「クソ喰らえ!」という罵倒の言葉がある。
これを丁寧に言うと「ウンコ、食べませんか?」となるのだろうか 。
仔馬は生まれてから2週間くらいまで
親のウンコをよく食べる。
いわゆる食糞行動、その理由は色々考えられるが
実際本人はどう思って食べているのかと想像すると
やはりきっと、美味いのだろう。
「仔馬が親の糞食べて咳き込んでるんだけど、大丈夫だろうか?」
先日そんな稟告で往診した。
聴診器を当て、肺音や気管音が正常なことを確かめて
熱もなく、元気なので簡単な手当てで帰ってきたその晩
また同じ家から往診の依頼が来た。
「飲んだお乳が鼻から出て来るんだけど、詰まってるんじゃないだろうか?」
駆けつけて診て見ると
仔馬はお腹が減って乳首に食いつくのだが
飲んだお乳をうまく飲み込めずに、直ぐ口を放してしまい
その後白いお乳が鼻から垂れて来るた。
食べた糞による食道梗塞になっていた。
カテーテルを入れると咽頭から数センチの浅い部分で止まった。
カテーテルに水などを入れて開通させようとすれば
梗塞部位が浅いので、その水が気管へ漏れて危険である。
こんな症例に遭遇するのは初めてだったので
馬のスペシャリストの ドクターH氏に電話相談した。
「どんな親の糞、硬いの?」
「いや、そんな特別硬いような糞じやないけど・・・普通の糞。」
「それなら、仔馬が乳を飲めないようにしたらいい。口籠(くちかご)とかある?」
「うーん、無いけど、なんとかするか・・・」
「飲めないようにしておいて、ひと晩もしたら、普通の糞くらいなら自分の唾液で流れて開通すると思うよ。」
「わかった、やってみます、ありがとう!」
かくして、ドクターH氏のアドバイスの通りに
ペットポトルの底に穴をあけ、即席の口籠にして
仔馬の口に装着して、一晩様子を見ることにした。
この即席の口籠は同行したO獣医師の発案で
なかなかグッドアイデアだった♪
翌日、口籠を外したら
仔馬の食道の梗塞は見事に解消し
仔馬はゴクゴクと喉を鳴らして親の乳首に食いついていた。
これにて、一件落着。
と・・・おもいきや・・・
「仔馬がまた、糞食っちゃって咳き込むんだわ。」
と飼主の§ さんから電話が来た。
「まだ詰まってはいないみたいなんだけど、どうしたらいいべ。」
「うーん・・・お乳も飲ませなきゃならないしなぁ・・・」
「飲ませたらまた、もうすこし口籠付けとくかね。」
「そうだね・・・」
そして、数日後
「仔馬、どうだい?」
「いやぁ、まだ糞食うんだよ。」
「まだ、食べんの・・・」
「それが、親のケツに付いて回ってね、糞たれるの待ってんだから、どーもならんさ。」
「・・・(笑)」
「古い糞には見向きもしないで、新鮮なやつに飛びつくんだから。」
「へー、すごいね。」
「口籠はもう大変だから、轡(くつわ)にしたさ。」
食糞行動はおさまらなかったものの
その後
食道梗塞にはならなかった。
それからまた
数日後
この仔馬はようやく
親のウンコを食べるのを止めたそうだ。
めでたしめでたし・・・
これを丁寧に言うと「ウンコ、食べませんか?」となるのだろうか 。
仔馬は生まれてから2週間くらいまで
親のウンコをよく食べる。
いわゆる食糞行動、その理由は色々考えられるが
実際本人はどう思って食べているのかと想像すると
やはりきっと、美味いのだろう。
「仔馬が親の糞食べて咳き込んでるんだけど、大丈夫だろうか?」
先日そんな稟告で往診した。
聴診器を当て、肺音や気管音が正常なことを確かめて
熱もなく、元気なので簡単な手当てで帰ってきたその晩
また同じ家から往診の依頼が来た。
「飲んだお乳が鼻から出て来るんだけど、詰まってるんじゃないだろうか?」
駆けつけて診て見ると
仔馬はお腹が減って乳首に食いつくのだが
飲んだお乳をうまく飲み込めずに、直ぐ口を放してしまい
その後白いお乳が鼻から垂れて来るた。
食べた糞による食道梗塞になっていた。
カテーテルを入れると咽頭から数センチの浅い部分で止まった。
カテーテルに水などを入れて開通させようとすれば
梗塞部位が浅いので、その水が気管へ漏れて危険である。
こんな症例に遭遇するのは初めてだったので
馬のスペシャリストの ドクターH氏に電話相談した。
「どんな親の糞、硬いの?」
「いや、そんな特別硬いような糞じやないけど・・・普通の糞。」
「それなら、仔馬が乳を飲めないようにしたらいい。口籠(くちかご)とかある?」
「うーん、無いけど、なんとかするか・・・」
「飲めないようにしておいて、ひと晩もしたら、普通の糞くらいなら自分の唾液で流れて開通すると思うよ。」
「わかった、やってみます、ありがとう!」
かくして、ドクターH氏のアドバイスの通りに
ペットポトルの底に穴をあけ、即席の口籠にして
仔馬の口に装着して、一晩様子を見ることにした。
この即席の口籠は同行したO獣医師の発案で
なかなかグッドアイデアだった♪
翌日、口籠を外したら
仔馬の食道の梗塞は見事に解消し
仔馬はゴクゴクと喉を鳴らして親の乳首に食いついていた。
これにて、一件落着。
と・・・おもいきや・・・
「仔馬がまた、糞食っちゃって咳き込むんだわ。」
と飼主の§ さんから電話が来た。
「まだ詰まってはいないみたいなんだけど、どうしたらいいべ。」
「うーん・・・お乳も飲ませなきゃならないしなぁ・・・」
「飲ませたらまた、もうすこし口籠付けとくかね。」
「そうだね・・・」
そして、数日後
「仔馬、どうだい?」
「いやぁ、まだ糞食うんだよ。」
「まだ、食べんの・・・」
「それが、親のケツに付いて回ってね、糞たれるの待ってんだから、どーもならんさ。」
「・・・(笑)」
「古い糞には見向きもしないで、新鮮なやつに飛びつくんだから。」
「へー、すごいね。」
「口籠はもう大変だから、轡(くつわ)にしたさ。」
食糞行動はおさまらなかったものの
その後
食道梗塞にはならなかった。
それからまた
数日後
この仔馬はようやく
親のウンコを食べるのを止めたそうだ。
めでたしめでたし・・・
笑いながら感動しました。
盲腸が「正常腸内細菌叢になったんでもうちょのへんでいいでしょう」と言うまで食べるんでしょうね。
体が欲する、という信号に私たちも正直になりたいですね。