我が家の物置の裏は雑草だらけだったので、

春先にラウンドアップという除草剤を撒いて、

シバクサやタンポポやアカザなどを、

全て枯らしておいてすっきりとしていた。

ところが

その後6月の末頃から

朝顔の双葉が

あちこちにあらわれ

双葉のあとに本葉を出し

本葉を伴いながら長い蔓を伸ばし

狭い裏庭のあちこちをまさぐるようになった。

蔓が隣の株の蔓に絡まり

ぐちゃぐちゃになってきたので

蔓に巻きどころを作ってやろうと

細い竹竿を6本ほど立ててみた。

すると朝顔の蔓たちは

ここぞとばかりに竹竿に絡みはじめ

大きな本葉を広げながら

竹竿をぐんぐんと登ってきた。

竹竿を登りきった蔓の先が

また所在無く空をまさぐるようになったので

IMG_2561竹竿の先に紐をつけて

その紐を物置の屋根の部分まで到達させた。

すると蔓たちは喜ぶようにその紐に巻きつき

さらにぐんぐんと登っていった。

蔓の先が物置の屋根に達する

IMG_2576八月の下旬の頃

朝顔たちは毎朝

ピンクと紫の花をたくさん咲かせるようになった。

咲いた花たちは午後には萎れはじめ

夕方には完全に下を向いて凋んでしまうのだが

IMG_2583次の日の朝には

またたくさんの花が咲いていた。

そんな花の日々が

九月いっぱいまで続いた。

十月に入ると

IMG_2675朝が冷え込むようになり

花の勢いがなくなり

花の大きさが急激に小さくなった。

花の数も少なくなり

葉の色も黄色味がかってきた。

IMG_2746十月の中旬に

数日の長雨があった。

その雨が上がりそうになったある朝

裏庭の朝顔を見ると

花はもちろんのこと

IMG_2763葉がことごとく黒ずんで

雨に打たれて下向きになり

全ての葉が茹でたお浸しのように

蔓からぶら下がっている状態になった。

雨が完全に上がり

IMG_2766青空の下で

萎れた朝顔の蔓と葉を

カラカラに乾かすような

冷たい風が吹くようになった。

雨が降っては止み

IMG_2786空が晴れては風が吹き

朝顔の蔓と葉は

その繰り返しの中で

どんどん乾燥していった。

そして今朝

蔓をよく見ると

花の後の萼の中に

真っ黒な種を

宿していた。


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