牛の子宮脱(2)

子宮脱星を支配するナゾの巨人、

子宮脱大魔王の正体を暴くために取り組んできた(?!)、

子宮脱最中の牛の、

血中カルシウム濃度の測定。

先日ようやく、

最も気になっていた初産の牛の、

子宮脱時におけるカルシウム濃度を測定する機会を得た。

これまで私がカルシウム濃度を測定してきた子宮脱の牛たちは

たしか7〜8頭だと思ったが

全て経産の牛であった。

それらの血中カルシウム濃度は

ことごとく低値で

ことごとく 3〜4 mg/dl 前後の

強い低カルシウム血症を示していた。

そこで

私は

「牛の子宮脱の必要条件の一つは、低カルシウムである。」

という仮説を立ててみた。

この仮説を実証するためには

経産牛子宮脱の血液ばかりではなく

どうしても、未経産牛

すなわち、初産の子宮脱の牛の

血中カルシウム濃度も測定して

それが、経産牛と同様に

低カルシウムであることを示さなければならなかった。

IMG_0507そして先日、とうとう

その機会がやってきたわけである。

もし、臨床検査センターに出した

初産の子宮脱の牛の血液が

低カルシウムであったならば

私の仮説は

俄然、現実味を帯びてくることになる。

私は、その結果が

臨床検査センターのWEB上に出されるのを

楽しみに待っていた。

そして

先日ついにその結果を見た。

それは以下の写真の通りだった。

BlogPaint











クリックして拡大して見ていただければわかるが

血中カルシウム濃度は

9.7 mg/dl 

・・・ということは

正常値。

・・・ということは

私の立てた

「牛の子宮脱の必要条件の一つは、低カルシウムである。」

・・・という仮説は

見事に否定されてしまった。

低カルシウム血症は牛の子宮脱の必要条件ではなかったのだ・・・

経産牛の子宮脱には

必ずといってよいほど見られる低カルシウム血症が

初産牛の子宮脱では

見られなかった。

私の推理は根底から崩れ去ってしまった。

子宮脱という病態と

低カルシウム血症という病態が

私の頭の中では強くリンクしていたのに

今回の血液検査で

その両者が一気に

遠く離れて

どこかへ飛んで行ってしまった。

窓の外を見ると

遥か夜空の銀河の淵の

子宮脱星のある方角から

私をあざ笑うような

子宮脱大魔王の

不気味な声が

微かに

聞こえてくるのだった・・・


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初産牛の子宮脱(1)

先日のまだ暗い早朝、

子宮脱の往診依頼が入った。

子宮脱の治療は約3ヶ月ぶりか、

子宮脱星を支配する子宮脱大魔王は、

当直の私にビーム照射することを忘れてはいなかったようだ(泣)。

「昨日の夜お産して、今朝来たら子宮が・・・」

「何産目?」

「初産です。」

初産・・・

初産の子宮脱だった。

私はとうとう、初産の子宮脱に遭遇した。

じつは、初産の子宮脱に遭遇することを

私はここ数年

密かに待ち望んでいたのだった。

なぜかというと

それは

血中カルシウム濃度を測ってみたかったからだった。

ここ数年

私は牛の子宮脱に遭遇するたびに

治療の前にまず採血をして

血中カルシウム濃度を測るようにしている。

そして

ここ数年

それらの牛たちの血中カルシウム濃度は

ことごとく、全て、低値だった!

