ミニチュアホースは、
成馬でも体重が70〜80kg程度、
数ヶ月齢の子牛よりもさらに小さい。
馬というのは
1000kg(1トン)以上もある重種馬から
100kg にも満たない小型種まで
様々な大きさがある。
これは
牛と大きく違っているところである。
今回は
ミニチュアホースを去勢するにあたって
鎮静剤や麻酔剤を使用するのだが
それぞれに詳細な科学的データーの蓄積があるわけではなく
ほとんどがサラブレットでのデーターであり
サラブレッド以外の馬の診療をする場合の
薬品の使用量は
サラブレッドのデーターを元にして
そこから体重換算をして
例えば
重種馬ならば約2倍量
小型馬なら約5分の1量
というようにして
投与量を決めている。
我々が使用する多くの薬剤の中で
投与量に最も注意を要するのが
鎮静剤や麻酔剤である。
他の薬剤がいい加減で良いとは言わないが
中枢神経に直接作用する薬剤は
やはり細心の注意が必要である。
人医療ではあえて麻酔専門の医者がいることでも
それは解るだろう。
獣医療における麻酔専門の獣医師というと
一部の研究者のみか
高度診療施設の特化した技術を持つ獣医師に限られる。
私のようないわゆる
「馬の無医村」
で馬の診療に携わっている獣医師は
馬の鎮静や麻酔をする機会が少ないので
その機会が訪れるたびに
忘れかけていた薬剤の量を
思い出し
さらには
サラブレッドでのデーターを元にして
そこから重種馬や小型馬の
使用量を換算して
確認してから
仕事に当たることになる。
ここでいつも感じることが一つある。
それは
鎮静剤や麻酔剤の使用量が
「体重に比例していない」
ということである。
例えば
サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を
体重換算で約2倍の体重の重種馬に2倍量を投与すると
重種馬には効き過ぎてしまう。
また
サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を
体重換算で約5分の1の体重の仔馬に5分の1量を投与すると
仔馬には効きが悪い。
といった現象が起こる。
これはおそらく
サラブレッドが
馬の中でも非常に特化した循環器系
特に体重の割に大きな心臓を持っていることからくる
「誤差」
なのではないかと私は考えている。
今回
体重が100kgにも満たないミニチュアホースに
鎮静剤や麻酔剤を使用するにあたって
一つの悩みどころが
この薬剤使用量である。
とりあえずは
体重換算で使用量を割り出し
「誤差」については
小型の馬への換算なので
おそらく
計算通りには
「効かない方向」
に作用することが予想される。
今回使用した鎮静剤は
イミダゾール系のドミトールだったが
ミニチュアホースでのデーターはもちろん無いので
体重換算を基本としつつも
過去の経験を思い出しながら
投与量を決めることになった。
さて
また前置きが長くなってしまった(汗・笑)
この症例の報告は
次回にします(笑)
どうぞお楽しみに。
(この記事続く)
「ポコペンチャンネル」へチャンネル登録も
していただけると嬉しいです!
詳しくはFMウイングのHPへ。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
成馬でも体重が70〜80kg程度、
数ヶ月齢の子牛よりもさらに小さい。
馬というのは
1000kg(1トン)以上もある重種馬から
100kg にも満たない小型種まで
様々な大きさがある。
これは
牛と大きく違っているところである。
今回は
ミニチュアホースを去勢するにあたって
鎮静剤や麻酔剤を使用するのだが
それぞれに詳細な科学的データーの蓄積があるわけではなく
ほとんどがサラブレットでのデーターであり
サラブレッド以外の馬の診療をする場合の
薬品の使用量は
サラブレッドのデーターを元にして
そこから体重換算をして
例えば
重種馬ならば約2倍量
小型馬なら約5分の1量
というようにして
投与量を決めている。
我々が使用する多くの薬剤の中で
投与量に最も注意を要するのが
鎮静剤や麻酔剤である。
他の薬剤がいい加減で良いとは言わないが
中枢神経に直接作用する薬剤は
やはり細心の注意が必要である。
人医療ではあえて麻酔専門の医者がいることでも
それは解るだろう。
獣医療における麻酔専門の獣医師というと
一部の研究者のみか
高度診療施設の特化した技術を持つ獣医師に限られる。
私のようないわゆる
「馬の無医村」
で馬の診療に携わっている獣医師は
馬の鎮静や麻酔をする機会が少ないので
その機会が訪れるたびに
忘れかけていた薬剤の量を
思い出し
さらには
サラブレッドでのデーターを元にして
そこから重種馬や小型馬の
使用量を換算して
確認してから
仕事に当たることになる。
ここでいつも感じることが一つある。
それは
鎮静剤や麻酔剤の使用量が
「体重に比例していない」
ということである。
例えば
サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を
体重換算で約2倍の体重の重種馬に2倍量を投与すると
重種馬には効き過ぎてしまう。
また
サラブレッドで体重1kgに対して1mlの使用量の鎮静剤を
体重換算で約5分の1の体重の仔馬に5分の1量を投与すると
仔馬には効きが悪い。
といった現象が起こる。
これはおそらく
サラブレッドが
馬の中でも非常に特化した循環器系
特に体重の割に大きな心臓を持っていることからくる
「誤差」
なのではないかと私は考えている。
今回
体重が100kgにも満たないミニチュアホースに
鎮静剤や麻酔剤を使用するにあたって
一つの悩みどころが
この薬剤使用量である。
とりあえずは
体重換算で使用量を割り出し
「誤差」については
小型の馬への換算なので
おそらく
計算通りには
「効かない方向」
に作用することが予想される。
今回使用した鎮静剤は
イミダゾール系のドミトールだったが
ミニチュアホースでのデーターはもちろん無いので
体重換算を基本としつつも
過去の経験を思い出しながら
投与量を決めることになった。
さて
また前置きが長くなってしまった(汗・笑)
この症例の報告は
次回にします(笑)
どうぞお楽しみに。
(この記事続く)
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詳しくはFMウイングのHPへ。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
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中枢的に支配されている交感神経に対してローカルでバランスを取っている副交感神経領域がガタイの成長とともに重くなっていくので簡単に落とせる様になっていくのだと思います。
牛はそもそもが副交感神経優位なのでよく効くんでしょうね。
ガタイの小さな馬は中々難しそうですね。
まして作用機序が異なる薬をα2作動薬と比例計算して打ったらはちゃめちゃになるのでしょうね。