すずかけの木よ、さようなら。

以前このブログで紹介した、

帯広市内の一角に生えている、

大きな、すずかけの木（プラタナス） は、

私のお気に入りの木の一つだ。

ほどほどの背丈の割には、

幹が非常に太く、

地面から力強くグイッと伸びていて、

私は、その太く力強い幹がとても好きだった。

特に、幹の太さの際立つ冬から春にけての

新芽の待ち遠しい季節には

この木の傍を通る度に

その太い幹に触れては

トントンとたたいたりすると

不思議と心が癒された。

先日久しぶりに

すずかけの木に触れることの出来る

帯広市内の散歩コースを歩いて

その木の様子を伺ってみた

ところが・・・

「・・・?」

少し遠いところからでも

しっかりと見ることが出来る

いつものあの太い幹が

見当たらない。

「・・・。」

私はいやな予感がして

すずかけの木のある場所へ

歩みを急いだ。

すると・・・

「あぁ・・・、なんと・・・。」

悪い予感が的中した。

あの、お気に入りの木は

根本から伐られていた。

しかも

大きな木を伐った後には

切り株があってもよさそうなものだが

切り株さえもなく

完全に消えている。

よく地面を探してみると

平坦な地面に

大きなマンホールの蓋のような

木の伐り跡の丸い模様が残っていた。

「切り株さえも残らなかったのか・・・。」

私の好きだった

大きなすずかけの木は

この世から完全に

姿を消してしまったのだ。


  



左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

ご覧いただけます。
 
  

Comments

[1. hig]

みごとに切られてしまいましたね。チェーンソーでもこんなに地面で切れないと思うのですが・・・

街路樹でもなさそうですね。幹の周りもタイルで固められてしまっていて、大事にされていなかったようです。
落ち葉が鬱陶しがられたか、風で折れるのを心配されたか、根が張って家の基礎を持ち上げたか・・・・

残念なことです。樹齢を数えてやりたいですが、この切り口では無理そうですね。

[2. ヨシオカ]

豆作さん
私の職場の前のプラタナス並木も数年前に伐採されました。跡形もありません。
どんなに愛おしかったものでも、危険と判断された瞬間に対応が変わります。
それは180度の方向転換であり、プラタナスにとっては青天の霹靂でしょう。
プラタナスが意図せずとも危険な存在になっていた事を人間の側からははっきりと認知し、冷徹な態度に出ざるを得ないのでしょう。
寂しいけれど、人間側が安全に暮らしていく事が優先されるというのが事実です。

[3. そりゃないよ獣医さん]

他人が想うことと、所有者の温度差は、仕方ないことなのでしょう。
開墾間もない根室地方では、牧草地にポツンと残された木が、とても印象的なことがよくあります。フォトジェニックな風景として、写真を数多く撮っています。
そんな私の気に入りの木でも、酪農家にとって、特に採草地であれば邪魔そのものです。放牧地に残された、多くは楢の木ですが、元々陰相樹なので明るいところに、ポツンと置かれるのは不向きなのでしょう、年齢を重ねて折れたりするのを見ていると、一抹の淋しさを感じます。
友人が校庭の隅に残された木を、学校に訴えて残したのですが、子供が卒業して校長が代わって、すぐ伐採されて憤慨してました。枯葉の掃除が手間だとか、とてもつまらない理由とのことでしたが、聞かなければよかったと思っています。

[4. 豆作]

＞hig先生
この木の幹は
歩道のタイルを持ち上げるようにして生えていました。
歩道なら迂回させれば解決が付きそうですが
傍の家の基礎に悪い影響が出ていたのかもしれませんね。
伐られた幹は木材として売られたのでしょうか。
木材のトレーサビリティーは確立されていないので
全くわかりませんが
どこかで家具にでもなってくれるのでしょうかね。

[5. 豆作]

＞ヨシオカさん
並木のプラタナスが全て伐られるというのは
とても悲しい出来事と想像します。
プラタナスはどういうところが危険なのか
私にはよくわかりませんが
並木を植えたのも人であることを思えば
つくづく人は身勝手で愚かであると感じてしまいます。

