ここ数年、

牛の低カルシウム血症の、

低値を争う選手権と題して、

その値に注目している。

現在報告されている最低値としては

2.5(mg/dl) 

が最も低い値で

今年の3月に報告された。

3.0を下回るレベル

はなかなか現われないと思っているのだが

なんと

今年は

私の診療区域だけでも

IMG_7940カルシウム濃度が

2.7(mg/dl)

という牛が

4例も発生

してしまった。 

全てホルスタインで

全て分娩後の乳熱と診断された牛である。 

しかも

これら4頭は

治療の甲斐なく

全て廃用処分となってしまった。

カルシウム濃度の

最低値を競うのも悪くはないが

それよりも 

3.0 を 下回るレベルの牛が

短期間で何頭も出現する事のほうが

由々しき事態だといえるだろう。

学術的な興味で

最低値を観測するのも大切だが

臨床獣医師として

低レベルを摘発して注意を促すことのほうが

臨床獣医師としては大切なことであろう。

このブログでの報告が

少しは警告になることを願いたいと思っている。

ちなみに 

今回のカルシウム値

2.7(mg/dl)

を記録した4例に

共通しているのは

遊離脂肪酸(NEFA)がどれも

1.0(mEq/L)以上

だったことと

AG比がどれも

1程度の低いレベル

だったこと 

を付け加えておく。

それがどういう意味を持つかは

このブログをお読みの皆さんに

お考えいただきたいと思う。

もう一度言おう

分娩後のホルスタインで

カルシウム値

2.7(mg/dl)

が観測された牛が

わが町の酪農家の間で

短期間に4頭発生

その全てが廃用となった。

とりあえず

他所の診療地区の獣医師の皆さんに

報告をしておきたいと思う。 


 ※     ※      ※


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