その事実に基づいて

私はある仮説を立てている。

それは

「牛の子宮脱の必要条件の一つは、低カルシウムである。」

というものだ。

但し

ここ数年、私が遭遇した子宮脱の牛は

全て、経産牛だった。

したがって

測定した血中カルシウム濃度は

全て、経産牛のデーターだった。

さて

牛の臨床獣医師であれば

誰もが当然

経産牛の分娩時の血中カルシウム濃度は下がっているものが多いが

初産牛の分娩時の血中カルシウム濃度は下がっていないものが多い

という事を知っている。

今回

ここで、もし

初産牛の子宮脱時の血中カルシウム濃度が

低値になっている事を確認することができたら

私の「牛の子宮脱の必要条件の一つは、低カルシウムである。」という仮説は

仮説から真実へと大きく前進することになる。

私は

IMG_0504初産の子宮脱の牛を目の前にして

内心少しワクワクしながら

採血をして

カルシウム剤を投与してから

IMG_0505子宮脱整復の治療に取り掛かった。

牛は自力では立つことができなかったので

カウハンガーを装着し

吊起しながら

IMG_0508子宮を押し込み、整復した。

整復棒を挿入し、子宮を完納し

外陰部を巾着縫合した頃

牛はようやく立つことができた。

IMG_0511全ての応急処置を終え

事務所に戻り

カルテを書き

臨床検査センターへ

血液検査の依頼書を書いた。

はたして

今回の

初産牛の子宮脱の

血中カルシウム濃度はいかに・・・


(つづく)


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hig先生・来帯(5)

「骨が折れようが、腸が捻れようが、産道に穴が開こうが、治す方法はあります。」

IMG_0491hig先生は講演会の最後を、

こんな言葉で締めくくった。

死亡原因の上位を占める難しい症例でも、

治す方法は「ある」、

というメッセージである。

多くの難しい症例に立ち向かって来たhig先生の言葉には重みがある。

それは、長年培ってきたサラブレッドの個体診療技術に対する

hig先生の経験と自信に裏付けられた言葉だと思われる。

IMG_0501では、これに対して

我々十勝の

あるいは牛の診療の多い地区全ての

獣医師たちの個体診療技術は

自らどれだけの経験と自信を持っているだろうか。

目の前の馬が、目の前の牛が、

骨が折れたら・・・本気で治療せず(できず)に・・・廃用・・・

腸が捻れたら・・・本気で治療せず(できず)に・・・廃用・・・

産道に穴が開いたら・・・本気で治療せず(できず)に・・・廃用・・・

我々は、そんなことを繰り返してきたのではないだろうか。

死亡原因の上位を占める難しい症例を前にして

我々牛の診療主体の地域の獣医師は

それらの牛や馬を廃用にすることで終りとし

その症例の詳しい記録を残さず

未来の症例治療に役立たせるデータの蓄積もせず

繰り返し襲ってくるそれらの症例を

繰り返し右から左に

同じ様に廃用にするばかりで

治癒に向けて本気で個体診療をするのを怠ってきたのではないだろうか。

我々牛の診療が主体の獣医師たちは

ある時期から・・・

病牛を治療をすることよりも、病牛の発生を予防をすることに重点を置くようになり

病牛の個体を診ることよりも、病牛の少ない牛群を管理することに重点を置くようになり

そのような牛群のなかで

不幸にして病気になってしまう個々の牛に対しては

個体診療技術を駆使して治癒させる方法を選ばず

生産性、コスト低減、群管理、などという大義名分の下に

病気の個体を安易に抹殺処分にしてきたのではないだろうか。

ある時期から・・・

その「ある時期」とは

いつ頃からなのか、といえば

プロダクションメディスン(生産獣医療)という考え方や

ハードヘルスマネジメント(牛群健康管理)といった考え方が

わが国の酪農業界に入ってきた時期と

一致するのではないかと

私は考えている。

当時はこの新しい考え方が業界内を席巻し

予防獣医学・生産獣医療こそ

これからの新しくて輝かしい獣医療であり

個体診療をしている獣医師というのは「火消し屋」に過ぎない

などと揶揄されたものである。

しかし、今

慢性的な牛不足による

牛の個体価格の高騰がつづく酪農業界の中で

我々牛の獣医師が求められるようになってきたのは

かつて「火消し」と揶揄されていた

個体診療の技術なのである。

個体診療というものは

薬物や医療施設や医療器具を駆使した

獣医師でなければできない

獣医師本来の仕事といえるだろう。

それに対して

生産獣医療や疾病予防というものは

薬物や医療施設や医療機器などはほとんど使わない管理技術であり

本来は畜産経営者や経営コンサルタントがするべきもので

獣医師が本来すべき仕事とは違うものなのではないかと思われる。

牛の診療が主体の獣医師たちは、今

獣医師本来の仕事である

個体診療の技術に

もう一度立ち返って

個体診療の技術を

真剣に学び直す時期に来たのではないだろうか。

主にサラブレッドを診療する獣医師である

hig先生の講演を拝聴して

私は

そういう思いを強くした。


(このシリーズ終わり)


