午前中の往診の最後の1件に向っているとき
携帯電話が鳴った。
「▽さんで、子宮捻転らしいんだけど、行ってもらえますか?」
「了解、直ぐ行きます。」
私は元来た道を引き返して、▽牧場へ到着。
手を入れてみると、子宮はしっかりと捻転していた。
捻転部分に腕をなんとかくぐらせて、さらに奥へ手を入れると
ようやく、まだ破水前の胎児の前足と額に触れた。
「捻転は間違いないね。ちょっとこのまま、立ったまま直るかどうかやってみるから。」
ここは先日、うまく行かなかった
「立位の用手押し込み保持法」に
再びチャレンジしてみようと思った。
前回の例と違う所は
発見が早く、まだ1次破水もしていない状態だった事だ。
胎児になんとか触れるので
胎児の足と頭を交互に、反捻転方向へ押し込んだまま保持し
しばらく、その体勢で静止していた。
すると親の陣痛が何度か起り
そのたびに胎児が少し動いた。
そのまま陣痛は何度か繰り返したが
なかなか、子宮の捻転は解消されなかった。
押さえて居るだけで、手をじっとさせているのは
なかなか、辛抱が要るもので、今迄の癖で手を止めている訳にも行かず
頭に手をかけて、反捻転方向へぐるりと回転を試みようとしたが
なかなか、胎児と子宮の捻れは直ってくれなかった。
そのうちに、一次破水が起きた。
すると、胎児が少し反捻転方向へ回転した。
胎児の頭は、完全な仰向けから 少し横転して
子宮の捻転が、半分程度回復した。
さらに、胎児の手足を押し込んで
すこしつづつ反捻転方向へ 胎児の頭が回転し
さらに少し経つと、陣痛とともに
胎児の頭部は産道に近づいた。
ここ迄来ると、もう子宮の捻転はほとんど解消されたようだった。
胎児の後頭部が若干斜めではあるが全部触れるようになった。
そこに、ヘッドループワイヤを掛けて
頭部だけをゆっくりと引き、産道に乗せた。
そこからはもう普通のお産である。
引き出されたのは、大きなホル♂だった♪
子宮捻転の「立位押し込み保持」による整復法
なんとか成功し、良い経験を積む事が出来た。
今回、成功した要因としては
仔牛が「生きていた」こと
「陣痛が普通」にあったこと
「一次破水、二次破水、共に未だ」で
整復処置中にそれが起り
それによって子宮の容積が変化し
胎児の位置やもそれにつれて整復されたこと
などが、考えられた。
「立位押し込み保持」法は
今迄抱いていたイメージより
ゆっくり、すこしずつ整復されて行く
そんな印象を
実際にやってみて、感じた。

携帯電話が鳴った。
「▽さんで、子宮捻転らしいんだけど、行ってもらえますか?」
「了解、直ぐ行きます。」
私は元来た道を引き返して、▽牧場へ到着。
手を入れてみると、子宮はしっかりと捻転していた。
捻転部分に腕をなんとかくぐらせて、さらに奥へ手を入れると
ようやく、まだ破水前の胎児の前足と額に触れた。
「捻転は間違いないね。ちょっとこのまま、立ったまま直るかどうかやってみるから。」
ここは先日、うまく行かなかった

再びチャレンジしてみようと思った。
前回の例と違う所は
発見が早く、まだ1次破水もしていない状態だった事だ。
胎児になんとか触れるので
胎児の足と頭を交互に、反捻転方向へ押し込んだまま保持し
しばらく、その体勢で静止していた。
すると親の陣痛が何度か起り
そのたびに胎児が少し動いた。
そのまま陣痛は何度か繰り返したが
なかなか、子宮の捻転は解消されなかった。
押さえて居るだけで、手をじっとさせているのは
なかなか、辛抱が要るもので、今迄の癖で手を止めている訳にも行かず
頭に手をかけて、反捻転方向へぐるりと回転を試みようとしたが
なかなか、胎児と子宮の捻れは直ってくれなかった。
そのうちに、一次破水が起きた。
すると、胎児が少し反捻転方向へ回転した。
胎児の頭は、完全な仰向けから 少し横転して
子宮の捻転が、半分程度回復した。
さらに、胎児の手足を押し込んで
すこしつづつ反捻転方向へ 胎児の頭が回転し

胎児の頭部は産道に近づいた。
ここ迄来ると、もう子宮の捻転はほとんど解消されたようだった。
胎児の後頭部が若干斜めではあるが全部触れるようになった。

頭部だけをゆっくりと引き、産道に乗せた。
そこからはもう普通のお産である。
引き出されたのは、大きなホル♂だった♪

なんとか成功し、良い経験を積む事が出来た。
今回、成功した要因としては
仔牛が「生きていた」こと

「一次破水、二次破水、共に未だ」で
整復処置中にそれが起り
それによって子宮の容積が変化し
胎児の位置やもそれにつれて整復されたこと
などが、考えられた。
「立位押し込み保持」法は
今迄抱いていたイメージより
ゆっくり、すこしずつ整復されて行く
そんな印象を
実際にやってみて、感じた。

私が今まで診た雑巾をしぼったように捻れて子宮が紫色になっていたのやら、胎仔が死んでしまっていたのやらはこの新しい方法は適応外でしょうね。