[6. 豆作]

＞そりゃないよ先生
私の子供時代は高度成長期で
立派な自然が、開発名目で
いとも簡単に壊されてゆくのを見て育ちました。
私の父の会社（鉱山会社）の自然破壊や公害も
それは酷いものでした。
そんなトラウマが私の中にはあります。
現代酪農の変化をみるにつけ
同じような感情が湧いてきます。
そして、立派な大木が伐られたのを見ても
同じような感情が湧いてきます。

[7. きなこ]

この春に仙台に行って、街路樹が大きいことに驚きました。
民家やビルのすぐ傍にも、大木があって、杜の都と言われる意味が分かりました。
関西では、街路樹や庭木は、剪定されます。山の木とは違う、町中や庭の木が伸び放題＝そこの住人はだらし無い人、という、感覚があるようです。ちょっと伸びたらすぐに切りたがりますね~
関西でも、剪定しなければ街の木も仙台と同じく大きく育つと思いますが、住人の方に、仙台とは感覚の相違があるように思います。
なぜか？その理由を考えると、根本に、台風がよく来るかどうか、という、自然条件の違いがあるのではないかと思います。
関西は毎年のように来るのに、東北地方にはめったに来ないそうですね。
台風の時、街路樹はたしかに危険!(ﾟOﾟ)!です、というのも、かつてバブルの頃、台風の最中に御堂筋を通ったら、路肩に駐車した真っ赤なフェラーリに街路樹が直撃して、ペッシャンコになっているのを見たことがあります、、嗚呼無情（ー人ー;）

[8. 酪農の息子]

はじめまして、最近このブログを見つけました。数年前まで(親が)小規模ながら酪農を営んでたので、いろいろ懐かしく感じながら読ませていただいてます。
私はお隣のハルニレで有名？なT町で生まれ育ったため、木や自然には愛着があります。様々な事情があるのでしょうが、こうして慣れ親しんでいた自然がなくなっていくのはやっぱり寂しいですね。

[9. 豆作]

＞きなこさん
台風の進路が今年は異常で
いつもは来ない東北や北海道に
直撃で上陸するようになりました。
街路樹は
たしかに自然林よりも
台風の大風には弱いですね。
大風に備えた「剪定」はすべきでしょう。
しかし
大風で危険だから「伐ってしまう」というのは
あまりにも人の勝手で
樹木の命に対して
無知で愚かな行為だと思います。

[10. 豆作]

＞酪農の息子さん
コメントありがとうございます！
豊頃町のハルニレの木は有名ですね。
私も何度か訪れたことがあります。
今年の台風では水に浸かってすごいことになったようですが
あの木はまだ頑張っているようですね。
樹木と付き合うことも
家畜と付き合うことも
他人と付き合うことも
同じ地球上の仲間として
敬意を持って尊重して付き合うべきだと私は思っています。

[11. きなこ]

豆作先生が木を植えて、育てられたらいかがですか。
子供の頃、実家の近所に遊歩道ができましたが、そこの木は結構大きくなっています。
私も子供の頃は、木を伐られると自然破壊！みたいに感傷的になったほうですが、自分で植えたり管理してみると、木ってたくましいな、と思うようになりました。
中国で植樹している団体がありますが、山羊などの食害を防ぐと、山の緑化もかなり成功しているそうです。
仙台でも、津波で無くなった海岸林の植樹をしていました。

私よりも年上の従兄が、子供の頃、近所の公園に銀杏を植えたそうですが、大きくなって真上の電線に干渉するようになったため、最近、大勢で伐られたそうで、
事情を知りつつ何食わぬ顔でお手伝い（野次馬？）に行った父が、「こんな邪魔なるところにイチョウみたいな大きなる木植えくさったんは誰や！、いうてみんな怒っとったわ、ヒヒヒ」と言いながら帰ってきました(^-^;

[12. 豆作]

