毎日往診に行く酪農家の牛舎で

個人的な好みを言わせてもらうならば

image私は、繋ぎ飼いの牛舎が好きである。

繋ぎ方式ではない代表格の

フリーストールという牛舎は

私は、正直あまり好きではない。

特にこれからの季節は、繋ぎ牛舎に比べて

フリーストールは大変寒い。

また、それに加えて

フリーストールの牛は捕まえるのに苦労する。

フリーストールの通路は牛糞で汚れ、靴が汚れやすい。

フリーストールの牛は競争が激しく、殺伐としている。

などの理由で

私は、フリーストールより繋ぎの方が好きでなのである。

しかし

繋ぎ飼いの牛舎でも

牛が外へ運動に出されないで

牛が年中繋がれっぱなしとなると

私の評価は下がってしまう。

先日往診に行ったβさんの牛舎も

牛を出さずに繋ぎっぱなしで飼うようになった1軒だった。

「今の牛って、すごく乳がでるでしょ。」

「そうなんだけどさー、初産からガンガン出ちゃうと、俺のとこじゃあ牛がぶっ倒れるさー」

「倒れる?」

「牛が持たないんだよなー」

「・・・」

「昔は10才くらいの牛がいっぱい居て搾ってたんだけど、今はせいぜい4〜5産。そこまで持たないんだよなー」

「今の牛の泌乳能力ってすごいよね。」

「出過ぎて、痩せてくるんだよなー」

「で、発情がわからなくなる。」

「わからんのさー」

「そういえば、最近、牛外に出してるの?」

「・・・それがさー(苦笑)」

「出してない?」

「そーなのさー」

「うーん ・・・運動不足、発情見逃し・・・」

「わかってんだけどさー、パドックもこたこたになってるし、乳房炎拾ってくるしさー」

「まーねぇ・・・」

「昔は昼寝の時間も惜しんで牛の出し入れはやったもんだけどさー、牛を出さなくなったらさー」

「出さなくなったら?」

「楽だぁー(笑)」

「クッ・・(苦笑)」

「だもんだから、息子に仕事せーって言ったって全然やらんのさー(笑)」

「まぁ、親父が昼寝してたらそりゃ、やらんわ。」

「息子は、こんな楽な商売は無い、とか言い出すしさー」

「で、その分みんな牛に負担がかかってくる。」

「そーなのさー」

「それじゃ、牛の寿命も縮まるって。」

「まったくなー(苦笑)」

かくして

また1軒

繋ぎ牛舎の

繋ぎっぱなしの酪農家が

増える事になるのだった。


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