往診から帰って来たら、

8カ月齢のホルスタインの育成牛がいた。

95605563_257557592057684_7161677285395791872_n元気いっぱいなのに、

下胸部に人頭大の大きな腫瘤。

その超音波検査では、

膿瘍ではなく、

固体が充満しているように見えた。

IMG_0261摘出手術に当たったのは

同僚のT獣医師とN獣医師と新人のT獣医師の3人

私が用事を済ませて

再びカメラを向けたとき

大きな腫瘤が

術者のT獣医師の手で

牛の本体から外されるところだった。

IMG_0263外された腫瘤は

手術室の床にぐんにゃりと落ちた。

まるで大きな黒いキノコの笠のように

うつ向けに落ちて

平たく止まった。

摘出した切り口には

IMG_0266太い血管はないようで

出血が意外なほど少なかった。

術者の止血方法が良かったからかもしれない。

この腫瘤物は

牛の体にぶら下がっていたときは球形だったが

床に置かれると

IMG_0268重力のせいで扁平な物体となった。

その長さは直径約30cm弱

厚みは約8cmほどだった。

助手をしていたN獣医師が術創から離れ

このおおきなクラゲのお化けの

IMG_0270解剖を試みた。

腫瘤の中央を

刃物で割ってゆくと

真っ黒い均質の

光沢のある割面だった。

血液が凝固したものではなく

IMG_0272それよりも固い

真っ黒い組織だった。

黒色の色素の細胞の腫瘤

すなわち

黒色腫であろうと思われた。

IMG_0269ふたたび

術創の方へ目を移すと

2人の獣医師が

術創をきれいに縫い上げていた。

縫い終わって手術台を下ろし

IMG_0273牛を起こすと

牛は元気よく

家畜車の荷台に飛び乗った。

めでたしめでたし。

(この記事おわり)


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