＞きなこさん
実は私は15年ほど前に
自宅の前にエゾヤマザクラの木を植えました。
片手で持てる程の苗木が
今では一抱えもある幹に成長しました。
8年くらい前から毎年春に見事な花を咲かせてくれます。
ところが、去年
自宅の前の空き地が宅地分譲され
宅建屋から桜を伐採してくれないかと言われました。
私はそれに対して
地上で縁石を超えている部分の剪定だけにしてくれるよう交渉しました。
今は新しいお隣さんが入居して
この木が毎年春に咲くのを褒めてくれています。
落ち葉の時は掃除が大変で
伸びすぎたら又剪定しなければなりませんが
伐採はするつもりも必要性も感じないです。

[13. ヨシオカ]

豆作さん、度々お邪魔します。
昔の事を思い出しました。
おじいちゃんが庭か？というくらい広い不思議な庭を持っていました。
そこには庭なのに桜並木や山吹、おおんこ、はまなす、アンズ、沢山の木が育てられ、そこに黒百合、シャクナゲ、スズラン、苺、季節毎にあらゆるジャンルの花が咲くようになっていました。それらの手入れはとても大変で、又決して整えられたように見せるものでなく、自然な佇まいを大切にしていたので、決して業者さんには頼みませんでした。
おじいちゃんが死んで、お父さんが死んでからは綺麗さっぱり失われました。
保とうという意思のないものは簡単に失われます。母もいない今はあの庭は私の脳裏にだけ残る庭となっているかもしれません。

[14. 豆作]

＞ヨシオカさん
そうですか。
無常といいましょうか・・・。
世の中が移り変わって行くのは
誰にも止められないのが本当のところですよね。
せめて、四季の移り変わりのように
再び巡ってくる希望を失いたくないものです。
心の中のお爺様（徹人先生）の庭を
大切にしていただきたいと思います。

[15. きなこ]

私もこの春、親子植樹イベントで、公園に桜を植えてきました。ちゃんと公園設計者の先生と一緒に植えましたので、数十年後にじゃまになって伐られることはないと思います（従兄のイチョウと違って(^^;）
その先生のお話を聴くと、公園設計って、景観はもちろん数十年後とか、管理の手間とか、いろいろなことを考えてされているのだな、と、
知識とセンスと情熱のある人がやるほど、良いものができるのだろうと思います。
とある山を整備して、新しく公園にしている最中でしたが、もとの木や地形を生かすところなど、本当その人のセンスですね、
山桜の大木に絡まる藤があったのに、せっかくきれいな様子だったのに、整備員が伐ってしまった！と、その先生もムキになって怒っていられましたf^_^;
個人の庭や木も小規模ながら、それぞれのセンスによると思います。
その先生は「緑の地球ネットワーク」というNPOで、20年以上、中国で植樹活動をされています、よかったら見てみて下さい。
（偶然？ですが、母校の農学部の退官された教授でした）

[16. 豆作]

＞きなこさん
情報ありがとうございます！
そういう先生のような知識と経験とセンスのある
賢者でなければ
樹木を植えたり切ったのすることはできないのだと思います。
植物も、動物と同じのような気がします。
愚かな行為の繰り返しを防ぐためにも
勉強しなければならないのだと思います。

[17. きなこ]

http://gen-tree.org/extras/newspaper/20051121_asahi-shimbun-m.jpg
経験よりも情熱だと思うのは、上の記事を見てみて下さい。
「素人は勇敢だと言われた」「軽率に始めるとひどい目に合うよ、でもなんとかなるものだよ」
カッコイイと思いました。
（でも動物よりも植物のほうがチャレンジ再チャレンジ
しやすい気がします（；^ω^）家畜などに直に当て嵌めてよいかは状況によって難しいところですね）

[18. 豆作]

＞きなこさん
拝見しました。
25年間も植樹活動を実践し続ける力はすごいですね。
植樹「魂」とでもいうのでしょうか
知識とセンスを得る以前の
強い情熱を感じました。