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hig先生・来帯(4)

hig先生の講演の三番目の山場は、

骨折の話だった。 

馬の三大死亡原因の一つに数えられる骨折は

四肢をよく動かす馬に非常に多い外傷事故であり

特にサラブレッドのような気性の激しい競走馬では

職業病的な大怪我と言えるだろう。

そんな骨折に立ち向かい

数々の難しい症例を治癒させてきた

hig先生の骨折治療の話は

たいへん説得力があるが

一方で

サラブレッドをほとんど診ることのない我々十勝の獣医師たちにとっては

雲の上の存在かもしれない。

しかし、そんなレベルのhig先生が

IMG_0488今回は

雲の下まで降りてきて

重種馬の骨折の治療

さらには

牛の骨折の治療について

IMG_0498非常に丁寧に

解説してくれた。

我々が骨折の治療をするといえば

今現在は、キャストを巻く外固定ばかりである。

そのキャストの巻き方にはまだまだ間違いが多いとhig先生は言う。

「下巻きの綿は不要。」

綿をグルグルと厚く巻き

それからキャストをぎゅうぎゅう圧迫して巻くのは間違いで

骨折部が固定されず、かえって骨癒合の妨げになる。

「下巻きはストッキネットで薄く、キャストはコロコロと転がすように」

巻いてゆくのがよいと言う。

それは、重種馬や牛でも同じことで

馬や牛の四肢は解剖学的に言うと

「足ではなく指である」

からである、とhig先生は言う。

ただし

そのようなキャスト巻きによる外固定が成功するのは

筋層の薄い、中手骨や中足骨の骨折である。

筋層の厚い、橈骨や脛骨さらに上腕骨や大腿骨は

「キャストによる外固定では限界が」

あり

たとえ骨癒合しても、変形して癒合するなど

きちんと治癒しない確率が高い。

そこで登場するのが

プレートによる内固定の技術である。

hig先生は、Bovine orthopedics(牛の整形外科)という本の中から

「牛では、プレート固定が通常もっとも安定した内固定を提供する。」

「内固定は、経済的に高価な牛の骨折だけでなく、いくつものタイプの骨折において、外科手術による、速く、問題のない治癒が達成される。」

IMG_0503という言葉を引用して

我々十勝の獣医師たちに

プレートによる内固定技術の習得を

強く勧めている。

「牛の骨折で、今までは治せなかった骨折が治せるようになる」

という技術。

それが

IMG_0502プレートによる内固定の技術である

と、hig先生は明言しているのだ。

その詳しい内容は、ここでは書ききれないが

hig先生が、今回の講習会でもっとも言いたかったことの一つが

これだったことは間違いないと思う。

IMG_0495それは

今回の講習会のために

hig先生はわざわざ、和牛子牛の後ろ足を一本と

必要最小限のプレート固定の道具を持ってきて

我々の目の前で、プレート固定を実際に披露してくれた

ということでもよくわかる。

この時

私と、後輩のS本獣医師が

子牛の足を保定・保持する役目をやったのだが

私が全く初めての経験だったせいで、要領を得ず

骨折部位の仮止めまでの時間をかなり長引かせてしまった(汗)

NEC_0034ただ、そのおかげで

私はこの歳で初めて

牛の内固定術の実習をすることができ

なんとなくこんな感じで進めてゆくものなのだ

ということを、身を以て体験することができた♪

会場にいた獣医師のの中でも、私と同じように

牛の内固定技術を実際に見るのは

全く初めてだったという獣医師が

きっと

多くいたに違いない。


(この記事もう少し続く)


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左の写真の道具を使う


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