「乳牛は血中の低カルシウムにどれだけ耐えられるのか?」

すなわち

「乳牛の血中カルシウム濃度のデッドラインは何(mg/dl)か?」

という命題をかかげ

実際に

その血中カルシウム濃度(最低値)を探る記事を

何回か書いた。

低カルシウム選手権(1)

低カルシウム選手権(2)

この2つの記事を書いたのは

2023年の4月。

この時点での

血中カルシウム濃度の最低記録は

2.7(mg/dl)

だった。

さらに昨年の10月に

我が診療所の同僚のT獣医師が

産後起立不能の乳牛で

2.7(mg/dl)

をマークした牛を診療した。

これは最低濃度のタイ記録だった。

上記のタイ記録の保持牛は

2頭とも

治療の後起立し

現役復帰を果たしている。

さて

今年になって

先日の2月11日に

我が診療所の同僚のK獣医師が

産後16日を経過した乳牛が起立不能となったということで往診し

血液検査をしたところ

IMG_6764なんと

その牛の血中カルシウム濃度が

2.6(mg/dl)

だった!

今までの最低記録を0.1(mg/dl)下回る

最低記録をマークしたのである。

K獣医師の初診のカルテによると

「T37.2、P108、R52、起立不能、右横臥呻吟苦悶、歯ぎしり頻り、眼球陥凹、心悸亢進、腹囲膨満、右肋にてPS+、直腸検査にて粘液便」

と、かなり派手な臨床症状を示していた。

その翌日は私が往診し、症状は

「T38.0 、P90、R30、起立不能、投頚呻吟、水様下痢。」

と、まだ厳しい症状が続いていた。

K獣医師と同様のカルシウム製剤とリンゲル液とブドウ糖液などを投与し様子を見ることにしたが

この時点で私は

この牛は助からないのではなかろうか・・・と思っていた。

その翌日

飼い主さんが吊起をしたら

この牛はなんと立ち上がったという。

IMG_6761その翌日には

なんと反芻を始め

その翌日の今日は

自力で立ち上がることができた。

食欲もさらに増加し

この牛は急速に治癒に向かっていた。

血中カルシウム濃度が

2.6(mg/dl)

まで下がって

重篤な症状を示していた牛が

治癒したのだった。

この事実をもって

牛の血中カルシウム濃度の

最低記録が

更新されたのだった。

このブログをご覧の獣医師の皆さん

もし

牛の血中カルシウム濃度が

2.6(mg/dl)

に肩を並べるか

それを下回る数値を

経験した方がいたら

是非ご一報をいただきたい!

    ※     ※      ※

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