先週の土曜日は寒波がやって来て、

雪が数センチ降った後の晴天になった。

この日はたまたま、

写真家と書家の方々と一緒に、

T.A.L.(Tokachi Art Links)のコラボ展のため、

太平洋沿岸のトーチカを見に行くことになっていた。

大樹町の旭浜に埋もれつつあるトーチカ数基と

広尾町の豊似川河口付近に崩れつつあるトーチカ数基の

IMG_3071来年に向けての取材である。

トーチカを見るのは

約2年ぶりだった。

寒冷前線が通過した後の

非常に寒い日だったが

新雪が程よく積もった後の

IMG_3102美しい日となった。

はじめに旭浜のトーチカを見て

その後

豊似川河口付近のトーチカを見に

車を走らせていると

トーチカのあるあたりの浜辺に

大きな鳥がたくさん飛んでいるのを見た。

IMG_3075鷲だった。

よく見ると

尾だけが白いオジロワシと

尾と肩が白いオオワシと

それぞれ番いで数組

浜辺から沖へと

IMG_3096舞い上がって去ってゆくのが見えた。

鷲たちを見送りながら

浜辺に埋もれたトーチカ数基の近くを歩いていると

狐の足跡とウサギの足跡に混じって

なにやら不思議な足跡があった。

鳥の足跡だった。

最初はカラスの足跡かと思ったが

それよりはずっと大きく豪快だった。

IMG_3076よく見ると

豪快な足跡の左と右に

数本の爪で引っ掻いたような筋があった

羽の跡だった。

豪快な足跡と

その左右の羽の跡が

IMG_3082連続して

波打ち際をめがけて進み

その先は海の波に消されていた。

これは鷲たちが

海へ向かって羽ばたいてゆく

助走の跡だった。

鷲たちの助走の跡が

IMG_3088新雪の上に

生々しく刻まれているのだった。

その時

ふと

なにやら生臭い匂いが鼻をついた。

その匂いの方を振り返って見ると

体長2メートルくらいの

黒くて長い物体が横たわっていた。

赤いあばら骨があらわになり

その先端は平たい尾鰭だった。

もう一方の先端をよく見ると

細い上下の顎に鋭い歯が並んでいた。

IMG_3078イルカだろうか?

と思っていると

同行の写真家の山下さんが

クジラではないだろうか?

と言った。

もし

海獣に詳しい方が

この写真をご覧になっていたら

教えていただきたいと思う。

鷲たちは

この海獣の死体を

食べていたのだ。


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