十勝清水町の酪農場で働きながら、

絵を描き続けている、

洞内由紀子(ほらない・ゆきこ)さんの、

IMG_8079水彩画展が、

清水町図書館のロビーで、

12月1日〜27日まで開かれ、

牛の水彩画7点が展示されている。

今回の特徴は

それぞれの牛の絵に

楽譜がつけられている。

IMG_8082その楽譜は

丸本大悟さんという方が作曲した

「願いの叶う本」

というタイトルの曲の楽譜である。

キャラリーにBGMとして流れている曲が

その曲であるようだった。

IMG_8083私には

楽譜を読む力がないので

それが本当かどうかは判らなかったが

その曲を聴きながら

一枚一枚

ゆっくりと鑑賞させていただいた。

IMG_8081由紀子さんが働いている牧場で生まれた

一頭のホルスタインの雌牛が

育てられて成牛になり

酪農場で乳牛として暮らし

牧場の人々と交わり

IMG_8084牛同士で交わり

子牛を生み

乳を出し

歳を重ねて

いつしか

IMG_8085乳牛としての役を終え

肉用牛として売られて

屠殺されるために

由紀子さんと別れ

牧場を去るまでの

IMG_8086一つ一つの

場面を

水彩画にとどめ

そこに

楽譜が添えられている。

「日頃から耳にしていたこの曲がその時はなぜか彼女のことを奏でた曲に思えてなりませんでした」

IMG_8080というコメントにもあるように

由紀子さんは

自らが働く酪農場の

一頭の雌牛への想いを

7枚の水彩画に託している。

IMG_8087いつもながら

その絵の牛の表情と

牛の仕草に

釘付けにされてしまうのだが

今回はさらに

私自身の日々の仕事を

反省する気持ちが

強くこみ上げてきた。

私は

日々酪農場で

不健康に陥った乳牛たちを

診療しているのだが

その時

彼らをどれだけ丁寧に診ているだろうか・・・

おざなりなやっつけ仕事として

診療をこなしているだけになっていたことに

深く反省させられた。

由紀子さんの

たった一頭牛に対する

深い思いから描かれた

7枚の絵を前にして

そう思わざるを得なかった。

これほどまでに

一頭の牛の一生を

IMG_8086丁寧に

優しく

真摯に

描かれた絵という

表現に

出会うことは

未だかつて無かった。

私と同じような

酪農場に通って仕事をしている

多くの獣医師諸君や

IMG_8088酪農関係者

そしてさらに

一般の

乳製品を日々消費している

全ての方々に

この作品展へ足を運んで

7枚の絵を

実際に生で

見ていただきたいと思う。


 ※     ※      ※


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