価格の優等生と言われ続けた「たまご」が、

鳥インフルエンザの蔓延によって、

とうとう優等生を返上して、

普通の食品と同じように、

値上がりし、

どうやらその値段は、

元に戻りそうにない。

消費者側からすれば

「たまごよ、お前もか・・・」

という嘆かわしい気持ちだろう。

しかし

生産者側からすれば

「値上げは当然・・・」

ではないかと思う。

鶏卵の生産は

コストを削りに削って

生産の効率化を追求して来た。

その努力は涙ぐましいものがあるが

数年前の

鶏卵会社の社長の

農水大臣への賄賂の発覚

などのニュースでもわかるように

アニマルウェルフェアを無視し

鶏という生物に対して

過剰な負担を強いる

生産体制を

長年の間

続けてきたという側面がある。

IMG_5746鳥インフルエンザによる

採卵鶏の大量の殺処分も

過度と言えるまで集約され

効率化が追求されてきた生産体制の

弱点が露呈し

足元をすくわれてしまった

と言って良い出来事だった。

先日の記事は

そんな大規模に集約されてきた生産体制を

見直さなければならないという内容だった。

スケール「メリット」を追求してきた鶏卵の生産が

スケール「デメリット」に遭遇し

方針変更を考え始めたのである。

この方向で生産体制の見直しが進めば

たまごの小売価格は

元のような値段には戻らないだろう。

IMG_5464私は

このことは

「たまご」に限った話ではない

と思っている。

すでに「牛乳」でも

IMG_5463値上がりが始まり

今後さらなる値上がりが懸念されている。

その根本は

スケール「メリット」を追求してきた

生乳の生産体制にあり

その弱点が

いま露呈しつつある。

私はそれを何年も前から

このブログで散々申し上げてきた。

IMG_5812このことは

「たまご」や「牛乳」

ばかりではなく

その他の畜産物で

いや

全ての農産物で

全く同様の危機が

訪れるだろう。

いま我が国の農業は

スケール「メリット」が

スケール「デメリット」へと

変わってゆく

曲がり角に来ているのだ。


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